大倉草紙

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【京都】 池大雅美術館

2008年10月12日 17時33分02秒 | 美術館・博物館・記念館・資料館
7月5日(土)
当日の行程:(阪急電鉄・上桂駅) → 【華厳寺(鈴虫寺)】【池大雅美術館】【西芳寺(苔寺)】


   
                池大雅美術館

池大雅美術館は、西芳寺のすぐそばにある。


          

閉まっているのかと思ったら、こんな貼紙が。
インターフォンを押すと、女性が出てきて、館内の照明とエアコンのスイッチを入れてくれた。
大雅の研究をしているのか、と尋ねられる。
午後からは、大雅の作品を持った人が訪ねてくるという。
どうやら、西芳寺拝観のついでにちょっと寄ってみようかなあ、という者は少ないようだ。
どうりで媚びた感じが一切しない美術館だ。
館内には、池大雅だけでなく、妻・玉瀾の作品も展示されている。


   
               石崖図(絵葉書より)

「大雅堂画法」という雪月花の三冊本が、大雅の死後に板刻された。
総計76図から成る「大雅堂画法」は、大雅が妻・玉瀾に与えた手本だという。
石崖図は、「大雅堂画法」の原本にあたるものとされる。


   
             伯牙弾琴図(絵葉書より)


展示品には、大雅が薬屋の主人に頼まれて書いた看板があり、それがなかなか面白い。
「風薬のんでなをらぬ風薬」
飲んでも治らない風邪薬とは困ったものだが、「風薬のんでなをらぬ風、(も治る)薬」という意味で大雅は書いたらしい。
看板は2枚展示されている。
そのうち1枚は、「風薬のんでなをらぬ風(なをる)薬」(丸括弧内は朱で書かれ、ふきだしに入っている)となっていた。

案内をして下さった女性から、大雅の逸話や作品の特徴について、また、硯や竹の筆などの道具に関しても、丁寧に教えていただいた。
秋には収蔵作品をすべて掲載した図録が完成するという。
校正中の原稿を見せていただいた。
以前の図録はカラー印刷だったが、いま作成中の図録はモノクロだという。
モノクロのほうが、墨の濃淡がはっきり出るそうだ。
以前の図録と校正中の原稿を比べてみると、確かに、モノクロのほうがいい。
できあがった図録を見るのが楽しみだ。