シロ猫ピッピの「おいら物語」

生死をさまようガン闘病中に人間の言葉がわかるようになったシロ猫ピッピの物語。ニュージーランドからお送りしています!

Vol.0168■カリカリ丼

2006-06-09 | 猫の海外暮らし
アイツらは最近、出たり入ったり。ポカポカ日向ぼっこしてるときに出かけちまって、寒くなって家に入ろうと思ったら、いないってことが何回か。やっぱネコドアがほしいぜ。
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ヘンな二本足が持ってきたシマアジ。うまいのなんの。
でも、ボールの底にへばりついちゃうと、上手く喰えないおいらたち。アイツはくっついたシマアジを剥がして、スゴいもんを作ったんだ。でも、できたのはほんの偶然だった。

アイツらはいつも、キャットフードの硬いほうを「カリカリ」と呼んでる。
ホントはキャットビスケットとかいう長い名前があるらしいけど、誰もそんな風に呼ばない。確かに喰うとカリカリ音がする。歯がなくても音はするんだ。おいらもアニキも歯と歯の間から落っこちないように頭を傾けて喰ってるけどね。

カリカリはけっこううまい。でもシマアジにはかなわないさ。次がアジで、その次がネコ缶、その次がカリカリかな? 
まっ、4つしかない食べ物の最後ってわけ。
でも腹の減り具合で順番はいろいろ変わるんだけど。

アイツは残ったシマアジをポイっとカリカリの上に乗せて、空になったボールを持って行っちまった。そばで見てたおいらは、いつもと違うことをしてったので見にいってみた。ちょっと乾いた白いシマアジが茶色いカリカリの上にちょこっと乗っかってる。それだけのことなのに、なんだかすっごくうまそうに見えてすぐに喰ってみた。

カリカリの上に乗っててもシマアジはシマアジ。おんなじもんだ。
ところが、うまいんだ。味がっていうより、うまく喰えるんだ。
カリカリは固くて乾いてる。その上に乗ったシマアジはボールに入ってるときみたいに舌で押しても滑らない。せいぜいカリカリの間に挟まってくくらいだ。シマアジを全部喰いたかったら挟んでるカリカリも一緒に喰っちまえばいい。
こりゃいい!

「あら、シマアジはピッピ? 食べちゃったの?」
ボールを洗ってきたアイツが驚いてる。ボールに戻そうとしてたもんならとっくにおいらの腹ん中さ!
「そうか!」
アイツの頭のテレビにパッと電気がついた。こういうときは、なんか新しいことをするときだ。

アイツはすぐにネコ缶を出してきて、カリカリの上に中身を少し乗せた。
おいらは近づいてって、ハフハフハフ。
すぐにネコ缶はなくなった。
こりゃいい!
ホントにカリカリの上に乗ったものは滑らない。最後まで喰える。

ビックリしたアイツは、またネコ缶をカリカリの上に乗せた。
おいらはプイっ横を向いて、そのまま外に出かけた。
そんなに喰えないって。おいらの大食いは芸じゃない。

カリカリ丼
そのときから、アイツらはカリカリの上にネコ缶やアジを乗っけて食べることをそう呼ぶようになった。

(日向ぼっこじゃぜんぜん意見が合わないおいらとアニキ。ハレーションまくりのおいらと日陰派のアニキ→)

もともと4つしかない食べ物が2つ一緒に出てくるだけなんだけどさ。アニキも気に入って、お手々まんまの代わりにこうやって喰ったりもしてる。アイツらはもちろん大喜び。
いくらペットがかわいくても、やっぱ、お手々まんまは面倒くさいみたいだぜ。(つづく)


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