ようこそのお運びで
厚く御礼申し上げます、月娘亭情珍でございます。
最近『ちりとてちん』いうドラマにハマっとりまして、
落語をテーマにした内容ですねんけど、
まーコレがおもしろーて、おもしろーてね。
今ではすっかりゾッコン愛(LOVE)ってなかんじでして、
そーなりますと落語っちゅうモンに興味が湧くってのが、私の開拓心溢れる性格ですよって、
インターネットやらでサクサクっと調べたりしとる訳でございます。
ほんでぇ調べとるうちに、自分で小話作ったろ思いましてな、
そんで出来たんが、この『牛乳』いう落語ですねん。
これは、私の実話を元にした話でございますねんけど、
まだまだ未熟やさかい、ショボい内容ではございますが、
一つお付き合いを願いますぅ。
しっかりしとるようで、ちょっと抜けとる、アホな男の話…
【牛乳】
とあるところに、ジョーチンという若者がおりまして、
小さなデザイン事務所で働いております。
ある暑い夏の日の事。
旦那さん(社長)が『大きい仕事も一段落した事やし、こん夏はみんなでどっか離島でも行って、ゆっくりしようかぁ』いう事になりまして、
社員旅行にでも行こうかっちゅうわけですな。
まー運もええもんで、ある島に社員さんの親戚が持っとる、つこーとらん空き家があるいうさかい、ほな、そこがええやないかっちゅう事で、
日付はいついつ、何時集合、遅刻厳禁、火の用心。
っとスラスラと事が運び、あっちゅう間に旅行当日となります。
旦那さんに奥さん、営業さんに外注のカメラマンさん、それに社員さんとジョーチン、皆連れだって、ワイワイガヤガヤと船乗って、ある島へやってまいります。
夏真っ盛りの汗もにじむような真夏日和の事で、
青い空には白い雲が浮かび、下にはどこまでも続く水平線。
丘を見れば、さとうきびの葉が風に揺られ、ざわわ、ざわわと音を立て。
夜にはコオロギの鳴き声と遠くから聞こえる波の音。
満天の星空を肴にいたしまして、
一杯、また一杯と酒が進み、ほろ酔い気分で床に就きます。
そして、気持ちよう迎えた旅行二日目の朝の出来事…、
旦那さん:『ジョーチン、ジョーチンは起きとるか?』
ジョーチン:『へぇ、旦さんおはようございますぅ』
旦那さん:『おう起きとったか、朝はように呼び出してスマンが、ちょっと使いを頼まれてくれへんか?』
ジョーチン:『へぇ、何でございましょ?』
旦那さん:『牛乳買ーてきて欲しいねん。』
ジョーチン:『牛乳?』
旦那さん:『せや、今なエスプレッソ立ててんねんけどな…』
ジョーチン:『何ですぅ?そのエキスプレスいうモンは?』
旦那さん:『誰が特急いうてんボケッ!!エスプレッソやちゅーてんねんっ!!珈琲や珈琲!!』
ジョーチン:『そない本気で怒らんでもえーやないですか。知ってまんがな、エスプレッソ。軽いジョークですがな。』
旦那さん:『何が軽いジョークや、朝からしょーもない事いうてっと、ど突きまわしたるぞホンマに…
まーええわ、あのな、このエスプレッソと牛乳つこーて、カフェオレ作ろう思とんねん。』
ジョーチン:『はぁーカフェオレ、こらぁ朝からえらいオシャレですねぇ。さすが旦さん、やる事がちゃいますわぁ。』
旦那さん:『そんな安い世辞はええから、はよう牛乳買ーてこんかい。』
ジョーチン:『へぇ、ほなひとっ走り行ってきますぅ。』
っと、意気揚揚と出かけまして、やがて小さい町屋に着きます。
ジョーチン:『何やずいぶんと古くさい町屋やな。 ま、牛乳くらいは置いとるやろ。 ごめーん!!』
中には一人の老婆がポツーンと座っておりまして
ジョーチン:『ばーちゃん、牛乳貰うでぇ。えーと牛乳、牛乳、お、あった、あった、…何や全部賞味期限過ぎとるがな!!
