冬空をいま青く塗る画家羨(とも)し 中村草田男
なにか晴れきらぬ思いを持って、親しい画家を訪ねていったときのことだろう。画家の筆の運びを寡黙に見守っていると、画家は冬空を青い色で塗り始めた。冬空を青く塗る画家の心境を羨ましく思った。草田男の思いは仕舞われ、二人の会話は別の話になった印象である。
なにか晴れきらぬ思いを持って、親しい画家を訪ねていったときのことだろう。画家の筆の運びを寡黙に見守っていると、画家は冬空を青い色で塗り始めた。冬空を青く塗る画家の心境を羨ましく思った。草田男の思いは仕舞われ、二人の会話は別の話になった印象である。