infinity

皇室典範問題

2006-02-03 02:09:01 | politics
色んなところから、小泉内閣の基盤が綻んできているが、皇室典範問題はちょっと異質な問題である。さすがに、これについては、ちょっと待った!って感じで、慎重論が出てきている。皇室典範改正案、慎重審議求め与野党173人が署名それに対して小泉首相は「早くした方がいい」と答えたらしい。「あまり長くやってもよくないのではないか?」とは、結構ひどい話だなと思う。

正直、正確に問題・議論を把握していないのだが、「女系天皇」を認めるか否かということだろうか。小泉首相が確かテレビで「愛子さまが天皇になられた時、その子供が男の子でも、皇位継承を認めないことになる。その事を分かっているのだろうか?」と言った内容の発言をしていたけど、「うん?これはみんな分かっているのでは?」と僕は思ったのだが・・・。愛子さまが天皇になったら、男系の女性天皇、その子供は父親をたどっていっても天皇に行き着かなくなったら、女系天皇という事だろう。それをみんな分かった上で議論していたと思ったのだが・・・。

正直、今決めないといけないことでは全然ないと思う。国民の間で議論するってのも全然大事じゃないと思うが(爆)、男系・女系という問題が認識されただけでもよかったのかなとは思う。何か小泉首相は、意地になってこれを通そうとしている気がしてならない。何のためなのかは、凡人の僕には分からないが・・・。

女系天皇を認めるかどうかは、かなり議論が割れているなという気がする。テレビでY染色体は男性にだけあって、万世一系の天皇制が維持されているということは、神武天皇から同一の染色体が引き継がれていることになる。女系天皇を認めると、この神武天皇から引き継がれてきた染色体が失われることになるので、万世一系の価値が失われるのでは?という意見があった。

なるほど、と一瞬思ったが、ちょっと無理な話かな?と思う。だって、昔は染色体なんて分かってなかったので、染色体を残すために万世一系を必死に保ってきたわけではないと思うのだ。ちょっと強引な説明かな?と思った。逆に言えば、何でそこまで男系にこだわって、今まで天皇制を維持してきたのか?を考えなければいけないのではないか。それは染色体のためではないでしょう。

正直、私の頭の中では分からない。そもそも、神武天皇から125代、万世一系を維持してきたというのに驚いた。それほどの伝統を、どうやっても絶やしてはいけないと、必死に維持してきて今まできたってのが本当なのではないか?という気がする。考えてみると、鎌倉時代から江戸時代が終わるまで、政権は武士にあったはずなのだ。普通、権力は並び立つことはないような気がする。微かな私の世界史の記憶をたどれば、政権が交代するとき、前政権(権力)をほとんど排除してきたような気がする。(間違ってたらすいません)。日本のようなケースは非常に稀な気がするのだ。武士と公家という、二つの権力が、それぞれの役割をある時代からシェアしながら、公家はずっと続いてきたというのが。

大政奉還とは、徳川家が政権を、朝廷に返したと記憶している。武士が政権を握っていた間も、ずっとずっと、天皇家は絶えることなく、万世一系を維持してきたのだ。歴史の表舞台からは、消えている間も、ずっとずっと男系を維持してきたのだ。それは、理屈じゃないような気がする。その積み重ねを伝統と言っていいのではないでしょうか。

私は以前、もう天皇やめさせてあげてもいいのでは?的な事をブログで書いた。その気持ちは変らない部分はある。つまり、天皇が国民の象徴であることに疲れた、もう無理だ、辞めさせてくれと万が一言ったら、この伝統は幕を閉じていいのではないか と思っているのだ。誰も攻めようがないでしょう。象徴であるということは、伝統を重んじ、見本であり続けるということ、それをずっと続けていくのには、ましてやそれが2000年以上の伝統があるのなら、その重みに耐えれなくても僕は攻められないと思うのだ。

ただ、いきなり女系天皇を認めるというのは、違和感がある。論理的になぜいけないのか?説明しろと言われれば、難しい。今まで男系天皇を維持することを、必死に努力し、伝統を作ってきた。何でそこに価値を見出したのか?それは分からない。続けていくこと、それだけにでも充分な意味があると思う。「女系」を差別するとかいう話じゃなくて、今までの伝統どおり、やれるだけやればいいのでは?と思うだけだ。

