傍観者の独り言

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ブログ「低線量被曝のリスクを訴えたNHK番組を原子力村が抗議」・・・集団力?(追記)

2012-01-29 21:22:32 | 社会

ブログ「カナダde日本語」様のエントリー『低線量被曝のリスクを訴えたNHK番組に原子力村が抗議』で、昨年12月28日報道されたNHK番組「追跡!真相ファイル : 低線量被ばく 揺らぐ国際基準」に、原子力ムラの面々からNHKへ抗議と要望の手紙が届いたそうだと書いております。

「カナダde日本語」様は、ブログで問題になったNHK番組の動画を張り付け、松本正之・NHK会長への「抗議と要望書」【代表 金子熊夫(エネルギー戦略研究会(EEE会議)会長、宅間正夫(日本原子力シニア・ネットワーク連絡会会長)、林勉(エネルギー問題に発言する会長)賛同者112名】を紹介しています。

問題のNHK番組「追跡!真相ファイル : 低線量被ばく 揺らぐ国際基準」の番組紹介すると、
”「“生涯100ミリシーベルトとされる被ばくの基準で、本当に健康への影響はないのか?”
福島をはじめ、全国の人々が現実に直面している放射能の脅威。
国は「直ちに体への影響はない」と繰り返すばかりだ。
その拠り所としているのが、ICRP(=国際放射線防護委員会)の勧告。
広島・長崎の被爆者の調査データをベースに作られ、事実上の国際的な安全基準となっている。

しかし関係者に取材を進めると、1980年代後半、ICRPが「政治的な判断」で、被ばくでガンになるリスクを実際の半分に減らしていた事実が浮かびあがってきた。
当時ICRPには、原子力産業やそれを監督する各国の政府機関から、強い反発が寄せられていたのだ。
そしていま、世界各地で低線量被ばくの脅威を物語る、新たな報告や研究が相次いでいる。

アメリカでは原発から流れ出た微量の放射性トリチウムが地下水を汚染し、周辺地域でガンが急増。
25年前のチェルノブイリ原発事故で、大量の放射性セシウムが降り注いだスウェーデンでは、ICRP基準を大きく上回るガンのリスクが報告されている。
いま、誰もが不安に感じている「低線量被ばく」による健康被害。
国際基準をつくるICRPの知られざる実態を追跡する
。」”
と紹介しています。

このNHK番組については、池田信夫氏が、放送の翌日の昨年12月29日に、ブログ『NHKの放射能デマ「低線量被ばく 揺らぐ国際基準』で、
”「線量基準は普段は大した問題ではないが、現在のような「有事」になると、除染ひとつをとっても1mSvか20mSvかで兆円単位の差が出る。NHKが追及すべきなのは、つまらない歴史的経緯ではなく、このような不合理な規制を放置して納税者に数兆円の負担を強いるべきなのかということだ。」”
と批判し、更に翌日の30日、ブログ『BPOはNHKの捏造を調査せよ*』で、学習院大学の田崎晴明氏の番組批判を紹介し、番組におけるICRPのクレメンス科学事務局長は、インタビューに答えてる場面は、誤訳ではなく捏造であるとし、BPOはNHKの捏造を調査せよと書いており、本ブログで紹介したが、池田信夫氏が、「JPpress」に寄稿『メディアの大騒ぎが作り出す原発の「危険神話」過剰報道が風評被害と2次災害を拡大する』でも同様に同番組を批判していました。

この度のNHKへの抗議と要望書は、池田信夫氏のブログ内容と類似しておりますね。
当方は、番組が捏造か、ディレクターの偏向かコメントできませんが、国際基準がどうであろうが、低線量内部被曝を軽視・無視する論調には疑問を感じています。

この低線量被曝を軽視・無視する論調を批判してきた肥田舜太郎氏について、本ブログ「朝日新聞の『プロメテウスの罠』:内部被曝の真髄(生き証人)へ!」の「追記」で、肥田舜太郎氏&岩上安身氏との対談を紹介し対談を一読すれば、過去を否定できない原子力ムラ社会の存在を否定できませんね。
この度のNHKへの集団抗議は、原子力ムラの面々も、過去を否定すれば現在の生活(既得権益)を捨てざるをえず、諸先輩から抗議の声を掛けられれば拒否しにくく、抗議メンバーに名前を連ねている側面も推察できますね。

素人にとって、内部被曝の危険性を理解には、元東電、内科医の小野俊一氏のブログ「院長の独り言」のエントリー『やましろ病院での講演会「フクシマの真実と内部被曝」』の講演会の動画でしょうね。

当方は、低線量内部被曝を「複合汚染」の増大と見るべきで、自然界の摂理に従順であるべきと言う考えです。
除染での効果を全否定しないが、除染は移染に過ぎず、放射能汚染には自然消滅しかなく、この環境では、人間の自然治癒力・解毒力を保持するしかないという考えですね。

「追記」

本件について、その後、2月1日、池田信夫氏は、自身のブログ『NHKは低線量被曝について正しい番組を放送せよ』で、自分の意見は、NHKへ抗議と要望した原子力推進の団体と同じとし、NHKに正しい番組を放送せよを書いていますね。

一方、2月3日、武田邦彦・中部大学教授は、ブログ『原子力をダメにする原子力関係者・・・自らを否定することになる・・・』で、
”「NHKがICRPの決定をどのように伝えたかではなく、ICRPは任意団体であり、日本は国家として被曝限度を決めており、さらに原発関係者はみずからその規則を適応してきたという「自分自身のこと」言動の一致について深く考えて貰いたいと思います。」”
と、抗議した団体メンバーには、過去の言動の自省を促していますね。

当方は、低線量被曝の危険性を経済面から軽視・無視する論評には共感できないですね。




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