星とか日々とか

ブログはじめました/2011/12/10

種子島・屋久島の風景と星空 2017年5月28日

2017-05-28 11:44:54 | 旅行

いつか行ってみたいと思っていた両島、羽田や名古屋からだと北信濃から空港までの旅費と時間が相当かかりますが、今回松本空港からのチャーター便ツアーで叶いました。
5月21日~23日 3日間。

5/21 夕方
種子島空港に到着した搭乗機、飛行機に乗るのは4年ぶりです。国内線は今まで乗る機会が無く、今回初めて。
松本空港、種子島空港ともにたいへん親切で、荷物の扱いも非常に丁寧です。バックなどを特にケア無く積み下ろしする外国の空港と比べると格別で、日本はいいな、と思います。

5/21 夜
種子島からの星空です。ホテルのベランダから撮影。黄色く写っているのは、街灯に照らされた手前のソテツの木です。ケンタウルス座の上半身がしっかり見えていました。
北信濃と種子島では、緯度にして僅か6度ほどの違いですが、その差は大きいです。
ケンタウルス座のすぐ下にはみなみじゅうじ座(南十字星)の一番北側のガンマ星が、高度2~3度くらいに昇っているはずで(撮影した時刻がこの星の最大高度)、
もし海岸まで出ていたら水平線上に見えていたかもしれません。 種子島はやはり遠い南国の素敵な島です。

5/22 午前
種子島宇宙センターのロケットの丘展望所
4本の鉄塔がある場所が、発射台の場所です(4本の鉄塔は、避雷針) 広大な亜熱帯の森と白い海岸線が素晴らしく、世界一美しいロケット発射基地と呼ばれるのも分かります。
この場所からは普段見学が出来ますが、発射が行われる際にはここも閉鎖され厳重に警備されるそうです。

6月1日、GPSの精度を高める準天頂衛星「みちびき2号」を載せたH2Aロケット34号機が午前9時17分、この種子島宇宙センター発射台から
打ち上げられました。 10日後の旅行だったら、発射するところを(当然もっと遠くからですが)見ることが出来たかもしれませんね。(6/1加筆)

門倉岬
種子島最南端で、1543年、ポルトガル人の乗った船が漂着した岬、鉄砲伝来の地です。ここも美しい海岸線です。

5/22 午後
種子島西之表港から高速船で屋久島へ、ちなみに西之表港の灯台は、種子島に相応しいロケット型です。(飛びません^^;)

5/22 午後
屋久島安房港へ到着後昼食、そしてバスで標高1200メートルへ。海岸付近は、半袖で十分な暖かさでしたが、ここは長袖が必要、しかも雨です。雨量が半端では
ないという屋久島、でもそのお蔭で類まれな生態系が育まれているのです。
この紀元杉の樹齢は3000年、この木が芽生えた頃、日本ではまだ縄文から弥生の時代です。気の遠くなるほどの時間、ここでじっと生き続けていることにただ驚きです。
近くにいるとなにかこう、「深く優しい気」のようなものを感じます。出逢えて嬉しいです。

 

5/22 夜
再び星空、屋久島からです。こちらもホテルのベランダからです。 時間帯が深夜を過ぎていたため、ケンタウルス座は沈もうとしていますが、さそり座が高いところにいました。
人口光が少ないのですごく星がよく見えます。天の川(銀河系)の中心方向(さそりの尾の上)も非常に濃いです。

5/23 朝
ホテルの周りの散策路、熱帯の植物が生い茂り、寒い北信濃とは別世界です。花や植物の名前が分からなくて残念でした。今度行く機会があれば是非ガイドさんをお願いしたいです。

一番右側の高い山は、モッチョム岳

5/23 午前
千尋の滝、巨大な花崗岩の岩盤を流れる大滝です。 屋久島の大部分はこの花崗岩で形成されていて、でもその強固な岩盤の上に多種多様な生命が逞しく宿っていて、ここはその縮図
を見ているようでした。

5/23 午後
旅も終わりに近づきました。屋久島から高速船で再び種子島へ、空港から一路松本へ。 長野県上空に入ると御嶽山が見えました。
サトウキビやサツマイモの苗が植えられていた広々とした種子島、道沿いにブーゲンビリアが咲いていた屋久島、そして両島とも綺麗な星空、 またいつか。
同行のツアーの皆さま、添乗員さん、たいへんお世話になりました。

 

 

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ミュシャ展(撮影可能エリアの作品) 2017年5月14日

2017-05-14 00:29:33 | 音楽 絵画 芸術

このような大作の展覧会で、撮影ができるというのはほんとうに嬉しいです。図録で振り返るのも勿論よいですし、その中の作品も十分美しいですが、
自分がそこにいて「本物の作品」と向き合ったという記憶をそのまま残す写真はまた格別です。

