ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

人生の終(しま)い方

2017-04-25 00:27:40 | 日記
NHKオンデマンドで
去年放送した「人生の終(しま)い方」という番組を見た。

人生の最期、あなたなら何をしますか?
誰に何を伝え残しますか?あるいは残さないですか?
「終活」とは異なる人生の総決算としての「終い方」。
一緒に考えてみませんか。
(番組紹介文より引用)

肺癌を患った90歳の母は
知的障害を持つ60代の娘が一人残ることを案じつつ
何も伝えられないまま天国に旅立つ。

全身に癌が転移し余命宣告された35歳の男性は
2人の幼い子どもたちに何か伝えたいと思いながらも
その言葉が見つからず
辛い身体を抱えて家族旅行をした4日後に
静かに息を引き取った。

しかし肺癌で逝った母親の葬儀に
生前、彼女が営んでいた居酒屋の常連客が大勢集い
遺された娘は、母が築いてきた人との繋がりという財産を
得ることになる。

35歳で逝った男の子どもたちは
闘病の苦しさを決して見せなかった父の強さを
お守りのように抱きつつ
「パパがいなくても頑張って生きるからね」と
亡骸に誓う。

ナビゲーター役を勤めた落語家・歌丸は
最後にこう締めくくった。

人生の終(しま)い方ってのは
結局、人生をどう生きるかってことなんではないでしょうか、と。

3年前に他界した私の父も
最期をどう締めくくるかについて、いろいろと考えていた。

葬儀はどこで、どう行おうか。
遺影はどの写真を使おうか。

プランを提示しながら、なんだか嬉しそうに笑っていたっけ。

しかし没後、蓋を開けてみたら
葬儀費用、墓、家の相続、年金といった
遺族が一番頭を抱える事柄について
父はこれっぽっちも書き残していなかったことに愕然とする。

後日、公益役場から届いた父の遺言には
「家族みんなで仲良く暮らしてほしい」
と、それしかなかった。

なあんだ、こりゃ!?
母も、姉も、私も、妹も、言葉を失った。

しかし今、それが父らしい“人生の終まい方”だったんだなあと
ほっこりしながら思い返す。

生前、父からもらった言葉はない。
思い出せないだけかもしれないが
不器用で口下手な父だ
人生の大切なキーワードを私に遺したとは考えにくい。

でも…
私自身の前向きでアッケラカンとした生き方を思うと
そこに、紛れもなく父のDNAを感じる。
お笑い番組を見ながらガハハと笑う自分の中に
あの、いい加減な父の姿を思い出したりする;

どう死ぬか、ではなく、どう生きるか。

これからどんな病魔が私を襲うかわからない。
5年後には認知症にかかってしまうかもしれない。

だからこそ
自分の意思で楽しく生きている私の姿を
息子に伝えておこう。
文章ではなく、生き様で伝えていこう。

そう思うと、生きることにファイトが沸いてくる。




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