オトコはつらいよ!? ~CNS 坂コーの独り言~

急性・重症患者看護専門看護師である坂コーの手探りなブログです。

このブログについて

はじめまして。 都内某大学病院ICUで働く専門看護師の坂コーです♪ 心にうつりゆく医療や看護に関する事をそこはかとなく書いていくブログです。 2019年4月からこちらにお引越し↓↓↓↓↓↓

ICUのベットサイドの写真(患者さんの家族にとっては??)

2018-09-23 03:33:41 | 看護
ICUで長期になった重症患者さんの家族が、時折写真を持ってくることってありませんか?

以前、ブログでもICUのベットサイドの写真について紹介しました。

前回は、“看護師にとっての”ベッドサイドの写真の意味”について考えました。

今回は、 “患者さんの家族にとってのベッドサイドの写真”について論文としてまとめました。
8名のご家族に協力してもらって、ベッドサイドの写真に関する具体的なエピソードについて自由に語ってもらいました。

さて、どんなことを語って、どんな意味があったのか??
気になったら見てみてくださいね♪

今回の分析方法の修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチがとてもわかりやすくまとまっている本なのでオススメです。


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ICUからの早期リハビリテーション

2018-09-16 09:48:15 | 看護
もう2ヶ月も前になりますが、東京で行われた第14回クリティカルケア看護学術集会で発表をさせていただきました。

テーマは
ICUにおいて24時間以上人工呼吸器管理を受けた患者のリハビリテーションに関する実態調査
です。

今回の平成30年度の診療報酬改定で早期離床・リハビリテーション加算が新たに新設されました。



どのくらいの施設が、この加算を取っているんでしょうか?
うちの施設はまだ取っていません。

医師や看護師は基準を満たしているんですが、PT、OTのリハビリテーション科との調整やプロトコールの作成などが課題となっています。

一応、集中治療医学会からは
集中治療における早期リハビリテーション ~根拠に基づくエキスパートコンセンサス~

というのが出ているわけですが…。


今回の実態調査では、
2016年1年分のリハビリに関する記事を電カルで全てチェックしました。
対象は24時間以上人工呼吸器管理を受けた患者です。

もっとできていると思ったのですが、後ろ向きに記録を見てみると意外とリハビリとして患者に介入できていない現状がわかりました。
しかし一方で、ベットサイドにいる看護師は清拭のときだったり、歯を磨くときだったり、テレビを見るときだったり、家族と面会するときだったり、、、
日常生活動作のタイミングを活かして、関わりの中で患者さんの力を引き出している記事がよく見られました。
後ろ向き調査でこれだけ書いてあるのならば、普段からやれてるんじゃないかなって思います。

理学療法士が来たときだけ、
「さぁ座位をとりましょうねー」
ってやるんじゃなくて、
呼吸器をつけていても、座位をとってもらって、鏡を見てもらいながら本人が歯を磨く。
そんな日々の看護の中に、リハビリテーションの要素は溢れているわけで、
それを意図的にできればいいのになぁ、、、ということが見えてきました。

どちらにしても、それでは担当の看護師に任されるところが大きいので、プロトコールは必要だとは思います。

まぁ、加算がついたからには介入が変わるわけですが、
それによってどの程度アウトカムが変わるか、が問われますよね。
注目していきたいと思います。

ICUの離床についてとても読みやすい本なのでオススメです。


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看護が“実践の科学”って言われるのはなぜ?

2018-01-21 23:29:29 | 看護
2018年になってアッという間に3週間が過ぎました。

私の職場は電子カルテの導入とPIMSがACSYSにバージョンアップしたことで大忙しです。
よーやく少し慣れてきましたが…。
気がつけばクリティカルケア看護学会の抄録の締切がもう間近!!


やばい、間に合わないかも。
あかん、あかんでぇ〜。。。

“言うは易く行うは難し”といいますが、
“言う”より“やる”人でありたいと思うので、足掻いてみようと思います。

看護は“実践の科学”とよく言われます。
重要な要素は、「知識」「判断」「行動」です。

知識があっても判断につながらなければその知識にあまり価値はありません。
判断につながったとしても、最終的に行動に落とし込めないのであればその判断にも価値はありません。
知識、判断、行動の3つがあって、はじめて価値が出てきます。

