スウェーデン音楽留学サバイバル日記 ~ニッケルハルパ(nyckelharpa)を学ぶ

スウェーデンの民族楽器ニッケルハルパを学ぶため留学。日々の生活を様々な視点からレポートします。

Erika & Ceciliaのライブ

2007-02-10 21:23:15 | スウェーデン生活
昨日の続き。
授業の後は、Erika & Cecilia( おススメCDで紹介した女性デュオ)のライブにストックホルムまで行った。3月10日に新作が出るので盛んにライブをしているみたい。
一人はバイオリン、もう一人はニッケルハルパ。

授業の後にストックホルムというのは可能だけど、結構しんどくて夜ご飯無しで向かわないといけない。
そんなの一人じゃ行きたいくないので何人か声をかけ、4人で行くことに。
すると、調理師スティーナは何と親切なことに、焼きたてのピザをひとりづつ冷えないようアルミでくるんでバナナと一緒に渡してくれた。ありがとう!


電車(11/19に紹介した、SJ(国鉄)ではなくペンデルトーグで行くので激安で行ける)は途中まで、ニクラスと一緒だったので、ニクラスが降りた後さっそくピザを食べた。でも、電車でピザってすごいなぁ。日本だったら超ヒンシュクもの。

電車の中では、「クラスで誰が一番フォーキーな服装か」という話題で盛り上った。
フォーキーという英語があるのか分からないが私たちの中では通じる。
カタカナではフォルクローレとか、フォルクロアと言ったほうが雰囲気が伝わりそう。
つまり、スウェーデンの民族衣装で使われるようなデザインの刺繍の入った服や、民族衣装風デザインのスカーフ、アクセサリ、色使いなどのこと。(民族衣装ってスウェーデンのね。メキシカン・ポンチョとか多国籍なものは含まない)
それで、私がフォーキーな格好をしたい!というと、ストックホルムの南、Slussenという駅の次の駅(名前を忘れた)で降りると、セカンド・ハンド・ショップヴィンテージ・ショップがあるので少しは見つかるだろうとのこと。

ライブはStalletで行われた。お酒や軽食も食べられる。ブルーノートみたいに広くなく、パブみたいに汚くなく、いかにも北欧風の落ち着いた雰囲気。よくフォーク・ライブしているので(今月はTriakelもある、行くべきか迷い中)、旅行のついでにいかが?

まずは7時からKMH(王立音楽院)の学生によるライブ。とってもさわやかな女性4人でアカペラ(もちろんフォーク)。かなり良かった。

8時からは、メインのErika & Cecilia
Erika(バイオリン)の弾き方は、とても情熱的でまさにステージ向け。
日本で発売されているCDには「ビブラートたっぷり」とあるけど、あれは間違い彼女は一切ビブラートはかけません
ものすごく細かなdrill(トリル)を多用。
キメの細かさと多用っぷりでは、DRAUPNER(同じく日本で発売されている)のフィドラーGörgen(最速drillと言われている)といい勝負。
今回のレパートリーは、ウップランド地方、ダーラナ地方、ヘルシングランド地方の曲をバランスよく弾いていた。ウップランドの曲は知らないものが多く、ダーラナとヘルシングランドは知っているものばかり。一緒に来た友人達も同じことを言っていた。
つまり、彼女たちのルーツはやはりウップランドで他の地方の曲はあとから習ったものなのでしょう。

Ceciliaのニッケルハルパはなんと4列(普通は3列)。
今、スウェーデンで人気のフランス人、ジャンクロードコンディの作品(実は私もこの人に弓を注文中)。デザインも見えないところまで凝っていて、さすがフランス人のデザインだとこうなるか!という感じがする。
(補足:人気は弓。本体については…2/11の日記で)
まるでルーブル美術館にある螺旋階段のような優雅で美しい彫刻がほどこしてあった。
Erikaの演奏は今日のライブでは、完全に伴奏に回っていた。メロディーを取ることはワンフレーズあったかなかったかくらい。今度のCDではどうなんでしょう。
ちなみに、Cecilia、私たちが今ニクラスに習っているように以前うちの学校でメインではない講師として教えていたそう。

二人は歌も歌う。Erikaはロー・ヴォイス(ハスキーではない)で固く透明感のある声。ジャズを歌わせたくなる。Ceciliaは、対照的にハイ・キーで透き通った声。もちろん、歌でリードをとるのはCecilia。

さぁて、ライブの後は、もちろんErikaとCeciliaによる"spel till dans"。
ダンスの伴奏をしてくれます。お店の人が椅子を半分片付けダンスフロアに早変わり。
Toboの田舎からやってきた私たちは、ごっついブーツ。とても踊りにくかった。
ボンドポルスカを弾いてくれるのでさっそく踊ったけど、ここはストックホルムだから?
だれもボンドポルスカを踊る人はいず、みんな通常のポルスカステップで踊っていた。
(ボンドポルスカは、うちの学校がある辺りの地方のもの)
なんだか、地方色というものをストックホルムで感じてしまった。

日本人が踊りたそうにしていても、こういう場で「踊ろう」と誘ってくれる人(友人を除く)は、よほどの物好きでない限りあまりいない。
フォークをやってるの?言葉通じるの?と思うから当然。
でも、この時、私は友人とボンドポルスカやワルツを踊った後だったので、「こいつはフォークをやっている」との認識を周囲が持ってくれたらしい。何人か知らない人とも踊った。うち一人は、1/26に上昇株かも?と書いたニッケルハルパプレーヤーだった(まだKMHの学生)。
なので、やっと今回Erikだと名前が分かった。ダンスも詳しいみたいで、ショティシュでは、何も言わずに急にもう一回転多い(元の位置に戻ってこれず場所が入れ替わる)ターンをヤツは強行した。ごっついブーツで踊ったのでいっぱい足を蹴飛ばしてしまった。
彼はかなり意欲的で、ダンスの伴奏は延々続いてしんどいのでしょっちゅう休憩が入るのだけど、その休憩中、Ceciliaから楽器を弾かしてくれと受け取るとステージに上がり「Erikです。休憩の間、僕が演奏します」と勝手にに弾き始めてしまった。多分、長いこと弾いていたと思う。そのままErikaとCeciliaは友人達とテーブルについて飲み始めてしまった。

ダンスも後半になってくると「ダンサーが帰るまで弾く」みたいな感じになって、いつが「オヒラキ」かはっきりしなくなるので特に問題はないと思う。
ともかく、私たちは田舎の住人なので、終電に間に合うように11時には会場を後にしないといけなかった。

写真は、カメラを持っていくのを忘れたのでビラを写したもの。
左は、ストックホルムの音楽博物館で、ニッケルハルパを実際に弾かせてくれる体験イベントがあるので興味のある方はいかが?当日、やってくる(先生役?)のプレーヤーはマグヌス。この学校の卒業生で、ニッケルハルパチャンピョン、KMH(王立音楽院)も卒業、すばらしいプレーヤーです。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする