観察 Observation

研究室メンバーによる自然についてのエッセー

測ることの出来ない成長

2012-06-24 15:02:26 | 12.3
4年 寺内麻里絵
 卒業式を目前に控え、今パソコンに向かって書き始めたこの文章が、私にとって最後のオブザベーションだ。そう思うと、どこか悲しいような寂しいような、なんとも複雑な心境になる。
 研究室に配属されてから2年間。私は何をやって来れただろうか。小さい頃から好きだった動物。特に、とても大きくて、しかし、すごく優しそうな目をもっているゾウが一番好きだった。それから少し大きくなって、地球の環境や野生の動物たちにたくさんの問題が起こっているのだということを知った。私はやっぱり動物が大好きだったから、もっと動物たちについて知りたい、何かできることはないだろうか、どうすれば解決できるだろうか、と考えた。
 中学、高校は普通の学校に通った。みんなと同じように一般的な科目を学んだけれど、動物に対する興味は消えていなかった。大学になって自分の学びたい分野が選べるようになると、私は迷わず動物学について学べる学校を選んだ。その時々で夢中になったものや趣味は変わったけれど、動物に対する関心だけはどうしても消すことができなかったからだ。
 大学に入り、二年間基礎的な動物学を学んだ。そして研究室を決める時期になって、それまでもっとも興味のあった野生動物学研究室への所属を希望した。こうして私はこの野生動物学研究室の一員となった。
 研究室に入ってからは、長いようで、実にあっという間だった。決して多くの調査地に行けたわけではないし、たくさんの実績を残せたわけではないけれど、それでも自分なりにたくさんの経験と成長ができたと思う。これは、動物学、そして野生動物に関することだけではない。もっと自分自身を作り上げてくれるものだと考えている。研究室での生活を通して、そのような勉強ができたこと、本当に心から大切だと思える友達と出会えたことに、これ以上ないほど感謝している。もうあとわずかで、この大学、研究室から卒業してしまうが、この場で学ぶことのできたこと一つ一つが今後の自分にとって大きな糧になるということを信じて、新しい方向へと進んでいきたい。
 二年間、本当にありがとうございました。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