傍観者の独り言

団塊世代で、民間企業で「チンタラ・グウタラ」に過ごした人間の手前勝手な気儘な戯言・放言。

反TPP団体の代表世話人の宇沢弘文・東大名誉教授と小沢一郎氏の国家観

2011-02-26 09:07:25 | 国家の計

TPPに反対する国会議員が「TPPを考える国民会議」を設立し、代表代理人に経済学者の宇沢弘文・東大名誉教授を迎えたと報道あり。
当方は、性急な「バスに乗り遅れるな」のTPP参画には反対であり、宇沢弘文・東大名誉教授の提言に共感しています。

当方は、本ブログ「TPP開国:内橋克人氏の大局観のある講演・・・啓発される」で、宇沢弘文・東大名誉教授の論文を取り上げました。

改めて、農業協働組合新聞に寄稿の宇沢弘文・名誉教授の論文『【特別寄稿(上)】菅政権のめざすことと、その背景』、『【特別寄稿(下)】菅政権のめざすことと、その背景』を紹介します。

宇沢弘文・名誉教授の提言は、農業・農村を社会的共通資本と位置づけした論調であり、当方と波長があいます。
当方は、リーマンショック後、2年前に、本ブログで、

”「国民が安心・安全で暮らせる社会は、まずは、第一次産業が国の基幹と思っております。
温暖化で環境破壊が進行しても、石油が枯渇するエネルギー問題が深刻化しても、食糧危機が最悪の事態になろうとも、自給自足で最低の生活ができることことが第一で、第二は、社会保障制度の充実での安心さで、その上での自由競争社会”という国造りが必要で、人材育成が肝要と思っております
。」”

”「この(リーマンショック)危機を契機に、新たな国家100年の計を策定し、自給自足で国民が最低の生活ができることことが第一で、第一次産業を再生させ、第二は、社会保障制度の充実での安心さで、その上での自由競争社会という低成長路線で外的要因に左右されにくい安定経済の新しい国造りをすべきと思っています。」”

と書きました。

リーマンショックは、戦後のアメリカ主導の金融資本主義の歪とし、世界は激変すると予想しました。
中国が超大国へ成長と同時に、中国の暴食は「地球環境を破壊」する危険性があり、資源をもつ新興国は民族主義が台頭するとし、アメリカの影響力は減退し、世界が多極・無極化の潮流に、日本は新たな「国家の計」が不可避と直感しました。
戦後の日本のアメリカ追随政策は、正解であり、経済大国になったが、戦後65年経過し、アメリカ主導の影響力が減退した時下に、アメリカ国策のTPP参画には疑問です。

当方は、生成発展には新陳代謝が不可欠で「破壊と創造」を繰り返ししながら、世の中、安定になると考えであり、グローバルとローカルのバランスが肝要で、ローカル心情とグローバル感覚のもつ「人材育成」が日本再生への最優先課題と思っております。
グローバルとローカルのバランスとは、小沢一郎氏の言われる「自立と共生」に繋がると思っています。
ローカル心情は、日本の原風景で育み、郷土愛(愛国)に通じるものであり、日本の原風景は農村・里山にあり、グローバル感覚は、世界観であり、世界から日本を眺められるセンスですね。

本ブログ「TPP開国問題:農業改革は不可避であるが、農業の産業論には違和感」で、植草一秀氏のブログ『GDP比で農業を切り捨てる前原誠司氏の浅薄さ』を紹介しました。

植草一秀氏は、前原誠司外相のGDP比による農業軽視の発言を批判し、農業の重要性は経済的安全保障上の理由だけに基づかないとし、最も重要な視点は「国土の保全」であるとし、小沢一郎氏が昨年9月14日の民主党代表選最終演説での、

”「私には夢があります。役所が企画した、まるで金太郎あめのような町ではなく、地域の特色にあった町作りの中で、お年寄りも小さな子供たちも近所の人も、お互いがきずなで結ばれて助け合う社会。
青空や広い海、野山に囲まれた田園と大勢の人たちが集う都市が調和を保ち、どこでも一家だんらんの姿が見られる日本。
その一方で個人個人が自らの意見を持ち、諸外国とも堂々と渡り合う自立した国家日本

そのような日本に作り直したいというのが、私の夢であります
。」”

を紹介し、
 
”「小沢一郎氏が強調した、「お年寄りも小さな子供たちも近所の人も、お互いがきずなで結ばれて助け合う社会。青空や広い海、野山に囲まれた田園と大勢の人たちが集う都市が調和を保ち、どこでも一家だんらんの姿が見られる日本の価値を私達は軽視するべきでない。」”

