この患者さんも、当然手術したその日から仮歯が入り、機能回復を図って、最終的に美しいセラミックの歯が入れられた方です。
結局3月末に心臓が弱った亡くなられてしまいましたが、歯が1日で入ること、機能回復が相当に早かったことから、この方はインプラント治療、特に即時荷重インプラント治療に対してとても高く評価して下さり、インプラントは良いものだ、といつも強く言って下さっていました。
即時荷重インプラントと言う手術した日から歯が入るインプラント治療の価値観は、この患者さんの証言でも大変高いものがあると思います。
悲しいことですが、人には寿命があります。
患者さんの人生が後どれ位残されているのか、それは誰にも分かりません。
残り時間が少ないからインプラントしても無駄だ、と言う考え方もあるでしょう。
しかし、この方のように、今まで散々入歯で嫌な思いをして来て、満足に噛んだり咀嚼出来なくて、このままじゃ死に切れない、何としても生きているうちに噛めるようになりたい、もう一度だけでも好きなだけ噛み締めて、好物の味を味わいたい、と言う望みを賭ける方もおられるのです。
そう言う最後の望みとも言えるものにお応えするのに、即時荷重は素晴らしい成果があります。
更に、手術での痛み腫れを極限に抑えた低侵襲外科手術でこれを達成出来れば、この患者さんのように満足度はとても高いものになるのです。
これが一般的なインプラント治療であったら、どう言う経過になったのでしょう。
多分、即時荷重は出来ませんからと言うことで、総義歯を入れることに成るでしょう。
一般的手術方法では、必ず歯茎を大きく切開してインプラントを埋めて、その上に歯茎を覆うように縫い付けてになりますから、総義歯を入れることはとても難しいことになるでしょう。
しかも、大きく切開をしたことで、痛みや腫れも出るでしょうから、尚更総義歯を入れることは難度を極めるでしょう。
その上、インプラントは歯茎の下になるので、総義歯の圧下から守るのが大変でしょうし、頭出したり仮歯付けたりで、何度かの手術が必要になることでしょう。
これでは、インプラント治療したのに、と患者さんが辛い思いを話されるのも仕方がない、と思います。
これらの問題を全て解決する方法が、即時荷重、低侵襲外科によるインプラント治療なのです。
即時荷重の方法ならその日から綺麗に歯が入るし、低侵襲なら患者さんは術後の苦しみから解放されます。
正しく夢の治療方法、と言えるのです。
ですから、私はこの治療法方に2000年からたった一人で必死で取り組んで来ました。
この患者さんは、2011年10月17日に抜歯即時植立でインプラント治療をしました。
同時にGBR骨造成と歯茎の再生処置もしています。
勿論、手術した日に仮歯を入れています。
そして、セラミックの歯が入ったのが12月1日です。
僅か46日、7週間弱です。
上顎の奥歯は骨が柔らかくて難しい、インプラント生着までに少なくとも4ヶ月、このような難しい症例では6ヶ月、と言われるものです。
病巣を相当に抱えている歯ですから、抜歯して歯茎の治るのを待って、それからGBR骨造成とかしてインプラント植立をすると言う一般的な治療のステップで行っていたら、インプラントの植立手術迎えるまでに6ヶ月以上掛かることでしょう。
そうなると、最終的なセラミックの歯が入るのには12ヶ月以上1年以上掛かる、と言う事に成ります。
私の12年の修行、鍛錬で辿り着いた治療期間は7週間。
一般的な方法では1年52週以上。
7分の1以下の極短い期間で、しかも低侵襲外科手術を1回したっきりです。
今ではこのスピードで、1回きりの低侵襲の手術で痛みも腫れもなく綺麗に早く治せるようになりました。
12年もの修練は無駄ではなかったのです。
冒頭の患者さんも、このような治療方針で処置出来ましたので、とても満足して下さったのです。
インプラント治療は外科の伴う治療で、しかも治療期間も長く、何回もの手術を耐え治すのが当然、と信じられています。
しかし、それでは患者さんが可哀想です。
だから、私は一つ一つ解決して来たのです。
やろうとするDRは私一人でした。
たった一人でした。
私以外の皆が反対をしていました。
セミナーとかの恩師達は危険だと忠告し、勉強仲間も誰一人賛成してくれず、腕を信頼する右腕とも頼む勤務医は、自分の首賭けてでも止めて下さい、と反抗し、スタッフも院長が暴走している、と危惧していました。
でも、目の前に助けて下さい、と言う患者さんが泣いていました。
悲嘆にくれるさめざめとした涙に、私は一人立ち向かう決意をしました。
そうして、2000年の秋、第1症例の患者さんを施術することにしました。
右腕にはお前が手伝ってくれたら必ず成功する、と説き伏せました。
スタッフにも総力戦だ、この患者さん意外は治療の方は入れないでくれ、と調整をして貰いました。
そして、手術は行われました。
無事成功したかと思われました。
しかし、1ヵ月後仮歯の脱落の緊急連絡が来ました。
背中に冷たい汗が流れました。
急患で来て下さって、直ぐに拝見して、ホッと胸を撫で下ろしました。
インプラントはビクともしていません、歯茎もさすが右腕DRの歯茎の扱い、縫合の良さで綺麗に治ってくれていました。
見事に無事成功していることが確かめられたのです。
そこから始まり、今があります。
第1症例から数えたら、何度の改良改善をして来たのか、特に2003年以後に大改良した殆ど切らない低侵襲手術に切り換え、数え切れない程のバージョンアップをして来ました。
12年の絶え間ない前進・向上があってこそ、今日再掲した症例のような仕事が出来るのです。
その成果に直に関わり、自分の手で成し遂げて来て、これからのインプラント治療の方向性はこれしかない、と強く確信しています。
そして今、私は一定の成果を上げられるようになったので、これをもっともっと正しくキチンと広めたい、沢山の患者さんを救いたい、信じてくれる先生方に教えたい、と真剣に願っています。
自分の夢をある程度果たしたので、今度は他の方の夢を叶えることを、本気でして行きたいのです。
勿論、私自身も向上し続けて行きますが、ここまで積み上げて来たものは独り占めしていないで広めよう、そう強く決意しています。
夢を叶えるインプラント治療、本気で治りたい患者さん、学びたい先生、どうか私を使って下さい。
私は到って本気です。