“坂の上の雲”

登っていく坂の上の青い天に、もし一朶の白い雲が
輝いていてもいなくても、また坂を登っていきます。

分水嶺7

2017-11-26 | 四方山話

久し振りの四方山話しは、山岳小説『分水嶺』のご紹介です

 

小説「分水嶺」を秀岳荘で手にした理由は、

他でもなく..

分水嶺マニア だ・か・ら・

 

笹本稜平作:「分水嶺」

 

著者紹介「笹本稜平」

 

前回の分水嶺シリーズを振り返ると、直近の分水嶺6が2014年6月に

書き込んだものなのですでに3年が過ぎています。

このテーマはもうネタが尽きたか?と思っていたところに、

目に飛び込んできたのが小説「分水嶺」です

 

専ら、広い大地を二分する地図上の分水嶺を追い求めるのが

Toshiが好きで始めたテーマでしたが、

この小説の題名として使われている分水嶺は、

小説らしく、

人生における分岐点”としての分水嶺です。

 

小説の舞台となるのは東大雪の石狩岳~音更山周辺。

1人の写真家が、日本では珍しい手つかずの自然を残した奥深い

石狩連峰の山中で、遠い昔に絶滅したはずのエゾオオカミを目撃

したという男との数奇な運命の出逢いを描いています。

 

小説の関連地図

 

Toshiのブログでも、過去6回に渡り解説してきた分水嶺でも取り

上げた「三国山」を擁する石狩連峰は雄大です。この山懐で

山岳写真を撮り続けた(写真家の)父の後を引き継いで、自らも

自然と人間との関わり合いを強く意識することになっていく・・・

  

メインとなっている季節は厳冬期の東大雪ですが、

秋のニペソツ山石狩岳という過去のブログ報告を観ていただいて、

稜線上の分水界をイメージしていただければ小説がさらにリアル

になりましょう

 

細かい感想文は省きますが、新田次郎が描いた山岳小説の時代

と違って、携帯電話の位置情報やGPSが当たり前に使われている

ところが新たな臨場感と思いながら楽しく読みました 


 


分水嶺:ぶんすいれい

分水界になっている山脈

雨水を異なった水系に分かつ山の峰々

分水山脈。(『大辞林 第三版』三省堂)

 


 

お正月休みの比麻奈山、いや、暇なときの読書にお薦めします

 

そして、

2冊目はこれ

 


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

17/11/23『樽前山(支寒内ルート)』

2017-11-23 | 1道央の山

11月の登山は今日で最後?

比較的晴れる確率の高い苫小牧方向に向かってやって来ました

樽前山西山(994m)」を支寒内ルートから

 

西山(994m)頂上から望む風不死岳

  

 

 

8:40 支笏湖畔から望む樽前山と風不死岳

 

昨晩、就寝するまでの予報は何処も此処も雨予報だった

ので冷水山にでも登ろうか?と考えていましたが、

今朝遅く目覚めると、意外にも苫小牧~室蘭方面に少しの

晴れ間が望めそう..なんていう予報になっています。

 

なので、向かった先は支笏湖で

恵庭岳を過ぎたとき支笏湖の様子がどうなっているかで、

登る山を決めることにしました

で、

ご覧のように樽前山が高曇りで、白く雪化粧している姿を

目にして、支寒内から樽前山に登ることにしました

 

 

■9:10 支寒内 駐車スペース

 

もともと少ない登山口あたりは雪は昨晩までの雨で融けています

 

9時を過ぎてから陽射しも出てきたことで氷も融けだしてい

るようです。

今週では今日だけが気温が少し高く、樽前山名物の北風もそれ

ほどでもないだろうと観ていますが果たしてどうでしょうか?

 

陽が射してなお美しい苔むした林道

 

林を抜けるまでの行程に雪はそれほどなく歩きやすい。

冬に向かうというのに松の若芽や苔が元気に伸びている

様子はなんなんでしょう?

コケ類にしてみると、雪の下になるほうが温室効果で過ごし

やすい・なんていうことがあるかもしれません。

 

 

さすがに人類よりも長くこの地球で生きています

森林を抜けると雲よりも青さの方が目立ってきていて、

気が付くと日焼け止め忘れて来ています反省

 

溶岩ドームも見えています

 

樽前山が眼前に近づいてきたところで、ツボ足からスノーシュー

に変更しました。

このぐらいの雪ならツボ足で登れなくもない・ところですが、

斜度が上がるとやはりアイゼンを効かせる必要があるでしょう。

 

 

ところが今日の北斜面は比較的穏やかで、凍っているところは

ありません。

 

多少沈み込む程度の積雪でスノーシューハイク向きの北斜面

 

期待以上のよい天気

風不死岳と恵庭岳に登っている人は残念ながら頂上付近に

雲が張り付いています。

 

 

この時間、この辺りだけのものなのか?

