温泉クンの旅日記

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阿蘇へ

2009-09-27 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <阿蘇へ>

 旅が苦手というひとがいる。
 話を聞いてみると、ははあ、やっぱりなと思う。

 旅は、いわゆる非日常である。
 そこに日常を持ち込みたがるひとは、基本的に旅には向かない。いつもと違う
時間を過ごそうとするのに、いつもと同じ時間とか習慣をはめこもうとするから
である。

 旅に移動はつきものであり、移動も思ったようにはいかない。だから、昼食も
早かったり遅かったり、ときには満足に食べられなかったりすることもある。
 いつもの時間にいつものことをしようとしても、いつもと異質な旅先では無理
な場合が多いのだ。
 日常も、日常につながる荷物もできるだけ持ち込まずに、自然体で旅を楽しむの
が心得である。

 黒川温泉街の狭い道から国道に合流する。
 いったん停止して国道の左右を確認しているときに、眼の隅に動くなにか小さい
ものを捉えた。
 走り出してからフロントガラスを確認すると、てんとう虫だった。



 ちょうど、左のワイパーの根元近くでフロントガラスに必死でしがみついてい
る。走行している風圧で押さえ込まれて、飛び立てないようだ。
「おいおい、このままだと阿蘇まで一緒に行くことになるぞ。黒川あたりのほうが
緑が多くて住みやすいんじゃないのか。阿蘇じゃ空気も悪い日もあるしな
あ・・・」
 道ずれは歓迎だが、可哀想でもある。思わず、話しかけてしまう。

 てんとう虫にばかり眼の焦点を合わせていては危なくて運転はできない。
 運転に専念しているうちに忘れてしまったが、たぶん信号待ちが一回あったので
そのときに無事に脱出したのだろう。なんとなく寂しいがひと安心でもある。



 阿蘇に登り始めると、牛が放牧されていてのどかな風景が広がる。
 牛の背中に書かれた数字は、生まれた年と月であろうか。



 牛が喜びそうな広大な緑の草地だ。

 登りきった中腹のところが草千里・・・だ。
 正しくは阿蘇草千里ヶ浜という。烏帽子岳中腹に広がる草原である。





 実に阿蘇らしい景観で、引き馬に乗ったりすることもできる。
 阿蘇と言う言葉から、わたしがすぐに思い出すのが草千里と噴火口である。

 噴煙昇る阿蘇中岳には、火口のすぐそばまで車でいかれる。有料であるが、これ
は便利である。



 ただし、活動が活発化して有毒ガスが発生した場合には、立入りは規制される。
その状態は信号のような表示で行われる。今日はだいじょうぶであった。



 活火山にしかない底知れない迫力を、あいかわらずに今日も感じる。

 噴火に備えたシェルターのようなものがあるのが、いかにも活火山らしい。



 なお、いわゆる阿蘇山は通称で正式には阿蘇五岳(あそごがく)といい、高岳を
最高峰に、中岳、根子岳、烏帽子岳、杵島岳の連なった五岳である。





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