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横断者のぶろぐ

ただの横断者。横断歩道を渡る際、片手を挙げるぼく。横断を試みては、へまばかり。ンで、最近はおウチで大人しい。

宮崎勤論Ⅱ■山林の意味と「子午線」

2008-02-26 05:33:16 | Weblog
 リスクを冒してでも、今野真理ちゃん(当時4歳)を被告の思い出の詰まった場所に連れて行ったのは、それ以上の意味があったからだと考えられます。

 「山林=異界」と書きますと、唐突の印象を与えてしまいそうで気になってくるのですが、第三者にとっての目の前にある「山林」とは、木々が欝蒼と生い茂った・ただの山林でしかありません。
 しかし、化け物が棲んでいたジャングルとして、映画などで、二度目に見る時は、最初に見たときとは、違ったジャングルとして見ているはずです。

 なぜ違うかと言いますと、そのジャングルが映像効果によって「怖い」という意味を付与されたからです。
 映像効果によって、それまでの退屈なイメージでしかなかったジャングルが「魔物が棲む異界」と転換されてしまうのです。

 宮崎被告にとって近くの山林は、おっかないという意味は多少は残っていたでしょうが、やはり、幼児の楽しい思い出の詰まった「楽しい異界」であったと、いえるのではないでしょうか。

 大好きだった祖父の亡き後、世間的な常識で頭の中がふやけていた父親や母親や妹や親戚との関係は被告を苛立たせたはず。
 個室は彼らとの関係をシャットアウトできるひとつの密室だったでしょうが、それとは別に、山林は解放的な、(森林浴を兼ねた?)癒される別空間ではなかったのではないですか。

 当時の被告は、家業手伝いの身分ですから、仕事に倦むと、職場を抜け出して何度となく近くの山林に潜り込んでは、山の斜面に寝転がって、「現実逃避(あるいは、幼児退行)」の幼児時代の甘い思い出に浸ったのではないですか。

 そういう意味のほかに、「山林」には、次に挙げるような二つの意味があったと見ています。

  一、「南」という方向性の持つ、「暖かい」というイメージに表される「保護」や「安全」の意味。
  二、四歳という真理ちゃんとの、象徴的な関係(幼児退行)。

 陰陽五行でいう「南」は、「父親」を意味しますが、被告が実感していたのは「南の暖かい国」でしょうから、「母」のイメージではなかったかと思っています。
 上の地図にある、記号EとF(省略)は、栃木の殺人鬼小平義雄の二箇所の殺害現場を示しています。
 栃木は内陸ですから、冬は特別に寒い土地柄でしょう。「南の暖かい国」というイメージ願望は格別に強いのではないでしょうか。

 小平は栃木の日光の出身ですが、殺害現場は栃木県内と東京都内の二箇所に絞れます。 調べてみると、上の地図(省略)のように、子午線が引けます。
 これを私は「殺域」と読んでいますが、小平と宮崎の二人はいずれも生地よりも南側の場所を選んで殺した点で共通しています。

 宮崎が近くの山林のどこで殺害したかは特定できませんが、自宅の「真南」ではないかと推理。
 もしこれが事実ではないにしても、「殺域」の存在が証明できれば、犯人の住処がしぼりやすくなり、早期逮捕につながるのではないですか。

 例外としては、愛知県岡崎市で起きたホームレス花岡美代子さん(69)殺害事件があります。
 この事件の首謀者である木村寛邦容疑者は、実家(同県幡豆町)と殺害現場は、「真北」の関係にあります。確かに、「真南」ではないですが、子午線は「健在?」しています。

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