がんばれナラの木

震災にあわれた東北地方の皆様を力づけたくて
The Oak Treeを地方ことばに訳すことを始めました

ナラの木 神戸

2011年09月24日 | ナラの木 地方訳
ナラの木   神戸・阪神間版, 森岡千代さん訳, 2012.11.24



ごっつい強い風が吹いてん
昼間も、晩もずうっと
ナラの木いの葉っぱ、ぜーんぶ吹き飛ばして
枝、びゅんびゅん揺らして
木いの皮もめくれてしまうほどやった
とうとう、ナラの木いはまるはだかになってしもてん
そやけど、それでも、地面にしゃんと、立っとってん
ほかの木いは、みんな、倒れてしもてんけどな
もう、しんどうなってしもた風は
あきらめてしもて、ゆうてん
「ナラの木い、なんでまだ立っとれんねん?」
ナラの木いはゆうてん
「あんたは、わたしの枝を折ることも
葉っぱをぜーんぶ吹き飛ばすことも
枝を揺らすことも
わたしを、ゆっさゆっさゆすぶることも、できるやろ
そやけど、わたしには、大地に張る
根っこがあるねん
わたしが、生まれたときから
ちょっとずつ、強うなってきたんや
あんたは、この根っこには、どないしてもさわられへん
わかるやろ
根っこは、わたしの、いちばん深いとこなんや
ほんまゆうたら、今日まで
わたしは、ようわかってなかったんや
自分自身が、どれぐらい、ものごとに辛抱できるんかを
そやけど、今、あんたのおかげで、わかったわ
自分で思うてたよりも
わたしは、もっと強うなったんや」

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