溶岩ドームの周りのフラットなところの積雪はけっこうな

量なので、さて

東山に向かいかけて..やっぱり多少距離が短くて稜線に

陽が当たっている西山に向かい直します

 

高いところはどこでも行きたいけどドームは遠慮しよっと

 

夏山登山道を外れてどこでも好きなところをハイク

出来ます

 

 

風もそれほど無いのがありがたい

 

陽射しが海側から注いで眩しい西山までの稜線歩き

 

トレースのない無垢の雪山を歩く醍醐味を味わえるのは、

道々141号線(樽前錦岡線)が11月13日(月)から冬季通行止め

に入ったからですね

 

南から北に吹いている風紋(雪庇)が美しい

 

結局この日の入山者はToshiの後に登ってきた男性一人だけ..

「坂の上の雲」のブログにピッタリのよい写真が撮れました

 

 

11:20  西山 頂上

 

この後、風が少ないので西山頂上で昼食を摂っていると、

東の方向から見る見る間に雲が押し寄せてきて、

 

 

視界がゼロになりました、

とさっ

 

この写真に写っている左端の雲です(津波のよう?)

 

でも、

良い画像をいただけた後なので、

Toshiは大満足で下山します。

 

■11:55 下山

 

 

■13:10 駐車スペース

 

やっぱり太陽が降り注いでいる山の景色をお伝えしてしまうと、

下山時の曇りの景観が後退してしまいますね。

今週末は山には登れないスケジュールなので、今日のこの眺めに

救われた気がします

 

ということで次の登山報告は12月に入ってからとなります。

皆さん、風邪が流行ってきているのでお気を付けください

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

17/11/19『豊栄山』

2017-11-19 | 1道央の山

全道中、雪または吹雪予報の日曜日は、

自宅から30分で行ける山「豊栄山(562m)」です

 

積雪およそ30cmの豊栄山頂上(可動式のプレートは雪の下?」

 

11月は、やることが沢山あって、

おまけに週末の天気が全道何処へ向いて行っても「雪または

吹雪」予報のため、“近場で過ごす以外なし”というのが

今週の結論です

 

あ、もう一つありました

「雪または吹雪」に加えて、Toshiの自宅近くは3日間「嵐」

やってきて大賑わいなので、中途半端な時間に帰宅すると

渋滞がさけられません。

 

Toshiの家から一番近くの山「豊栄山」は、そういった時に

便利で快適なトレーニング施設になってくれます。

ありがたやぁ~

 

■8:50 登山口駐車スペース

 

標高の低い豊栄山は何とか頂上が望めています

 

先週お伝えのように、景色は今回から真冬仕様に衣替えし、

低山というより里にも昨晩は多く雪が降り積もりました。

 

登りはじめの積雪は20cm程でしょうか?

 

今期初のスノーシューの履き心地最高

 

20cmの積雪は、ほどよくゲレンデの下草を覆い隠し、

邪魔するものがありません。

かといって、この時期特有の“締まらない”雪の状態で腿上げラッセル

を強いられるような積雪量もないため、

非常ょ~うに歩きやすいです

 

中腹でもなお直登

 

スノーシューのヒールリフターを上げている状態とは言っても、

このゲレンデの中腹より上の斜面はけっこう急であります


表層は雪に埋まっても、最期は草地面がグリップしてくれる。

 

夏ならばジグザク歩行しないときつい登りをストックを使って

サクサク登れるこのコンデションは、

今だけでしょう

 

上級者コース(最後の急登)のゲレンデも直登

 

予想通り視界の効かない天気になっていて残念ですが、

歩行状態だけなら最高で、

 

このゲレンデ状態ならボードもOK

さらに言うと、ミニスキー遊びもなんとか出来そう

 

景色が無いのは寂しいですが・・・

 

同じスキー場でも春香山の麓のオーンズは、11月23日から

のオープン予定をバンバンとTVでPRしています。

しかし、

こちらは12月上旬(?)、雪の状態をみて..という案内なので、

取り上げられ方に随分違いがあるような・・・

 

9:25 頂上

 

人工降雪機などないスキー場ですから、

この積雪状態も2、3日後にはどうなっているか分からない..

