八日目の蝉
(TV金曜ロードショーの録画)
父親の不倫相手に誘拐されて4歳まで育てられた恵理菜(当時は、薫)。・・・・・この映画は暗い映画なのかと思ってたけどそうでもなかった。後半は、恵理菜の心理が中心に描かれて、恵理菜が思い出してる過去として当時のことがスクリーンに出てくる。
稀和子(永作博美)は妊娠したが、相手とは不倫の関係であり生むことはできない。堕胎のときに、稀和子の子宮が傷つき妊娠できない体となってしまう。このようなときに、不倫相手の妻が子供を産む。もう、最悪の心境であったであろう稀和子は、この子供を一目見ようと夫婦の留守中に家に忍び込む。一人ベットの上で寝てる赤ちゃんを抱っこしてみると・・・・かわいいこと!!!思わず、稀和子は赤ちゃんを誘拐・・・そして、4年間の逃亡生活が始まる。でも、この4年間の生活こそが誘拐された赤ちゃんにとって本当の愛に満ちた懐かしい思い出となることが最後まで映画を見るとわかってくる。
稀和子は、赤ちゃんに「薫」と名づけて育てる。これは、不倫相手と赤ちゃんが生まれたら「薫」と名づけようと話していたからである。
稀和子と薫は、薫が物心ついたころは「エンゼルハウス」にいる。ここは、宗教??に基づいてエンゼルさん(?)の教えをもとに暮らしているちょっと変わったところだが、・・・でも、オーム真理教のようなのとは程遠く、エンゼルさんもちょっと大阪のおばちゃんっぽくていい感じ。エンゼル役の余貴美子よかったです。一見、キリスト教のような感じも~
ここは、女ばかりの世界。だから、ここを抜け出さなくてはならなくなったことは、小さな薫にとっては別の広い世界も知ることができてよかったかもしれない。
次に来たのが小豆島。ここでの薫の思い出が強烈だったわけだ。何気ない毎日の生活。お祭りや行事。周りの人々の暖かさ。自然の美しさ。そんなすべてのものをこの時期に薫は心に焼き付けたのだろう。稀和子は、製麺所で素麺をつくる仕事をしながら薫を育てる。稀和子と薫を見て誰が実の親子でないと疑っただろう。
私も小豆島には何度訪れたことがあるが、映画でも寒霞渓の景色は美しく稀和子と薫をゆったりした気分にさせるし、二十四の瞳記念館にいる二人はとても楽しそう!稀和子には、不倫相手を恨む気持ちとは全然別の気持ちで薫を心から育てていたのだろう。薫は、もちろん稀和子のことを本当の母親と思って疑ってないのだから、小豆島の風土にも溶け込んでとても幸せな時だったことだろう。
船に乗る前に警察が待ってるところ、・・・・・とうとう捕まってしまうんだな~って、可愛そうだたまらない!特に薫は何のことだかさっぱりわからないんだから~
薫は、恵理菜として両親のもとで育てられることになるが、・・・・母親は、恵理菜が稀和子のことを思い出したようなことを少しでも言うと癇癪をおこして怒鳴る。(怖い。恐ろしい。)
稀和子は、薫を育てながら、不倫相手の薫(恵理菜)の父のことは忘れていったかもしれない。しかし、恵理菜の生みの母は、彼女が帰ってきたが、稀和子つまり夫の不倫相手のことを母として思い出しているようなので、もう我慢しりれないのだろう。
恵理菜の父がいつも母をなだめているが、この父も不倫相手が自分の子供を誘拐したことが世間にばれて、職も失っている。まぁ、もともとこの父が悪いとは言え、一家は精神的にもうめちゃくちゃ。
大学生になっている恵理菜に雑誌のレポーターが当時のことをどう思ってるか?と聞きにくる。このレポーター千草の役、小池栄子。最初嫌な奴だなぁと思った。恵理菜もそう思っただろう。でも、千草は、エンゼルハウスで薫と遊んでたと言っている。そして、千草がいたから、恵理菜は小豆島にももう一度訪れることができた。そういう意味では、大切なキャラクターだ。
恵理菜が妊娠。それも不倫相手の子を・・・恵理菜は、小豆島を訪れて、小さかったころの楽しかった思い出を思い出して、前からここにもう一度来たかったんだ!と再確認した。自分の今までの人生で一番楽しかったとき・・・それが、恵理菜にとって小豆島で稀和子と過ごした日々だったのだろう。
恵理菜は、もう既に不倫相手とは別れたが、子供は生むことを決心。「今、もうこの子が可愛い!」と、お腹の子のことを言ったのがとても印象的だった。
ここに来たことで、実の母と暮らしていた辛かった日々、それに押さえつけられてペチャンコになってた大切なものが蘇った!!!という感じだったのかもしれない。すごく前向きになった恵理菜を見てうれしい気がした。
恵理菜の本当の母は、もしかしたら稀和子なのかもしれないと思った。
それにしても男の影の薄い作品でした。(恵理菜の不倫のお相手、岸田の役は劇団ひとり。なんかちょっと気の毒な役でした。)
点数を付けるとしたら 85点
(TV金曜ロードショーの録画)
父親の不倫相手に誘拐されて4歳まで育てられた恵理菜(当時は、薫)。・・・・・この映画は暗い映画なのかと思ってたけどそうでもなかった。後半は、恵理菜の心理が中心に描かれて、恵理菜が思い出してる過去として当時のことがスクリーンに出てくる。
稀和子(永作博美)は妊娠したが、相手とは不倫の関係であり生むことはできない。堕胎のときに、稀和子の子宮が傷つき妊娠できない体となってしまう。このようなときに、不倫相手の妻が子供を産む。もう、最悪の心境であったであろう稀和子は、この子供を一目見ようと夫婦の留守中に家に忍び込む。一人ベットの上で寝てる赤ちゃんを抱っこしてみると・・・・かわいいこと!!!思わず、稀和子は赤ちゃんを誘拐・・・そして、4年間の逃亡生活が始まる。でも、この4年間の生活こそが誘拐された赤ちゃんにとって本当の愛に満ちた懐かしい思い出となることが最後まで映画を見るとわかってくる。
稀和子は、赤ちゃんに「薫」と名づけて育てる。これは、不倫相手と赤ちゃんが生まれたら「薫」と名づけようと話していたからである。
稀和子と薫は、薫が物心ついたころは「エンゼルハウス」にいる。ここは、宗教??に基づいてエンゼルさん(?)の教えをもとに暮らしているちょっと変わったところだが、・・・でも、オーム真理教のようなのとは程遠く、エンゼルさんもちょっと大阪のおばちゃんっぽくていい感じ。エンゼル役の余貴美子よかったです。一見、キリスト教のような感じも~
ここは、女ばかりの世界。だから、ここを抜け出さなくてはならなくなったことは、小さな薫にとっては別の広い世界も知ることができてよかったかもしれない。
次に来たのが小豆島。ここでの薫の思い出が強烈だったわけだ。何気ない毎日の生活。お祭りや行事。周りの人々の暖かさ。自然の美しさ。そんなすべてのものをこの時期に薫は心に焼き付けたのだろう。稀和子は、製麺所で素麺をつくる仕事をしながら薫を育てる。稀和子と薫を見て誰が実の親子でないと疑っただろう。
私も小豆島には何度訪れたことがあるが、映画でも寒霞渓の景色は美しく稀和子と薫をゆったりした気分にさせるし、二十四の瞳記念館にいる二人はとても楽しそう!稀和子には、不倫相手を恨む気持ちとは全然別の気持ちで薫を心から育てていたのだろう。薫は、もちろん稀和子のことを本当の母親と思って疑ってないのだから、小豆島の風土にも溶け込んでとても幸せな時だったことだろう。
船に乗る前に警察が待ってるところ、・・・・・とうとう捕まってしまうんだな~って、可愛そうだたまらない!特に薫は何のことだかさっぱりわからないんだから~
薫は、恵理菜として両親のもとで育てられることになるが、・・・・母親は、恵理菜が稀和子のことを思い出したようなことを少しでも言うと癇癪をおこして怒鳴る。(怖い。恐ろしい。)
稀和子は、薫を育てながら、不倫相手の薫(恵理菜)の父のことは忘れていったかもしれない。しかし、恵理菜の生みの母は、彼女が帰ってきたが、稀和子つまり夫の不倫相手のことを母として思い出しているようなので、もう我慢しりれないのだろう。
恵理菜の父がいつも母をなだめているが、この父も不倫相手が自分の子供を誘拐したことが世間にばれて、職も失っている。まぁ、もともとこの父が悪いとは言え、一家は精神的にもうめちゃくちゃ。
大学生になっている恵理菜に雑誌のレポーターが当時のことをどう思ってるか?と聞きにくる。このレポーター千草の役、小池栄子。最初嫌な奴だなぁと思った。恵理菜もそう思っただろう。でも、千草は、エンゼルハウスで薫と遊んでたと言っている。そして、千草がいたから、恵理菜は小豆島にももう一度訪れることができた。そういう意味では、大切なキャラクターだ。
恵理菜が妊娠。それも不倫相手の子を・・・恵理菜は、小豆島を訪れて、小さかったころの楽しかった思い出を思い出して、前からここにもう一度来たかったんだ!と再確認した。自分の今までの人生で一番楽しかったとき・・・それが、恵理菜にとって小豆島で稀和子と過ごした日々だったのだろう。
恵理菜は、もう既に不倫相手とは別れたが、子供は生むことを決心。「今、もうこの子が可愛い!」と、お腹の子のことを言ったのがとても印象的だった。
ここに来たことで、実の母と暮らしていた辛かった日々、それに押さえつけられてペチャンコになってた大切なものが蘇った!!!という感じだったのかもしれない。すごく前向きになった恵理菜を見てうれしい気がした。
恵理菜の本当の母は、もしかしたら稀和子なのかもしれないと思った。
それにしても男の影の薄い作品でした。(恵理菜の不倫のお相手、岸田の役は劇団ひとり。なんかちょっと気の毒な役でした。)
点数を付けるとしたら 85点