傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

事故検証委員会:中間報告・・・・事故・被曝拡大は現場より対策本部の問題

2011-12-27 22:06:28 | 社会

事故調査・検証委員会の中間報告を一見し、事故発生の潜在的要因は原発推進部門であり、事故および事故拡大の起因は現場であり、事故沈静の障害及び被曝拡大の主因は政府対策本部と思いましたね。
事故・被曝拡大は、政府対策本部が情報収集・一元化せず、事故の全体像を推察もせずに、事故現場への後方支援(質・量)もせず、それなり一生懸命に努力したというだけの話ですね。

事故調査・検証委員会の中間報告の会見で、委員長の個人的な所感として、
・当事者は全体像が見えずに部分解に努力し、責任を負わせるのは疑問
・最大の犠牲者は周辺住民の被爆者で、発電所内の出来事より本質的な問題
・想定外で仕方がないは、責任回避と思われる
・組織を整備し、真面目に対応しても本来の目的が機能せず
と、述べていたが、妥当であり、事故後、菅・前首相、枝野・元官房長官らの「知らなかった」「報告がなかった」「初めての経験だった」などの空々しい弁明に接すると、不快になりました。

TBSが、26日、特集番組「報道の日2011」で、福島原発事故が東電から保安院に通報から時系列に再現していました。
内容的には、本ブログ「NHKスペシャル「事故はなぜ深刻化したのか」・・・責任分散、責任不在」で、紹介したNHKスペシャル「事故はなぜ深刻化したのか」と類似した内容でしたが、菅・前首相のインタビューがあることが違いですね。

TBSの番組では、菅・前首相は、

”「安全神話という言葉があるが
根拠のない”大丈夫だ、大丈夫だ”
というやり方を多くの部分でやってきた
そいうことをきちんと備える体制を平時おいてにつくっておかなければならない
」”

”「残念ながら今回の事故に関しては
原子力安全・保安院からこうやるべきではないかと
あーやるべきではないかと
積極的な形で具申されたことがほとんどなかった
」”

”「執務室が相談・判断をする場所になった
これは、私の立場からすれば他がきちっと機能していれば
そこまで直接的にやる必要が無かったでしょうけれども
」”

らの発言しております。事後の奇麗事の自己弁明ですね。

また、菅・前首相が東電・安全委員会・保安院らを信用せず、後日、内閣官房参与に就任した東京工大の同期の北陸先端科学技術大学院 日比野靖・副学長に助言をもとめ、検討の場に同席してきました。
その日比野靖・副学長は、インタビューで菅・前首相について、

”「震災の対策として、やらなければならないことは山ほどあった。
その中で原発の事故対応に全力で注いでいたように思う。
(菅首相に)不足しているのは何かというと、ずっと若い時から政治家としてやってきていて、サラリーマンの経験がない。
組織をどう動かしていくのか十分な経験がないことがあった
」”

と思うと語っていました。

当方は、本ブログ「菅直人首相考:「無私」を意識しているそうだが?・・・「後だしジャンケン・理屈付け」!」で、菅・前首相を、

”「菅直人・伸子夫婦にとっては、社会の歪の問題意識を持っていたが、学業優秀でありながら、社会人スタートが恵まれず、野心・野望を抱いたのは自然でしょうね。
地盤・看板・カバンもなく、市民運動家という市民感覚を強調することで、「菅直人、ここにあり」という上昇志向の気質の政治家・菅直人が形成されていったのでしょうね
。」”

”「菅首相は、野心家であり、批判は出来ても創造力・洞察力が欠如しており、これが面白いと言われれば飛びつくタイプであり、問題が不調になれば責任転嫁するが自分は正しいことを遂行していると疑わない気質で、それ故に、周りには理解できないのかとイラつくのです。
伸子夫人が最大の理解者・支持者であり、伸子夫人から「叱咤激励」が菅首相のエネルギーですね
。」”

と書きましたが、TBSの番組を視聴し、菅直人という人間の特異性が露呈したのでしょうね。

TBSの番組でも、菅・前首相に少し冷静になってほしいと、御前会議に、冷えたペットボトルを用意した場面がありますが、菅・前首相の自分は一生懸命に精励しているという手前勝手な言い分に、皆、萎縮するなり、面倒くさくなり、組織力が活かされなかったのです。

事故調査・検証委員会の中間報告の会見で、委員長の個人的な所感として、
”「当事者は全体像が見えずに部分解に努力し、責任を負わせるのは疑問」”
と述べましたが、本ブログ「原発事故:現地対策本部は想定外の行動するのも責務」で、
”「朝日新聞の紙面記事『使えぬ原発マニュアル』、『「現場で対応」誤算 原発マニュアルの指揮所 機能不全』では、より詳細に報じていますが、総括することは当然であるが、想定外といえども、対策本部の初動の混乱、情報隠蔽の責任は免れないですね。

マニュアルなど想定の話であり、事故現場は想定外の連続の火急事案の沈静実務が責務であり、現地対策本部が想定外で機能発揮できなったなどは自己弁護の職務怠慢としか思えないですね。
想定外であれば、想定外の行動(現場に直行し、現場で機能を発揮すれば良く、現場への後方支援)すればいいからです
。」”
と書きました。

この度の原発事故は、事故発生の潜在的要因は原発推進部門(原子力ムラ)であり、事故および事故拡大の起因は現場であり、事故沈静の障害及び被曝拡大の主因は政府対策本部(菅本部長)と思いましたね。

最高権力者に、不適格の人間を選出したことが国民に不幸をもたらしたのです。



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