というところが悩みでしょうね

 

下草はもう邪魔になりません。

 

■9:55 登山口駐車スペース

 

さて、

今日は、ショボい登山報告になってしまったので、

長年愛用しているMSRのスノーシュー(ライトニングシリーズ)

を修理後、初使用した感想を入れましょうね~

 

前期に壊れた部分は靴の踵(かかと)があたる布地部分で、

両足まったく同じ時期に横に避け目が入ってしまいました

秀岳荘で修理に出したところ、その踵部分には別の布地が

当てられて、しっかりとした補修がされて戻ってきました。

 

それどころか、

これは秀岳荘で修理してもらったときによくあることなの

ですが、破損した箇所とは違う部分で、なくなっていた

パーツが元通りに付いて戻って来ました。

 

秀岳荘の店員さんは、「ここもついでに補充しておきましたぁ~」

とかいったようなことは言いません。

どこかのスポーツ量販店とここが違うところです

 

再び使ったときに、そこで使用者が「こんなところも直して

くれたんだぁ~」と思うように..さりげなくそういうこと

をやってくれます

 

これが仮にメーカー仕事だとしても、それをしてくれるメーカー

または代理店と秀岳荘との関係がそのような信頼関係を生んで

いるのだと気づいたのはースフェイスのザック補修のときで

した

 

また秀岳荘で買い物をしたくなるToshiさんでした、

 

とさっ

 

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

17/11/12『有珠山』

2017-11-12 | 1道央の山

11月第2週目の登山報告も先週に続き、

雪の少ない胆振の山有珠山(733m)」からです

 

[7:15]外輪山から望む朝の有珠山

 

Toshiのブログでは、

「有珠山」を有珠新山、有珠山、オガリ山、大有珠の4つの

山の相称としています


 

今日、有珠の町に到着したのは5:40ぐらいで、まだ暗い時刻

でした。

自宅を3:20に出発しています。

どうしてこんなに早起きなのか?

 

最近、夜10時前に寝てしまうと決まって早朝に目が覚めて

しまいます。

昨晩の就寝時間は9:30で、このような時間に寝てしまうと

3時に目覚めてしまうことも度々で

これはすっかり老化現象であろうと思われます

 

■6:15 登山口(高速道路脇駐車スペース)

 

早朝の登山口

 

自宅から有珠山登山口まで、千歳⇒支笏湖⇒美笛峠⇒北湯沢を

経由して下道を走って来ると、走行距離は凡そ110kmで

意外と早く着きます

 

しかし、この時期まだ暗い時間に気になるのは峠の雪

やはり中山峠は昨夜の時点で事故が発生の模様

標高の低い美笛峠を通るルートと決めていました。

 

ところが、雪より怖いものがありました。

千歳から支笏湖へ向かう道道16号線支笏湖通りに出没する

「鹿」です

何頭も何頭も..暗い夜道で草を食んだりしていて、

いつ飛び出してくるかわからない

皆さん、本当に注意しないと危険です

 

外輪山までの間、ほとんど雪のない登山道

 

前置きが長くなりました。

さ、外輪山までの登りを急ぎましょう

 

 

この季節、もう汗もそれほどかきません。

給水もそれほどしなくても良いので、

実はそう寒くも感じることなく丁度よい山歩きの気温と

思います

 

■7:05 外輪山

 

7:10 南外輪山展望台(標高473m)より・・・

 

これだけ朝早い時間にこの場所まで上がってきている

人は居ません。

夏には賑わうはず(?)の人影もなく、

うっすらと雪化粧した散策路に足跡もなく、


ということで、ここから先の細かい報告は省きます。 

写真だけ...

 

8:15 頂上 [昆布岳⇒ニセコ連峰⇒羊蹄山⇒尻別岳]

 

ブラタモリでも紹介された洞爺湖全景

 

■8:35 下山

 

途中の画像はフォトチャンネルでご覧ください 


http://blog.goo.ne.jp/admin/editchannel?chno=403600


流石にジオパークの登山道、 

昨晩降った雨の量はけっこう多かったはずなのに、ぐちゃぐちゃ 

になっているところはほとんどありません。

どんぐりの葉っぱが絨毯になっていて歩きやすいこともあり、

この時期の雪の少ない有珠山は、はっきり言って

良いです


 

9:55 登山口

 

下山後はまた北湯沢⇒大滝⇒支笏湖経由で札幌に戻りましたが、

途中のオロフレ峠、徳舜瞥山、それに支笏湖周りの風不死岳や

恵庭岳が頂上までの白い姿をすべてみせていて、

意外にもよい登山日和の一日でした

 

来週はもう雪の降り積もった景色をお伝えすることになるで

しょう 

 

 

 

 

 

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

17/11/05『室蘭岳』

2017-11-05 | 1道央の山

11月最初の日曜日は、太平洋地球岬を見下ろす山「室蘭岳(911m)

