傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

再生法申請した商工ローンのSFCGと日本振興銀行との関係?

2009-02-24 07:45:52 | ビジネス
再生法申請した商工ローンのSFCGは、昨年、多額の債権を「日本振興銀行」に一括譲渡しており、日本振興銀行は、短期間に貸出残高を増やしており、不良債権のみがSFCGに残ったのではないかと思われ、また、日本振興銀行には、平将明衆議院議員が関与しており、何か胡散臭いですね。
また、銀行が貸さない中小企業への貸付のありかたは、難しいことも事実で、貸さないのが悪いのか?、ノンバンクから高利で借りるのが悪いのか?、取立てが悪いのか?難しいが、問題は地域密着金融機関のあり方なのでしょうね。


2008年12月20日号発刊の「週刊ダイヤモンド」の「日本振興銀行」の記事「最高益更新を下支えする 商工ローンから債権買い取り」に、「金融危機のなか、日本振興銀行は中間決算で経常利益87億と最高益をこうした。それを下支えするのが、商工ローンからの多額の債権買い取りだ。だが、法律に抵触する恐れもある。」とあります。

記事では、SFCGは2007年7月末時点でリーマン・ブラザーズグループから約734億の資金を調達していたが、2008年9月18日には、約53億まで減らしている。
リーマンへの返済で資金繰りが苦しくなり、常軌を逸した貸し剥がしの実例を記載しております。
一方、日本振興銀行は、2008年9月末における融資取引先は4万7919件で前年比3.3倍、貸出残高は1907億で前年比5.8倍に急伸しているが、貸出残高にはSFCGから買い取った残高が含まれいる。

記事では、5/29に100億、 6/10に30億(累計で130億) 7/31に50億(180億)、8/27に30億(210億)、8/28に15億(225億)、 8/29に15億(240億)、9/22に122億(362億)、10/8に100億(462億)、10/24に30億(492億) 10/29に290億(782億)で、10回の債権売買で、5ヶ月で782億円の債権がSFCGから日本振興銀行に渡ったと記述されています。

そして、SFCGの元社員が日本振興銀行に中途採用され、SFCGの得意技は、回収の際に、顧客の売掛金を押さえる手法で、日本振興銀行も返済が滞ると、すぐに売掛先に通知する手法を実施しているとし、「日本振興銀行は、免許は銀行だけど、やっていることはノンバンク。ロプロ(旧日栄)が凋落しSFCGが店じまいを考えるなか、いまや日本振興銀行は『日本最大の商工ローン』じゃないか」とSFCGの元幹部の声を紹介しています。

SFCGの再生法関連に関わる内容は、インターネットで多数ヒットし、出来レースの「茶番」と断定しているブログもありますが、当方が問題と思うのは日本振興銀行ですね。

日本振興銀行は、金融庁金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム(通称竹中チーム)のメンバーを務めた木村剛氏が設立にかかわり、社長に就任し、内紛で現在は会長に就任しており、中小企業向けの融資、一般顧客の定期預金専門の銀行で、金融庁の分類では、「新たな形態の銀行等」として、位置付けられている。
木村剛氏は竹中平蔵氏と新自由主義コンビで、「サンデー・プロジェクト」に出演して怪気炎を上げていたこともありますね。

日本振興銀行は、Wikipediaによると、

”『2003年2月12日、社団法人 東京青年会議所(東京JC)が第一ホテル東京で開催した例会で、パネリスト木村剛が「20億円集めれば銀行をすぐに作れる。」と発言したことで、東京JC入会希望者として出席していた消費者金融の資金元である卸金融を手がけていたノンバンクオレガの落合伸治が控室の木村を訪ね、すぐ20億円用意し「中小新興企業融資企画株式会社」を立ち上げ銀行設立に向け準備をした。
その段階で2003年度東京JC理事長が銀行設立計画に便乗し、さらに理事長周辺の一部の会員を含む東京JC会員約90人から1億円を集める。同年8月20日に予備免許申請が金融庁に受理され、同日夕刻「日本振興銀行設立」記者会見が行われ、理事長も出席したことで以降、新聞や雑誌など多くのメディアで「東京JCが新銀行をつくる。」と事実に反する報道がされることとなり、東京JC事務局にはOBからの苦情や一般からの問合せが相次いだ。2日後の8月22日、理事長は「公益法人は営利企業の設立はできない。個人の立場で記者会見に臨んだ。」と東京JCメルマガを通じて見解を明らかにした。
その後、設立資金20億円出資者の設立発起人で社長に就任していた落合は、木村や東京JC理事長を含む役員らに銀行を解雇され、木村を告発した。』”

