数日前の佐賀新聞の論説から掲載。
良い提案だとおもう。
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今こそトータル戦略構築を
有田焼と唐津焼
2015年04月27日 05時32分
骨董・古美術専門誌『目の眼』2月号は佐賀県立九州陶磁文化館所蔵の「色絵花盆文八角大壺」、5月号は国重要文化財の「唐津茶碗(三宝)」が表紙を飾った。
それぞれ「日本とヨーロッパの出会いが生んだ美」「古唐津の風景」が特集で、取材のため1月、唐津を訪れた白洲信哉編集長は「日本の陶磁器を代表する二つの産地を持つこんな地は、ほかにない」と、陶芸史上の肥前地域、佐賀県の存在の大きさを語った。
唐津焼は桃山時代、北波多・岸岳の山麓の窯で焼かれたのが発祥とされ、生産量が拡大するとともに現在の伊万里、武雄、有田、嬉野にも広がった。その後、有田・泉山で陶石が発見され、磁器生産が始まると、肥前の焼き物の主役は唐津から有田へ、陶器から磁器へ移行していった。
唐津焼の技術があったからこそ有田焼が生まれたわけで、両者は「兄弟」と言っていい。
ただ、有田と唐津がどうも遠く感じられる。距離のことではない。産地振興にしても、プロモーションにしても、一つの産業・文化圏と位置付けたトータル戦略が感じられないことだ。白洲さんも「二大産地がばらばらな印象を受ける」と話していた。
有田焼が分業・量産体制による「産業」として成立してきた一方、唐津焼は個人作家や小さな窯元の「工芸品」のイメージが強い。生産形態の違いも産地支援のネックになっているようだ。
山口祥義知事は就任3カ月のインタビューで「佐賀再興」と銘打ち、歴史や文化など佐賀県が持つ「本物の素材」を磨き上げる事業に力を入れる考えを示した。
有田焼と唐津焼はまさに佐賀の風土が生んだ「本物」である。産地は複数の市町にまたがるだけに、佐賀県の強いリーダーシップが必要だ。
かつて有田焼は伊万里港から東南アジアやヨーロッパに輸出され、「イマリ」の名で世界に知れわたった。唐津焼は江戸期、瀬戸内海沿岸や山陰、北信越地方に運ばれ、東日本でいう「せともの」に対し、「からつもの」として、焼き物の代名詞にもなっていた。
有田窯業界は来年の創業400年に向けてイタリア・ミラノでのインテリア国際見本市で発表会を開くなど、新しい市場開拓を目指す。唐津焼でも唐津コスメティック構想とタイアップして今秋、パリで開かれる商談見本展示会に香炉を出品する話が進んでいる。
29日から有田陶器市と同時に、唐津やきもん祭りも始まる。百年以上の歴史を持つ有田に対し、唐津は4年目だが、陶芸家と観光商工団体が連携して新たな胎動が生まれている。有田焼創業400年事業を単年度に終わらせないためにも、一体となったトータル戦略を構築する時だ。(吉木正彦)
http://www.saga-s.co.jp/column/ronsetsu/181046
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共にいっそう盛り上がって発展するような紹介の仕方や
届け方があるのかもしれない。
すぐには思い付かないが、
各地でそれぞれバラバラにやるよりは効率的にもいいとおもう。
相乗効果を発揮するような案・戦略を、佐賀県の本物の魅力を広めるという高い視点から
期待したい。
魅力をどう伝えるか、ということだろうが、海外でもどんどん売れていくことになると、
その分より佐賀の知名度も上がることに繋がるだろうとおもう。
「焼き物」としては国内のほかの県にもライバルは多い、のか・・(笑)
まあ、しかし競争がないと、良いものも生まれないのも確かだろう・・。(笑)
小城市 くぎ