出雲国神社めぐり

島根県東部の神社探訪記!
犬もあるけば、神社にあたる!!

布自奈大穴持神社

2012年04月03日 | 松江市(旧玉湯町)

風土記:布自奈社・同じ布自奈社
延喜式:布自奈大穴持神社・布自奈(布)神社
雲陽誌:高太明神(高皇産霊)
様  式:春日造変態(神国島根)
御祭神:大己貴命

  

松江市街より玉湯町へ至る県道263号線を山陰道の高架下に入って西に折れると、南側(左手)に布志奈集落の家々が見える。神社はこの集落よりずっと山手にあって、車で参拝するには県道を集落の手前ではずれ、細い道を登って行かなければならない。また案内などはなく、西進していると思わず通り過ぎてしまう。境内の入口は車道両脇に深く茂った木々がふと切れる辺り。

東西に長い境内は高低差もかなりあり、鳥居を潜ってすぐ右手(南)には数基の石祠や社日がならび、さらに奥へあがると左手(北)に社務所(会所)、右手に木造の堂が二つ建っていた。拝殿と本殿は正面の一壇上にあり、大注連縄が張られた拝殿には「大穴持神社」の扁額が掲げられている。現在はこちらの社を主格として布自奈大穴持神社として祀られている。

一方、大穴持神社の右手の高台には別の小祠が祀られ、この社の軒下には「式内 布自府神社」の扁額が掲げられていた。風土記・延喜式の何れにも二つの社が併記されており、記の同じ布自奈社、式内の布自府神社をこちらの小祠とする向きが強いようである。

   

当社の由緒について『神国島根』に詳細はなく、『雲陽誌』布志名の頁に「布自奈社あり 故に村の名とす・・・。高太明神 延喜式・風土記に載る布自奈社是なり。高皇産霊をまつる・・・」と記されている。これが上記の何れの社を比定するものかは定かではない。戦後間もなくの空撮をても、同社から北に伸びる尾根に家々は寄り添うって集落を形成しており、現社地の比高からして、その核たる社があったことは容易に想像ができる。

〈境内社〉
     
大穴持神社本殿北側に木造の社一宇。扁額に微かに稲荷神社の文字が見える。布自布神社の前方に石祠一宇。また境内入口に社日、石祠二宇が並び立つ。何れも祭神は不詳。『神国島根』は布自奈大穴持神社の境内社として、布自府神社、若宮神社のみを記す。若宮神社は宍道湖邊の字若山にある。

〈所在地〉
島根県 松江市 玉湯町 布志名

参拝日:平成24年 2月12日


最新の画像もっと見る