とあるように、中小企業を対象に無担保で第三者保証不要の融資を主に手掛けていくが、一般の銀行に比べて高利(従来の銀行と商工ローンの中間の、年利5%~15%程度)でのビジネスを指向したが、東洋経済の「貸金債権買いあさる日本振興銀行のナゼ」、ダイヤモンドの「中小企業の救世主”日本振興銀行が展開する債権買取ビジネス」にあるように、ノンバンクに活路を見出したに過ぎず、それも改正貸金業法で、苦境になったSFCG(旧商工ファンド)、ロプロ(旧日栄)、三和ファイナンス(消費者金融)らの債権を買い取り、業績を伸ばしているに過ぎない。

前述の「週刊ダイヤモンド」の「日本振興銀行」には、日栄・商工ファンド対策全国弁護団の弁護士が「・・・・日本振興銀行はグレーゾーン金利まで回収するつもりだったのか。サービサーにさえ許されないことをサービサー免許なしに行なうのは法に触れる疑いがある」という発言を紹介し、法務省の見解「一般論として、弁護士がつくなど争いになっている債権を買うのは、サービサー法に触れると考えられる」と記述しています。

そのグレイな日本振興銀行に、平将明衆議院議員が創業メンバーの1人で、現在も社外取締役についています。
「週刊ダイヤモンド」は、平将明衆議院議員にインタビューしており、引用すると、

「ーーー中小零細企業金融勉強会を自民党内に立ち上げた理由は?。
 机上の空論でつくられた経済政策のツケが中小企業に回っている。
 ・・・・・・・・
 今の行政はあるべき方向の逆を行っている。
 (貸金業者に対する)上限金利規制でノンバンクがいなくなり、次にサブプライ
 ムローン問題で外資がいなくなり、銀行以外の貸し手がいなくなった。
 ・・・・・・・・
 ーーー振興銀がSFCGから多額の債権を買っているのはなぜか?。
 ミドルリスク向け融資する金融機関がほとんどないなか、さらにノンバンクが
 規制されたので、中小企業は苦境に瀕している。
 そこで振興銀の社会的使命として、ノンバンクの貸付先のうち、救えるところは
 救おうとしているのだ。
 ノンバンクから借りた企業の3割は、ミドルリスク向け融資でカバーできる。
 ・・・・・
 ーーー振興銀では借り手の売掛先へ通知する回収方法をおこなっているが、問
題はないのか?。
 若干のクレームがきているのは事実だ。
 売掛金を押さえるのは借り手の営業への悪影響があり判断が悩ましいが、契約
の中身をよく説明して(それでも借りるかどうか)借り手に判断してもらうし
かない。」

と記載されております。
「週刊ダイヤモンド」は、普通の銀行から借りられないミドルリスクの中小企業に融資しようとする日本振興銀行の志が良いが、売掛金を即押える回収方法で、”中小企業の味方”といえるかどうか疑問を呈していますね。


新東京銀行の業績が低調は借り手の現実を見ずに機械的な審査での融資で不良債権がでるのは当然であるが、日本振興銀行は、社会問題で改正貸金業法により経営苦境になったノンバンクの債権買取で業績をのばしているおり、最大のノンバンク(街金)に過ぎず、社会的使命など空々しいですね。
竹中平蔵氏のご贔屓の木村剛氏の日本振興銀行は、街金に成り下がったが、最大のノンバンクになりつつあるのも才覚かな。
ただ、社会問題になったSFCGらの良いところ取りした日本振興銀行に、国会議員が関与しているのはいただけないですね。


無担保での貸付は、正直、難しい問題と思っています。
浪花金融道?が漫画、TVになりましたが、「高利で貸したほうが悪いのか?」、「高利でも借りたほうが悪いのか?」、「悪戯な回収手段が悪いのか?」、「返せない借り手がわるいのか?」・・・・一概に言えない部分があることです。

当方も、現役時代に、関係先の要請でロプロの連帯保証人になったり、SFCGの回収方法も身近にみてきました。
一時つなぎ資金調達で、街金の存在は理解できますが、正直、無担保での貸付は、貸し手も、借り手も考え物です。
貸し手は、借り手の人物、借りる背景を精査すべきで、連帯保証制度(代理弁済)は無用なり限度を設けるべきと思っています。
経験的に言えることは、借り手の人物評価と事業性の判断抜きでの貸付はありえないと思いますね。



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