「身体は潜水服を着たように重くても、
ぼくの想像力と記憶は蝶のように自由に羽ばたく。」
(「
潜水服は蝶の夢を見る」監督ジュリアン・シュナーベル)
ジャン=ドミニク・ボビー
ELLE編集長、42歳、子供3人の父親。
ある日倒れ、身体の自由を失った。
そして左目の瞬きだけで語り始める。
蝶のように飛び立つ想像力と記憶で――
(チラシ説明文より)
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主人公のおかれた状況もさることながら、
宣伝チラシのデザインが印象的で・・
魅かれて見に行きました。
春から異動命令が出ている病棟が、
脳梗塞の患者さんが多いということも、
頭の隅にちらほらと浮かびつつ。
・・・すごい映画でした。
主人公は、ある日突然脳梗塞で倒れ、
動くのは左目の瞬きのみになってしまいます。
はじめは、自分のおかれた状況を受け入れるのさえままならず、
混乱状態が続きますが、
その後、言語療法士の献身的な支えがあり、
彼のために考案された独自のコミュニケーション法を使って、
彼は「左目の瞬きのみ」で自伝を書くことになります。
でも、この映画はそんな彼を、
「すごいことを成し遂げた偉大な人物」とは描いていません。
むしろ、弱くてちっぽけで、愚かな面をたくさん描いています。
人間は、愚かでちっぽけでとるに足らない存在だけれど、
でも、どんな状況におかれても、
神様によっておおきな力があたえられているんだ、
ということが、おおげさにではなく、
ユーモアを交えつつ、絶妙なバランスで描かれている映画でした。
今年のベスト3にはいること、
まちがいなしです。
「僕には、自由な想像力と記憶がある。」
「僕は、重い潜水服を脱ぎ捨て、蝶のように飛び立つ。」
(ちなみに、音楽もとても好みでした。
静かなバッハのピアノの音あり、トム・ウェイツあり・・
サントラ盤の発売はもう少し先のようです)
本館は
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