アウトロー

金環日食・・・金柑日食・・・・金柑毎日食べる人・・・と、ついつい庭の金柑の木を見ながら連想ゲームをしていた数日間でした。
（ちなみに金柑にはまだたくさんの実が付いています）

とりあえず観察してやろうと7時に起きるも、曇っている様子を見て２度寝。
日食グラスを買った人はお気の毒・・・と、ウトウト。
しかし、やはり気になり起きだして外をチェック。
なんと、奇跡的に雲間から太陽が出ているではありませんか！

おぉーい！聞いてないよ！！
時刻はすでに日食のピーク。
急いで厚紙に穴をあけ、観察セットを作る。

外に出て試してみるとなんとなく金柑、いや金環になっているではないですかい。
台所にいる母にも見せてやろうと行ってみると、

「あれ～、早いな～。ところで日食って何時な？」

私ののんきは母から受け継いだに違いない。
とりあえず今が真っ盛りだと教えて、一緒にピンホールの陰を見る。

「へぇ～、これがそうな。曇りにしてはなんか変な暗さやと思ったわ～」

ピンホールに映った太陽は細い三日月に見えた。




外へ出ると木漏れ日も三日月。
いや、三日太陽？

日食を見るときは直接見てはいけない。
しかし、その誘惑にはあらがえない小心者のアウトロー。
ピンホールや影では飽き足らず、決まりを破ってじか見。

目を射抜く強烈光線との戦い。
くらくらしながらも大きく欠けた太陽を確認。
ほくそ笑む。

太陽がうす雲に隠れ、若干光線が弱まった時にアウトローは罪なき者も容赦なく引きずり込む。

「今やったら見えるで！お母さん」

「あーほんまやなー」

しばらくして、母が目の不調を訴えたのは言うまでもない。
どこまでも非情なアウトロー。

ちなみに、蜂も犬もニワトリも不気味なうす暗さには我関せずで日常の一時を過ごしておりました。