撮影可能エリアの5点です。高さ6メートルものスラヴ叙事詩を下から撮るので、16-35mmの広角レンズ(シフトレンズが理想ですが、持っていないので普通
の広角)で歪曲収差を補正しながらできるだけ作品の真ん中から撮影し、その後上窄まりの像を水平に起こす処理を行い、色調などの微調整を施してあります。
実際に会場で見た作品は、もっと柔らかく空間に溶け込むような優しい雰囲気です。沢山の人で混雑した中なので、作品の前に誰も居なくなったごく数秒の間に
サイレントモードで音と手振れを消してサッ、という方法で撮影したコマが殆どです。

作品にはこちらを見ている人物が配置されていますが、彼らの存在により、単なる鑑賞する者と絵画の関係ではなく、こちらも作品の中の出来事に積極的に引き
込まれている、と感じます。それこそがミュシャ(ムハ)の意図だと思います。

ところで、「スラヴ菩提樹でおこなわれるオムラジナ会の誓い」に描かれている女神スラヴィアのお顔ですが、正面から撮影するとディティールがはっきり
しないのですが、斜め左側からだと、キリッとした表情が見て取れます。表情だけでなく女神周辺の様子も同様です。これは肉眼(双眼鏡)でも同じです。
  「女神を拝見するときは、斜め左から」がお奨めです。

イヴァンチツェの兄弟団学校

聖アトス山

スラヴ菩提樹でおこなわれるオムラジナ会の誓い (女神像、斜め左と正面の比較)

ロシアの農奴制廃止

スラヴ民族の賛歌

撮影の機会を与えてくれたことに、心から感謝します。

 

 

 

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ミュシャ展と大エルミタージュ美術館展 2017年5月7日

2017-05-07 00:45:18 | 音楽 絵画 芸術

連休中の黒姫高原の様子と前後してしまい恐縮ですが、4月28日にミュシャ展(国立新美術館)大エルミタージュ美術館展(森アーツセンターギャラリ)を観てきました。

☆ミュシャ(アルフォンス・ムハ)展

チェコ国外で、「スラヴ叙事詩」の全20作品が展示されるのは今回が初めてで、期待に胸を膨らませて乃木坂に向かいました。
平日だったこともあり、チケット売り場は数分待ち程度、入場の待ち時間はありませんでした。

会場の入口でチケットを提示し、中に入った瞬間に、「うわーっ」と声を上げるほどの迫力の叙事詩数点が、巨大な壁面を覆うかのように展示されています。
最初の作品は、「 原故郷のスラヴ民族」、怯えた表情で身を隠しながらこちらを見る女性、遠景の丘には、恐ろしい形相の侵略者の集団が迫り、そして神に
慈悲を乞うスラヴ民族の司祭が描かれています。NHK特番で見た時の感動をさらに大きく超えるものでした。ここだけでもほかに5点、隣の部屋には9点、
その奥の「撮影可能エリア」では5点が迎えてくれます。スラブ叙事詩の展示エリアだけでも恐らく300名近い人がいたと思いますが、それでも狭いという感
覚は無いほど作品と展示空間が巨大です。作品の天井に近い部分は6メートルもの高さがあるため、持参した小型双眼鏡が作品上部の人物の表情などを見る
時に役立ってくれました。

撮影可能エリアでは、本当に撮っても良いのだろうかと戸惑うような5つの作品が展示されています。勿論全景や部分など沢山撮らせていただきました。持参
したカメラとレンズ(星空撮影に常用しているα7SとFE16-35mm)は、高感度特性の良さと色再現の豊かさを発揮し、薄暗い美術館の展示場での臨場感を遺憾
なく写し取ってくれました。また多くの人が、いわゆるスマートフォンで静かに撮る中、一眼レフのシャッタとミラーの音は静寂を破る耳障りなものとなりが
ちですが、これもサイレントモード撮影で気兼ね無く撮影することが出来ました。
このような世界的に大変貴重な大作を撮影する機会を与えて下さったことに、改めてチェコの皆さま、ならびに主催者に感謝いたします。

スラヴ叙事詩は、見る者に強く訴え、しかし決して恐怖を与えることがない(描かれていることは深い恐怖と苦悩であっても)、特番などでも出演者が同様の
意見を述べていましたが、そのことを実際に作品を見ることで実感し、また最も大切なことだと感じました。

