ある40代の女性は、以前通っていた病院で歯を削られてしまったことで余計に虫歯が進行し、神経を抜いていました。相談にきたときには、詰め物が取れ、歯には黒い空洞が空いている状態で、前の病院では『抜歯してインプラントにするしかない』と言われていた。口腔内カメラ
私たちは、歯茎に処置をする『クラウンレングスニング』という手法で何とか歯を残しましたが、最初の段階で、歯を削っていなければ、あそこまでひどい状態にはならなかったと思います。それだけ、歯を削るということはリスクが大きい治療法なのです」
歯を失うと、人は一気に老いる。口元は緩み、顎は痩せていく。80代を対象にした福岡県での調査によれば、歯がまったく残っていない人は、20本以上残っている人に比べて約2倍も死亡リスクが高いことがわかっている。根管長測定器
最後まで自分の歯で食べ、健康にすごしたい――それが多くの人の切なる願いだろう。
しかし、だからといって少しの違和感で病院に行き、すぐに歯を削らせてはならない。一度歯を削ってしまうと二度と元には戻らない。しかも削った部分では虫歯が何度も再発する可能性が飛躍的に高まるからだ。前出の小峰氏が解説する。