温泉クンの旅日記

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路銀

2006-05-01 | 旅エッセイ
  < 路銀 >

 暇さえあれば旅をできるかというと、そうはいかない。
 旅に限らずなにをするにも、まず、なにがしかの原資が必要である。早えハナ
シ、銭カネのこと。今風にいうと旅費、昔風にいえば路銀だ。

 暇と体力があれば、歩き倒すとかの荒業や美脚生かしてのヒッチ・ハイクも
あろう。が、めっきり体力が落ちたわたしでは、歩けば半日持たずたちまち
行き倒れ、ヒッチ・ハイクをしようと道に出れば逆にアクセル踏み込まれ、
跳ね飛ばされて一巻の終わりが落ちである。寒がりの暑がりで、蚊にすかれる
血液型の酒呑みだから野宿も毛頭無理であり、日に三度のカップ麺も高血圧
ゆえ、お願いどうか勘弁してほしい。
 というわけで、いくばくかの路銀が必要になるのである。



 たとえば高級な時計とか、ライターとかバッグなどを欲しがっている奴が
いて、ふーん、それってどのくらいするのと話しの都合上しかたなく訊くと、
ピンからキリまでよ、としか答えられない度外れた大ばか者がよくいるが、
わたしは違う。
 わたしの温泉旅はいったいどのくらいかかるのか。いくばくかって、
いくらさ。その当然の疑問にお答えしたい。

 より具体的な話にするために、一泊二日、目的地を長野あたりとして路銀を
計算する。
 一番目がアシ代だろう。車を使用するとして、とりあえず横浜から長野まで
の距離は往復約五百五十キロ。わたしの車はリッター十二キロぐらい走るが、
計算しにくいから十キロと考えると、ガソリン代がリッター百円として五千
五百円。

 高速料金は、一泊二日ぐらいの旅では目一杯節約する。横浜から本庄児玉
インターまで裏道や一般道をはしり、本庄児玉から関越道に乗り上信越道の
碓井軽井沢インターでおり、また一般道を長野に向かい走る。支払う高速料金
は、千七百五十円である。圏央道を使用して関越、上信越を利用すると約五千円
だから、片道三千円以上の節約となる。ただし時間はかかるので、早起きは
しょうがないことだ。高速往復で、三千五百円也。

 二番目は、旅籠に払う宿賃。これは、経験から一万三千円とズバリ予算しちゃう
のだ。むろん、実際に払うのはこの金額を下回る。あまり旅籠を予約してから
旅をしない。飛び込みが多い。よしここの温泉地で泊まるかと決めて、携帯から
電話して断られること二十回ぐらいを超え真っ暗になってくると、十泊ぐらいの
旅の途中なら車中泊でいいやとなるが、一泊二日だからこそ布団で眠りたい。
だから、一万三千円と予算するのだ。運良く朝食つき一泊で泊まれれば、差額は
夕食と次の日の昼食で大盤振る舞いできるのだよ。どうしても、一万五千円払う
事態に陥れば、他を二千円節約すればいいだけの話である。

 三番目はアゴ代。食事と酒だ。早朝出発だから、一日目が朝と昼、二日目が
昼と軽めの夜で計四回。朝はおにぎり、昼はもり蕎麦がほとんどだから一食
千円で、四千円に、コンビニで買うプラボトルの焼酎とつまみや水などで、
二千円、アゴ代計は、六千円也。

 四番目には、忘れてならない大事な日帰り温泉入浴料金だ。二日なので、
それぞれ二回として四回、一回を七百円として約三千円とする。千円を超す
入浴料金をとるところは、よほどの温泉か旅館でなければ利用しない。料金は
無料もあるが、五百円から八百円以内のところが多い。

 最後が土産代と雑費で、大雑把に五千円か。
 以上を合計すると、三万六千円となる。万一の予備費として一万円を加えて
四万六千円を財布にいれて出発する。もちろん路銀の見積もりが大雑把だから、
実際は三万円ぐらいで済むのである。ゴルフといい勝負ではないだろうか。

 旅をしているという話は、滅多にひとにはしない。なにか、小金持ちで蔵に
金がうなっていると思われるからである。わたしにも、金のなる木はまったく
ない。
 好きな旅をするには、ふだんの節約も必要である。必要な路銀のためなら、
粗食にも耐えられる。雑誌はまず買わないし、本はすべて図書館で借りている。
 早えハナシ、旅にハマっているのだ。

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