ちかさんの元気日記

辛いことを乗り越えて元気に生きている私“ちかさん”の
涙と怒りと笑いの介護記録。

頭がおかしいのは私の方ですか?

2018-01-12 23:52:52 | 日記
実は去年の11月、ちょっとした事件があった。

コトの始まりは、夜勤中に入っていた一件のメールと
二人の相手がほぼ同時刻に何回も掛けてきた着信履歴。

夜勤が明け
帰りのバスの中で呑気にスマホを開いた私は
いったい夜中に何があったのかと慌てふためく。

メールは姉からだった。
「大変。お母さんのダンナさんが交通事故に遭ったらしい」

ま、まじか!?

着信履歴を見ると
夜中にしつこく電話をしてきたのは
生みの母と、もう一件はまったく知らない番号である。

なんだ、なんだ!?

帰宅後、取る物も取らずに姉に電話。
お母さんのダンナさん、事故に遭ったの!?

すると姉は、質問に質問で答える。
「え?そうなの?」
そうなの?じゃなくて、そういうメールをアナタからもらったのよ!!
「あら、そうだっけ?
そうそう、思い出した。
なんか、夜中に警察の人から電話があって、そんなこと言ってたよーな」
で、どーなの? 怪我はどれくらいなの? 生きてるの?
「う~ん、大丈夫なんじゃないかなあ」

おいおい、しっかりしてくれよ。
アナタが若年性認知症であることは理解しているが
こんな重大ニュースくらい
しっかり覚えておいてくれ!

会話続行をあきらめて電話を切ると
待っていたかのように叔母から電話が。

この叔母は生みの母の妹で
80代半ばながら頭も身体もかなりしっかりしている。

「あなたのお母さんのダンナさんが交通事故に遭ったって、聞いた?」

それそれ、それなのよ。
オバチャン、いったい何があったのか知ってる?

叔母の話によれば
夜中に警察から電話があり
交通事故に遭った夫の病院に駆けつけようとした母が道に迷い
警察で保護されたらしいという。

そこで合点。
夜中の着信は、母と、交番のおまわりさんからだったのだ。

どうやら生みの母の夫が交通事故に遭い
その連絡を受けた母が取り乱して病院に向かう途中
徘徊老人と間違われて警察のお世話になったらしい。

警察のほうでは徘徊バアサンの引き取り手を求めて
姉、叔母、私に電話をかけまくったようだが
認知症の姉と話してもチンプンカンプン
叔母からは「足の弱った高齢者だから無理です」と断られ
最後の希望であった私とは連絡取れず・・・
ほとほと弱り果てたに違いない。

ごめんなさいね、おまわりさん。

それからほぼ2ヶ月。
きのうやっと、母、姉と電話で話すことができた。
(こちらから何度も電話したのだが
いつもタイミングが合わず、すれ違っていたのだ)

まずは姉に電話。
近況を伝え合ったあと、母の話を切り出してみる。
「ああ、お母さんとは最近話してないわ。
元気なんじゃないの?
え、ダンナさんの交通事故? 聞いてな~い。
そんな大変なこと、連絡してくれればいいのにね」
・・・だと。

次に母。
去年はどんな年だった?と聞いてみたら
「何事もなく、いい1年だったわ」
・・・だと。

生みの母のダンナさんの交通事故
そして、母の警察保護

あれは、私の夢か妄想だったのか?
高齢の母と認知症の姉を心配している私こそ
実は頭がおかしくなっているのか?

わけがわからないまま
私は小春を求めて歩き出す。