スラヴ叙事詩を見終えたときには既に入場してから2時間以上が過ぎており、帰りの電車の時間が迫ってきていたため、その後のアール・ヌーヴォーや世紀末
の祝祭などまだまだ展示が沢山あったのに、さあーっ、と流すくらいにしか見ることが出来なかったのが少し残念でした。出口のショップで図録としおりを購入
して足早に会場を後にしました。外は気持の良い快晴の夕暮れでした。 帰りの電車の中で作品を思い起こしながら、「パリでのアール・ヌーヴォーの作品も
叙事詩も決して別のものではなく、一つの源流、スラヴ人ムハの心から溢れているものだ」と強く感じました。

図録は作品と詳細な解説が記載されていてお奨めです。掲載されている作品(写真)はどれも素晴らしいものですが、スラヴ叙事詩に関していうと、展示場の
明かりの中で本物と向き合う臨場感は、やはりその場ならではのものです。 勿論あの大きく精緻な作品と、見開きでもA3の本を比較するのはフェアではあ
りませんし、また図録上の叙事詩も十分に素晴らしいものです。加えて思いっきり目を近づけてじっくりと明るいところで解説を読みながら見れるのも本の良
いところですので、まず図録で下調べをしてから(朝日新聞SHOPなどで購入可)現地で実際の作品を観るのもよいかもしれません。

ちなみに当方が行った4月28日に来場者が30万人を超えたそうです。

国立新美術館アトリウムのポスター

撮影可能エリア

☆大エルミタージュ美術館展

ミュシャ展は昼食後の午後からでしたが、午前中は森ビル52階でこちらの展示を観ました。入口で迎えてくれたのは、「戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世
の肖像」しかもこの日まで、特別にこの肖像の写真撮影が可能で、勿論撮らせていただきました。
展覧会のタイトルに「大」と付くだけあって、作品点数は相当です。またルネサンス、バロック、オランダ市民絵画時代など3世紀以上に跨り多岐にわたるため、
じっくりひとつずつ観ていても決して飽きは来ず、集中して楽しめます。どの作品も素晴らしいのですが、その中でも特に印象に残ったのは、

《手袋を持つ男の肖像》 フランス・ハルス (昨年に続き、思いがけずハルスの作品にまた出会えた)
《聖母マリアの少女時代》 フランシスコ・デ・スルバラン(表情を見ているだけで心が安らぐ)
《牧童の女性》 ダーフィット・テニールス2世(遠い過去の人のようでもあり、ついこの間町中で会った人のようでもあり不思議な女性と首飾り)

こちらも約2時間鑑賞してから(時間に制限がなければ何時間でも見ていたい)、出口のショップで図録を購入しました。 この図録は各作品の色彩や質感も良く
再現されていると思います。

普段暮らしている北信濃は、自然豊かで星空が綺麗でよいところですが、けれどこういった世界の美術品の名作を気軽に拝見できるのは、やはり東京ですね。

森ビルエントランス

エカテリーナ2世 この日は撮影可能日、オリジナルはもっと色彩豊かですが、意図的に彩度を低くして装飾の輝きを際立たせてみました。

 

 


 

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早春の黒姫 / 球状星団、彗星   2017年5月5日

2017-05-06 00:06:41 | 

北信濃にも本格的に春がやってきました。おおよそゴールデンウィークのころ、桜もチューリップもリュウキンカも一斉に咲くのが春の遅い
当地の特徴です。(八重桜はまだ1週間くらい先です)
東京ではとっくに桜の花は終わって、初夏の若葉のシーズンが始まっていますが、こちらではまだ見頃です。 毎年同じ写真で恐縮ですが、
連休に黒姫山ろくを散策すると、やっと春が来たことを実感します。

黒姫童話館前の広場です。昨年は咲いていた広場の桜はまだ蕾でした。例年5月第2週くらいが見頃です

リュウキンカとこぶし、遠景が黒姫山です。 丁度満開、こぶしの花は日の光を浴びると眩しいくらい綺麗です

日陰にはまだ雪が残っていました

 

御鹿池に写る黒姫山です

春霞というか、薄曇りの中で彗星の撮影を「強硬」しました(笑) ジョンソン彗星(C 2015V2)です。うしかい座付近にあり、
ほぼ一晩中見える良い条件の場所です。 ただ明るさは7等級ですので口径20センチ25倍で見ても、かなり淡いイメージで、丁度
この写真をさらに薄くした感じでした。
撮影データ/ 2017/05/02 26h31m   VIXEN R200SS(800mmF4),コレクターPH, Canon 6D  60sec ISO2000,  M-GEN, iOptron45Pro

 

霞んでいても比較的よく写る?球状星団(M13)です
撮影データ/ 2017/05/02 27h00m   VIXEN R200SS(800mmF4),コレクターPH, Canon 6D  60sec ISO1600,  M-GEN, iOptron45Pro

ちなみに木星も動画で撮影しましたが、大気の揺れが大きく、×でした。

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