八朔や転職せしと子の便り たけのり
夏草や紙ひこうきのゆらぎ落つ まき子
花茣蓙やぐんぐんと児は這ひ出せり タミ子
最後まで頑固通した鰻丼 しげを
自転車の前後に子ども酷暑たり ゆう子
八朔の朝の賑はい小豆飯 悦子
吠ゆる日の大地のしじま草田男忌 秀子
硯洗ふ陸の窪みを撫でながら たけのり
八朔や農捨てし人農語る みよ子
ひぐらしや予定重なるひと日明く イチヨ
地球より重き命よ蝉時雨 まき子
しがみつく蝉一匹の命かな しげお
悠々と雲の影ゆく青田かな 悦子
意をこめてデモ最後尾汗まみれ しげお
八朔や赤き飯炊く農休日 タミ子