と、小沢一郎氏の国家像に賛同しており、当方も賛同しますね。
小沢一郎氏の掲げる」自立と共生」の社会は、宇沢弘文・東大名誉教授の論調と相通じるものを感じますね。

一方、菅政府は、TPP推進に、3月下旬まで全国9カ所で開く「開国フォーラム」の概要を発表。
「The JOURNAL」の『TPP反対派に押される「開国フォーラム」とは?』によれば、担当部門は「形」を作るのに苦労している様子ですね。
マアー、担当者も「宮使い」の身であり、生活の為と割り切って、粛々と仕事をこなしているのでしょうが辛いですね。


3 コメント

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The opening of Japan (noga)
2011-02-27 03:04:59
厚生労働省は2011年1月26日、経済連携協定(EPA)のもとでインドネシアとフィリピンから受け入れた外国人看護師のうち3人が、日本の看護士国家試験に合格したと発表した。
合格したのはインドネシア人2人とフィリピン人1人で、受け入れ事業が始まってから初の合格者となった。しかし残りの251人は不合格となった。全員が母国ですでに看護師の資格を持っているので、日本語が壁になったとみられる。同じ試験を受けた日本人受験者の合格率は約90%だった。

我々日本人は、英語を通して世界中の人々に理解されている。
かな・漢字を通して理解を得ているわけではない。
我が国の開国は、英語を通して日本人が世界の人々から理解してもらえるかの努力に他ならない。
我が国民のメンタリティを変えることなく、ただ、法律だけを変えて交流したのでは、実質的な開国の効果は得られない。
鎖国日本に開かれた唯一の窓ともいうべき英語を無視すると、我が国の開国も国際交流もはかばかしくは進展しない。
この基本方針にしたがって、我々は耐えがたきを耐え忍びがたきを忍んで、万世のために太平を開く必要がある。

英米人は、「我々は、どこから来たか」「我々は、何者であるか」「我々は、どこに行くか」といった考え方をする。
我々日本人にしてみれば、奇妙な考え方であるが、彼らにしてみれば当然の考え方になる。
それは、英語には時制というものがあって、構文は、過去時制、現在時制、未来時制に分かれているからである。
3時制の構文は考えの枠組みのようなものとなっていて、その内容は白紙の状態にある。
その穴埋め作業に相当するものが、思索の過程である。

ところが、日本語には時制というものがない。
時制のない脳裏には、刹那は永遠のように見えている。
だから、構文の内容は、「今、ここ」オンリーになる。新天地に移住する意思はない。
思索の過程がなく能天気であるので、未来には筋道がなく不安ばかりが存在する。
TPPの内容に、行き着く先の理想と希望が見出せないので改革の力が出ない。

必要なものは自分で手に入れるのが大人の態度である。
だのに日本人には意思がない。それで、意思決定はできない。無為無策でいる。
常に子供じみた他力本願・神頼みとなる。
意思がなければ、意思疎通もはかどらない。それで、察しを遣う。
だから、日本人の独りよがり・勝手な解釈は避けられない。

問題を解決する能力はないが、事態を台無しにする力を持っている。
だから、我々日本人は、自重に自重を重ねて、常に事態を静観する必要に迫られていた。
我々は、変わらなくてはならない。

http://koshin.blog.ocn.ne.jp/koshinblog/2011/02/nago_7890.html

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Unknown (どうも)
2011-03-03 04:12:58
TPPて農業だけの問題じゃないのになぜ農業だけとりあげらるのだろうか
ほぼ全ての部門の自由貿易しようって話だから
もちろん労働者もそうだし
日本のGDPは上昇するとおもうけど、日本の一人当たり所得は減少するかもしらん
マスコミは農業だけ取り上げてるけどコンファレンスの文章とか読んでないのかね
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相殺関税の導入を (竹田 逸郎)
2011-03-07 19:49:50
宇沢先生の「自動車の社会的費用」は小生の「人類の未来に関する仮説」(2000年土曜美術出版販売㈱)に引用させていただきました。また小生の「人類と国家をめぐる仮説」(2009年㈱文芸社)では、関税自由化より相殺関税制度を導入することを提案しています。世界には森林国や農業国等の個性のある国が必要です。全部が工業国になっては困ります。そのためには当事国同士間で相殺関税制度を利用する方がよいと思います。
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