おい、ばーちゃん、ここん牛乳全部賞味期限過ぎとるがな!!どないなっとんねん!!』
老婆:『んなアホな事いいなぁ、そんな事あるわけ…ホンマや!! エライすんまへんなぁ兄さん、ちょっと待っとくなはれ。』
そういいますと老婆は、店の奥からコップ一杯の牛乳を持ってまいりまして
老婆:『ほれ兄さん、コレ飲んどくなはれ。 期限も明後日までは大丈夫やさかい。』
ジョーチン:『おー、すんませんなぁ。何や期限切れてても飲める事は飲めんねんけど、それで腹壊してもーたら、シャレならへんさかい。ほな頂きますぅ。
ゴク、ゴク、ゴク、プハァーっ!! やっぱ朝はこの一杯から始まんねん。 ごっつぉーさん、なんぼや?』
老婆:『金かいな?いらんいらん。こんなんで金もろーとったら、えべっさんから罰もろーてまうわ。』
ジョーチン:『ほーかぁ、ほな甘えさせて貰うわ、おーきにな、ばーちゃん。』
老婆:『はい、おーきに。気ぃ付けて帰りやー。』
ジョーチン:『やっぱ島の人間はちゃうなぁ。器がデカイいうんかな?都会の人間とはエライ違いやで。何や知らんけど、心がようぬくもった感じや。』
っとジョーチン、気分上々で帰ってまいります。
ジョーチン:『旦さんただいまぁ。』
旦那さん:『おぉ、待っとったでぇ、エライ遅かったやないか、で、牛乳は?』
ジョーチン:『へぇ、飲んできました。』
おしまい
厚く御礼申し上げます、月娘亭情珍でございます。
最近『ちりとてちん』いうドラマにハマっとりまして、
落語をテーマにした内容ですねんけど、
まーコレがおもしろーて、おもしろーてね。
今ではすっかりゾッコン愛(LOVE)ってなかんじでして、
そーなりますと落語っちゅうモンに興味が湧くってのが、私の開拓心溢れる性格ですよって、
インターネットやらでサクサクっと調べたりしとる訳でございます。
ほんでぇ調べとるうちに、自分で小話作ったろ思いましてな、
そんで出来たんが、この『牛乳』いう落語ですねん。
これは、私の実話を元にした話でございますねんけど、
まだまだ未熟やさかい、ショボい内容ではございますが、
一つお付き合いを願いますぅ。
しっかりしとるようで、ちょっと抜けとる、アホな男の話…
【牛乳】
とあるところに、ジョーチンという若者がおりまして、
小さなデザイン事務所で働いております。
ある暑い夏の日の事。
旦那さん(社長)が『大きい仕事も一段落した事やし、こん夏はみんなでどっか離島でも行って、ゆっくりしようかぁ』いう事になりまして、
社員旅行にでも行こうかっちゅうわけですな。
まー運もええもんで、ある島に社員さんの親戚が持っとる、つこーとらん空き家があるいうさかい、ほな、そこがええやないかっちゅう事で、
日付はいついつ、何時集合、遅刻厳禁、火の用心。
っとスラスラと事が運び、あっちゅう間に旅行当日となります。
旦那さんに奥さん、営業さんに外注のカメラマンさん、それに社員さんとジョーチン、皆連れだって、ワイワイガヤガヤと船乗って、ある島へやってまいります。
夏真っ盛りの汗もにじむような真夏日和の事で、
青い空には白い雲が浮かび、下にはどこまでも続く水平線。
丘を見れば、さとうきびの葉が風に揺られ、ざわわ、ざわわと音を立て。
夜にはコオロギの鳴き声と遠くから聞こえる波の音。
満天の星空を肴にいたしまして、
一杯、また一杯と酒が進み、ほろ酔い気分で床に就きます。
そして、気持ちよう迎えた旅行二日目の朝の出来事…、
旦那さん:『ジョーチン、ジョーチンは起きとるか?』
ジョーチン:『へぇ、旦さんおはようございますぅ』
旦那さん:『おう起きとったか、朝はように呼び出してスマンが、ちょっと使いを頼まれてくれへんか?』
ジョーチン:『へぇ、何でございましょ?』
旦那さん:『牛乳買ーてきて欲しいねん。』
ジョーチン:『牛乳?』
旦那さん:『せや、今なエスプレッソ立ててんねんけどな…』
ジョーチン:『何ですぅ?そのエキスプレスいうモンは?』
旦那さん:『誰が特急いうてんボケッ!!エスプレッソやちゅーてんねんっ!!珈琲や珈琲!!』
ジョーチン:『そない本気で怒らんでもえーやないですか。知ってまんがな、エスプレッソ。軽いジョークですがな。』
旦那さん:『何が軽いジョークや、朝からしょーもない事いうてっと、ど突きまわしたるぞホンマに…
まーええわ、あのな、このエスプレッソと牛乳つこーて、カフェオレ作ろう思とんねん。』
ジョーチン:『はぁーカフェオレ、こらぁ朝からえらいオシャレですねぇ。さすが旦さん、やる事がちゃいますわぁ。』
旦那さん:『そんな安い世辞はええから、はよう牛乳買ーてこんかい。』
ジョーチン:『へぇ、ほなひとっ走り行ってきますぅ。』
っと、意気揚揚と出かけまして、やがて小さい町屋に着きます。
ジョーチン:『何やずいぶんと古くさい町屋やな。 ま、牛乳くらいは置いとるやろ。 ごめーん!!』
中には一人の老婆がポツーンと座っておりまして
ジョーチン:『ばーちゃん、牛乳貰うでぇ。えーと牛乳、牛乳、お、あった、あった、…何や全部賞味期限過ぎとるがな!!
おい、ばーちゃん、ここん牛乳全部賞味期限過ぎとるがな!!どないなっとんねん!!』
老婆:『んなアホな事いいなぁ、そんな事あるわけ…ホンマや!! エライすんまへんなぁ兄さん、ちょっと待っとくなはれ。』
そういいますと老婆は、店の奥からコップ一杯の牛乳を持ってまいりまして
老婆:『ほれ兄さん、コレ飲んどくなはれ。 期限も明後日までは大丈夫やさかい。』
ジョーチン:『おー、すんませんなぁ。何や期限切れてても飲める事は飲めんねんけど、それで腹壊してもーたら、シャレならへんさかい。ほな頂きますぅ。
ゴク、ゴク、ゴク、プハァーっ!! やっぱ朝はこの一杯から始まんねん。 ごっつぉーさん、なんぼや?』
老婆:『金かいな?いらんいらん。こんなんで金もろーとったら、えべっさんから罰もろーてまうわ。』
ジョーチン:『ほーかぁ、ほな甘えさせて貰うわ、おーきにな、ばーちゃん。』
老婆:『はい、おーきに。気ぃ付けて帰りやー。』
ジョーチン:『やっぱ島の人間はちゃうなぁ。器がデカイいうんかな?都会の人間とはエライ違いやで。何や知らんけど、心がようぬくもった感じや。』
っとジョーチン、気分上々で帰ってまいります。
ジョーチン:『旦さんただいまぁ。』
旦那さん:『おぉ、待っとったでぇ、エライ遅かったやないか、で、牛乳は?』
ジョーチン:『へぇ、飲んできました。』
おしまい
これまたウケルと思うので・・・次回のネタで!
そんなん究極の羞恥プレイでっせ。