温泉クンの旅日記

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石和温泉(1)山梨・笛吹

2019-09-08 | 温泉エッセイ
  <石和温泉(1)>

「ホテルふじ」に到着した大型送迎バスから降りる客は、恥かしながらわたし独りだった。

 

「当ホテルのチェックインは午後三時になっております・・・」
 早すぎるのはわかっているので、記帳を済ませたわたしは顔をあげると、支配人然とした貫録たっぷりの年配フロントマンに頷いた。
 ホテルの入口前に灰皿があったのは確認済みである。そこで一服してからラウンジで冷たいものでも飲んで待ち時間を潰すつもりだ。

 

「・・・ですが、お客様の部屋は用意が整っておりますのですぐにご案内できます」
 そう言いながら、貫録フロントマンが片頬に笑みを浮かべウィンクした(ような気がする)。なんと、ラッキー。ウィンクは(できるが)柄ではない(まったく似合わない)ので、返礼の笑みをすかさず返した。こういうのはとっても嬉しい。

 特急かいじは石和温泉駅に13時58分に到着した。次の特急は丁度一時間後の到着になる。
 2019年3月16日のダイヤ改正で、中央線特急あずさの新宿・松本間で大幅な停車駅が見直され、塩山・山梨市・石和温泉はすべて通過することになってしまった。つまり、石和温泉には「かいじ」しか止まらなくなった。

 

 駅前の土産物屋で時間を潰そうとロータリーに出て、宿の送迎バスを発見するや温泉バカの悲しい性で反射的に飛び乗ってしまったのだった。事前予約もなにもしていなかったのにだ。

 

 フロントから振り返ると左手に洒落た屋外プールがあって、いきなりリゾート感を感じ、ホテル外観から受けた昭和のイメージがなんとなく薄まる。
 スキップモードで歩む、ロビーから部屋に向かう通路には豪華なシャンデリアが輝いている。

 

 エレベーターに乗り思ったより広い部屋に案内されて夕食と朝食、非常口の場所などを型どおり説明される。
 案内係がいなくなり一瞬で着替えると、大浴場「大庭園風呂きんすい」に勇んで向かう。

 

 

 男湯の入口横にコインロッカーをみつけ、立ち寄り湯の先客がいるかどうか急に気になってしまう。更衣室に入ると、先客の痕跡はないのでどうやら独り占めのようだ。

 

 

 広い内風呂で、気が急くが掛け湯だけは充分にしてから熱い湯に身を滑りいれる。久しぶりの温泉の中で身体がはしゃぎ、小躍りしているようだ。

 

 温まったところで、内風呂から直接外に出て、広めの「庭園風露天風呂 寿寿」へ。

 

 内風呂、露天風呂をさらにもう一回づつのワンセットを、ゆっくり長めに楽しむ。

(たまにはアイスクリームでも食べるとするか・・・)
 売店で<桔梗信玄餅クレープ>をみつけ、まったくいろんな商品を出しているものだと感心するが衝動的に買ってしまう。近くにあるドリンク・コーナーで食べることにした。

 

 桔梗信玄餅と黒蜜、きなこ、ホイップクリームをクレープで包んであるいわゆる和スイーツだ。冷凍でちょっと硬いが、火照った身体が思わぬアイスクレープの出現を喜んでいる。嫌いなきなこも冷たいせいか気にならなかった。

 カップ酒はまだ二本残っているはずだ。
 行きの特急のなかでシウマイ弁当をまず食べ、半分残したおかずで新宿のデパートの酒売り場で購入した八海山のワンカップ一本をゆっくり空けた。たしか前に「あずさ」で甲府に行ったときの弁当は駅弁大会で買った牛たん弁当だったな。
 さて部屋に戻って、チビチビ呑むとしようか。


  ― 続く ―


   →「元祖駅弁大会」の記事はこちら


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