色んな意見を見ても結構割れている。正しい答えなどないから、いいんじゃないかなと思う。なので、小泉首相の強引なやり方は稚拙だと思うのだ。多分、多くの国民は小泉首相より問題をよく理解している。その上で迷っているんじゃないかな?ワンフレーズは得意だが、2000年を超える伝統を考えるのは苦手なのかもしれない。さすがにこの問題については、多くの議員の方も慎重論に廻っている。この問題にまで強引に採決したら、議席を武器にした独裁だなと思うが、それに怯えることなく慎重論を唱える議員に対して、ちょっと安心した。

立花隆のメディア ソシオ-ポリティクスでも同じ問題が取り上げられていた。立花隆は、女性・女系天皇は容認らしい。(あ、私は男系の女性天皇は全然OKだと思いますよ。)最近は、知のお師匠さんとも意見があわなくて困っていたのですが、これもあわなかったな~(爆)。興味があれば、読んでみてください。僕がおかしいと思ったのは、
・天皇を文化的天皇以上では困るみたいな事を言っていたが、そりゃあそうだろ、と。
・文化的天皇であれば、男性より女性のほうが適切にふるまえると言っているが、そんなのどっちでもいいだろ。(だって今まで男性天皇でも充分立派に役割を果たしてきたでしょ。)
・神武天皇のY染色体を引き継ぐ人はうじゃうじゃいるという例で、すごく単純・仮定に計算して、2の100乗人、つまり「1兆の1兆倍のさらに100万倍ということである。これは日本の総人口(1億人とする)の1兆倍の100億倍というとんでもない数字になる。」って言ってること。それをもって、神武天皇のY染色体を引き継ぐ人がうじゃうじゃいるのはわかるだろう と言われても、日本は1億2000万人しかいねえじゃん。根本的な計算(仮定)が間違っていて、結果だけこじつけられても、師匠、無理ありすぎですって感じがします。男性か女性かではなく、男系か女系かが一番大事なような気がするのですが・・・・。

ってな感じで、皇位継承問題について扱ってみましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?。ここまでお付き合いしていただき、ありがとう(爆)。僕の感覚、フィーリングでこう思うって話なので、論理的でなくて申し訳ない。が、これは論理で語る問題ではないような気もします。国民の間に広い議論を と言われてるけど、そんな大事な問題を国民に預けられても?とちょっと思います(思いませんか?)。ただ、小泉首相はやっぱり稚拙で、不勉強だな~とは改めて思いました。

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1 コメント

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伝統は「論理で語る」ことができない時もある (非絶対者)
2006-02-08 22:31:37
>が、これは論理で語る問題ではないような気もします。



伝統って、皇室制度もお祭りも神社の「御神体」も、落語の「襲名」も土俵の「女人禁制」もそうですが、合理的な理由があるとは限りませんからね。

伝統にはそれ自体に価値があると、私は思います。



男系継承が男女平等に反すると言っている方もいるようですが、ポリネシアには女系継承で家系を紡いでいく民族もありますし、「男女平等」とかとは次元の違う話でしょう。

それに、「小泉改革に反対」の社民党や「“天皇制”そのものが民主主義に反する」という皇室制度廃止論者が「皇室典範改正に賛成」と言っている時点で、「ちょっと待て」になります。

こんなの↓もありますし。

http://blog.livedoor.jp/mumur/archives/50357124.html



>国民の間に広い議論を と言われてるけど、そんな大事な問題を国民に預けられても?とちょっと思います(思いませんか?)。



逆に言えば、皇室という「日本という国と不可分の一族」の家の決め事を、その当事者の一族の与り知らぬところで決めてしまおうというのが、そもそもおかしい気がします。

大日本帝国憲法の時代は、皇室典範は憲法の下に無い同格の決まりだったのに、GHQ占領統治下で遠縁の皇族を勝手に皇族から追放したり、皇室典範を国会で決めるただの法律にしたりと変えてしまったのが、諸悪の根源ではないか、と。

この際、それを元に戻すのが最善のような。