に登って来ました

 

西尾根825Pから望む11月の室蘭岳

 

今日は、AotさんとMikkiさんの三人登山です。

Mikkiさんとは5月「無意根山」以来の山行で、今回が

2度目です


札幌の某所から高速を通って2時間弱で室蘭ICまで走って

きましたよぉ~

 

だんパラスキー場ロッジにはすでに数台の車両が駐車

 

予報通り外の気温は3度で寒む~い

風もあるので体感温度はマイナスに感じます。

しかし、、

 

■7:50 だんパラスキー場ロッジ駐車場

 

天気は曇っていますが、視界は良好

AotさんとMikkiさんとザックの色がまた“インスタ映え”していて

枯れ木の中にも山の賑わい有りといった風情を感じます(造語)

(インスタ映えという言葉を無意味に多用する今日この頃)

 

■8:00 白鳥ヒュッテ登山口

 

一回の渡渉も貴重なアクセントの西尾根コースを行く..

 

Aotさんが何故ピンクのザックを選んだかを聞くのを

忘れてしまいました。

 

インスタ映えを意識したからですか

(もーええっちゅーねん)

 

大木が折れる..というより曲がることもあるし

 

割れることもあったりする(この表現でよいのか?)

 

だから登山(自然)は楽しいですね。

 

Mikkiさんならこの割れ目に入るけど、

そんなことしたら出られなくなって道警に電話しないと

いけなくなります

(今日は話が登山からズレていくなぁ~)

 

 

話を登山道の美しさに戻すと(戻ってない)

この西尾根コースの登りはまた随分と報われる登りですね。

(報われるというのは、海の眺めを望む景色が早くやってきて、

そして長く続くという意味です)

森林限界にたどり着くのにあっと言う間ではないですか?

 

太平洋の冬はそんなに過酷でしょうか?

いやいや、日本海側の過酷さに比べ、太平洋(といっても内浦湾)の

気候は比較的温暖なはず????

 

時間に余裕があるのでバンバン三脚立てます

 

それに、この笹の繁る植生もまた独自性が凄いです

(Toshiは、カムイヌプリからの縦走でしか室蘭岳を登って

いませんが、確かにカムイヌプリ側も坊主山に匹敵する笹原

表現したはず)

 

 

独自性などと、売り出し中の観光名所のような表現をして

しまいましたが、

ハッキリ言って11月の室蘭岳は素晴らしい

 

ちゃ~んと後ろの美しいぃ登山道写っているし

 

そして、たまさかに降ったうっすらとした雪が、

登山道を明確にしていていっそう素晴すぃぃ

 

 

稜線くっきり、登山道しっかり、笹は冬でも緑でぇっしぇぇ~

 

スパッツは必要ないぐらい、霜の立った登山道は歩きやすく、

そして汚れない

 

 

白鳥ヒュッテから1時間半、

風も思ったほど強くなくて良かったよかった

 

9:35 頂上

 

頂上でゆっくり食事ができるぐらいの風ですからね、

北海道内の山域でこの日このような環境の山があったら

教えてください

 

海に差し込む光線が、なんと美しいことか

 

室蘭の街に海の神か山の神かが降臨しているようでは?

 

 

ということで、

下山はスキー場まで最短の南尾根コースを下ります

 

10:05 下山

 

なんとなんと、下りの景色も思いのほか素晴らしい

 

 

 

天地創造..は大げさかな

 


一級の笹原に

 

一級の・・というか、他に類をみない“だけかんば林”です

 

緑の葉の生い茂る夏道や、

黄葉のダケカンバ林を行けば、また違った景色に出逢える

のでしょうが、この季節の良さは格別です

 

 

今日は曇りの天気なのに随分と写真を撮りました。

画になる景色がこれほど多いとは..

 

 

■10:55 白鳥ヒュッテ登山口

 

味のある白鳥ヒュッテも覗いてみました~

 

札幌に藻岩山があり、

小樽に塩谷丸山があるように、

室蘭に室蘭岳があって地元登山客が年間を通して歩く山だから

こその、しっかりと整備された(笹刈りは見事)登山道でした。

 

 

スキー場の下草は短くて歩きやすいぃ~(鹿の糞注意)

 

下山時になって陽光が射し始めただんパラの里

 

■11:15 ロッジ駐車場

 

朝早かったお陰で、札幌へもずいぶんと早く戻れました

とさっ

(Aotさん運転お疲れさまでした)

AotさんとMikkiさんは秀岳荘のセール最終日を覗いてみます

~と会話を交わしてお別れしました。

 

また来週もお楽しみに

 

 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする