Noriko-McLane Movie Blog

自分の見た映画の感想を気ままに綴っています。
ネタバレの可能性もあるので、まだ見てない方はご注意下さい。

源氏物語 ー千年の謎ー

2012-06-26 | Weblog
源氏物語ー千年の謎ー

去年(2011年)12月に公開の映画。6月22日にDVDが発売された。

紫式部と藤原道長のいる実際の世界と源氏物語の中の世界が交互に出てくるのはおもしろかった。どちらかというと、藤原道長の出てくる世界の方が、興味があった。源氏物語の方は、まるで学芸会。配役も良くない。
まず、葵の上の役が多部未華子であったこと。葵の上と言ったら、光源氏の本妻だが年上であり、いつも源氏には冷たい態度で接している美人!!・・・・・もう少し、ツンとした美人さんにこの役やってほしかったです。
それに、どの御姫さまも棒読みのようなしゃべり方。これは、平安時代の言葉の感じをあらわすためにそのようにしているのか??
最悪だったのは、藤壺(三木よう子)この映画の中では源氏(生田斗真)の次に重い役柄。もう少しなんとかならなかったのか。

それに比べて、紫式部や道長の出てくる世界はまだ見られた。配役も道長が東山紀之、紫式部が中谷美紀、阿倍晴明が窪塚洋介と源氏物語の配役よりはだいぶベテランぞろいで見やすかった。(阿倍晴明だけが両方の世界に出てきた。)


私が、この映画をよく理解できていないのかもしれないが、なんか中途半端なところで「源氏物語」が終わってしまったように思った。ここで、紫式部が京都を去ることになるから終わってしまうのかもしれないけど、源氏物語の方は、まだもう少しあってもよいのにと思った。(「紫の上」の出てこない源氏物語??)

結局、この映画は藤原道長の身勝手さを語ろうとしてるのかな?もう一つよくわからない映画でした。まず、映画の初めのシーンが・・・・・紫式部が夜一人で歩いていると、道長がやってきて無理矢理自分のものにしようとする。そして、抵抗する式部にたいして道長は、「何をしても許される身分」と自分のことを言って、堂々と紫式部を手にかける。こういう男は最悪です。紫式部が抱きたいのなら、そういう言い方せずに「美しいから抱きたいと思った。」とかなんとか言い方があるでしょうが・・・・・道長がっかり(Q_Q)↓
この道長の傲慢さにたいする怒り、満たされぬ思いを紫式部は六条御息所の怨念として描いたということであろうか。

原作は、高山由紀子著「源氏物語 悲しみの皇子」。彼女は、この本の後にこの映画のためにもう一度「源氏物語 千年の謎」と書き下ろし、映画の脚本も書いている。
原作を少し読んでみたが、映画とは又少し違った内容になっていた。もしかしたら、こちらのほうが面白いかもしれないと思った。最初のシーンも少し違うし、・・・本当の源氏物語の中では六条御息所の怨念によって殺されてしまう夕顔(映画でもそのようになっていた。)。それが、原作では、六条御息所が化けて夕顔になっているのだ。六条御息所は地位も教養も屋敷も美貌も何もかもあるのに、源氏は訪ねてきてくれなくなった。それで、貧しくか細い女になろうとしたのだろう。夕顔が死んで源氏は悲しんでいるが、実際はばれては大変と死んだことにして六条御息所が屋敷にもどってくるところなど、読んでいてとても面白かったし、その情景が思う浮かぶ気がした。

原作はなかなか良さそうなんだけど・・・
この映画点数を付けるとしたら50点