行動までつなげることの重要さと難しさ。
私も常々、意図的な介入までつなげる看護を意識しています。



…、間に合うといいなぁ。。。



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ICUのリハビリテーション

2018-01-07 14:50:58 | 看護
あけましておめでとうございます。

ICUのシステムが1/1からPIMSからACSYSに変わり、電カル導入が重なっててんやわんやの毎日です。

連休だったり、ICU内がてんやわんやな事と、患者さんが受ける治療や看護は関係するのか?
理想は否ですが、現実は大いに関係しているのではないかと私は思います。

例えば、ICU内でのリハビリについて考えたいと思います。

私の施設では、普段は理学療法士がベットサイドに来てくれて30分程度のリハビリが行われます。
しかし、連休中は来ません。

すると、その日の患者さんの離床に向けたリハビリは、受け持ち看護師に委ねられます。
特にリハビリに関するプロトコールを私の施設は持っていません。
2016年に行われたJSEPTICのICUでのリハビリについてのアンケートを見てみても、プロトコールのない施設の方が多いようです。


厚労省のホームページを見ると、リハビリを実施していない施設も少なくないようです。



早期のリハビリテーションは必要ないのでしょうか?

2016年のLancetにそのヒントがあります。
Early, goal-directed mobilisation in the surgical intensive care unit: a randomised controlled trial.
というタイトルの論文です。

この研究ではSOMS(SICU Optimal Mobilization Score)を指標とした早期目標指向型治療のRCTをして、運動機能改善、SICU滞在日数の減少、退院時運動機能の改善が得られるか検討しています。

SOMSはこのような5段階のスコアです。


具体的には、朝の段階で患者の安全基準を考慮してゴールを設定し、夜に達成できたか評価するというものです。
例えば、脊椎が安定していて、24時間以内に亡くなる予測はなく、脳圧が亢進していなければLevel1のROMを実施する、というようなプロトコールです。


さて、結果はどうなったか。

プロトコールを使った群のほうが、ICU在室中のSOMSの平均値、ICU在室日数、退院時のmmFIM(移動・移乗)が有意に改善しています。


下の図は、点線が介入群で実線が対照群で、横軸がICUの日数、縦軸が達成した割合ですが、ROMに関しては初日から100%の達成率です。


業務に追われてしまうと気がついたら夜になってしまっていることも少なくありませんが、看護師は常に患者のベットサイドにいます。

清拭や体交、口腔ケアや排泄介助など介入の機会はケアの中にたくさんあります。
患者さんの痛い時、気分が悪い時、休みたい時、やる気がある時など一番知っています。

ICUの看護師の意識は患者さんに大いに影響があると思うので、誇りを持って日々の看護に取り組んでいきたいですね!


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ICU患者のストレスについて考える

2017-10-10 05:59:56 | 看護
ICUは重症患者さんに、集中的な医療・看護を提供する場です。
生命が最優先とされてきた背景から、患者さんが過ごしやすいようにではなく、医療従事者が働きやすいように作られてきた背景があります。
そこにいる患者さんは、とても多くのストレスを経験しています。

とはいうものの、そのストレスの内容はどのようなものか?
なんとなく想像はできますが、それって本当にそうなのか?
また、そのストレスに何が関連しているか?

今回は、このような疑問に応える、ICU患者100名(実際は96名)に聞きました!という研究をご紹介します。

研究のタイトル 「12時間以上人工呼吸管理を受けたICU入室患者のストレス経験」

日本集中治療医学会雑誌に2017年の7月にupされています(日集中医誌 2017;24:399-405.)。
研究対象は12時間以上挿管されたICUの患者でせん妄、認知症の患者さんは除外されています。
研究方法は、ICU Stressful Experiences Questionnaire(ICU-SEQ) の日本語版の34項目の質問紙を用いたインタビューです。
さて、1番のストレスは何だったのでしょうか?



結果はこのように、「口渇」、「会話困難」、「動きの制限」、「気管チューブによる苦痛」、「痛み」や「緊張」がストレスの上位でした。
私的に興味深かったのは、ストレス経験項目のうち人工呼吸管理の記憶がないと答えた方が10名いたのですが、ICU-SEQJ合計点が 66.89±25.1点に対し、覚えている方は89.71±23.0点で有意に低くなっています(P= 0.02)。

ICU 退室後のpost-intensive care syndrome(PICS)が注目され、浅鎮静や無鎮静が主流になってきていてています。
ICU内での記憶の欠如や歪みは、退室後の精神症状に影響を与えるため、ICU日記などの関わりが効果的とも言われています。
この辺の領域はもう少し丁寧に、時期や内容、中長期的なアウトカムを含めて今後の課題としていく必要があるのだなぁと改めて感じました。
看護師が介入できることも多そうですよね。

この研究は、患者さんの声を直接聞けたとても学ぶことの多かった研究です。
患者さんの体験なしにICUの看護は成り立ちません。
主役はいつも患者さんです。

ご興味のある方は、ぜひ 論文をみてください♪


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