温泉クンの旅日記

温泉巡り好き、旅好き、堂社物詣好き、物見遊山好き、老舗酒場好き、食べ歩き好き、読書好き・・・ROMでけっこうご覧あれ!

三朝温泉(2)

2009-05-27 | 温泉エッセイ
  <三朝温泉(2)>

 三朝温泉・・・この温泉で三度朝を迎えれば病はすべて治るという。 

 奇跡の温泉と呼ばれるところは、東日本に玉川温泉があるが、西日本ではこの
三朝温泉であろう。世界一のラジウム温泉というだけあって、かなりもの凄い効能
があると思う。観光と本格的な療養がこの温泉の特徴だ。


 ここは、八百三十年の歴史がある温泉で、源頼朝の家臣、大久保左馬之祐が源氏
再興を祈願し、三徳山三仏寺に赴いた折に命を救った白狼が夢枕に立って、楠の
老木から湯が湧き出ていることを教えたといわれる。この湯が元湯の「株湯」だ。



 三徳川(三朝川)の両岸に旅館が立ち並び和風旅館が多い。



 三朝橋のそばには外湯の「たまわりの湯」が、橋からおりれば無料の河原風呂も
ある。



 石畳の温泉本通りには、こじんまりした旅館、飲食店、古美術店、スナック、
土産物屋、射的場などが並び、情緒ある温泉街だ。



 足湯の「薬師の湯」で飲泉をして、すぐ前の小奇麗な旅館で立ち寄り湯をした。



 浴槽はふたつあるが、奥のほうは源泉で熱すぎてはいれない。



 手前の浴槽に身を沈めた。



 三朝温泉は、切れ味が凄まじい、いわくつきの妖刀に似ている。
 その一見どうみてもありふれて見えるお湯は、よくよく見ると、表面から底まで
刀紋のように妖しくぎらついていて、沈めた身体のあらゆる肌の面から瞬時に細胞
の奥深く浸透していくのを、たしかに感じるのだ。
 立ち昇る妖気のような温泉成分は鼻や口から容赦なく侵入してきて、荒れたり
微妙に狂い始めた器官を正常に戻すべく容赦なく刺激する。
 たった五分しかはいらないのに、代謝機能がドンと蹴飛ばされたように、点火
されあらがいきれず燃焼し、すぐに驚くほど発汗する。
 
 ほんとうに三泊してみたい温泉である。
 飲泉をし、一日に五度くらい温泉にはいっていればきっと自分の細胞が生まれ
変わるだろう。

 川沿いの広場で、大勢のひとたちがカズラで縄を編んでいた。
 明日、明後日行われる花湯まつりは、お釈迦様の誕生を祝い湯の恵みに感謝する
とともに、その年の豊作と商売繁盛を願う綱引き神事が祭りのメインで、それに
使う縄だそうだ。



 綱には雄綱と雌綱があり、雄綱が東、雌綱が西に揃った所で引き合い、「東が
勝てば豊作、西が勝てば商売繁盛」と言われている。
 藤カズラで編んだ長さ八十メートル、重さ二トンの綱に触ると無病息災といわ
れ、多くの観光客が綱引きに参加する。

 恋谷橋にある縁結びのカジカガエルだ。



 恋人を思いながら触れると恋が実ると言われている。
 三徳川に生息するカジカガエルは鹿のような美しい鳴き声からカジカ(河鹿)
ガエルと名付けられ、三朝温泉ではマスコット的存在である。

 澄んだ水の清流にしか棲息しない蛙で、その鳴き声は『日本の音風景百選』に
選ばれるほどで、その美声はオス蛙がメス蛙へ求愛であることから、縁結びにご
利益があると言われるようになり、このカエルを触っていくカップルがなんでも
引きもきらないとか。


  →「三朝温泉(1)」の記事はこちら

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 三朝温泉(1) | トップ | 倉吉を歩く(1) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

温泉エッセイ」カテゴリの最新記事