4年ほど前、状況的に難しい時期で、毎晩枕が涙で濡れていた。
ある晩、風に揺れる窓の外の木々を見ていると、自身の奥底から、不思議な感覚がふつふつと湧き出てくるのに気がついた。その感覚はやがて炎のように体中を駆け巡る、まるでそれまでの自分を焼き尽くすかのように。
その感覚を言葉で表すのなら「感謝の集積」といったようなもの、「爆発的な喜びであり幸福」のようなもの。涙はいつしか歓喜の涙に変わっていった。
絶望的にも思える自身の置かれた状況で、喜びの涙にあふれている自分がいた。
そんな体験をしてしばらくのこと。大手ホールセールの店で、まだ赤子だった三女をあやしながら本売り場を通り過ぎようとしたとき、一冊の本が目に入った。同じ向きに均等に積まれた何冊もの本の上に、その本だけ斜めにポンと置かれてあった。何気なく手にとってみる。周りを見、その本が積まれた箇所を探してみても同じ本は見当たらない。その店で売られている本にはその店の名前や値段のついたシールが貼ってあるのだけれど、青いカバーのどこにもそのシールが見当たらない。
誰かが置き忘れていったのかもしれない、そう思った。
レジで「この本この店のものではないのかもしれないのだけれど、もし売り物なら買いたい」と差し出すと、店員たちは首を傾げながら値段のついたシールを探している。試しに本自体のバーコードを機械に読ませてみると、ピッという音とともに「7ドル」という数字をはじきだした。
こうして手にしたのが、
“I Heard God Laughing” by Hifiz
Hifiz(1325/26–1389/90)はペルシアの詩人、イスラム神秘主義スーフィーの修行者。
この詩集には喜び溢れる詩が並んでいる。希望や喜びに満ちた詩、なんて能天気な人なのだろうとあきれるほどの。
このブログの『引用』にも一度載せたのだけれど:
I am happy even before I have a reason.
I am full of Light even before the sky can greet the sun or the moon.
(引用終わり)
私は理由ある以前でさえ幸福である
空が太陽や月に挨拶する以前でさえ私は光に満ち溢れている
この詩を読むと、あの歓喜の涙に溢れた夜を思い出す。
幸福であることに理由などいらない。
日々、瞬間瞬間に、あの歓喜の源に戻る。
幸い、あの夜以来、周りの状況は改善していった。
まずは内に。外の状況は、内の状態の表れとして後からついてくるのかもしれない。
ある晩、風に揺れる窓の外の木々を見ていると、自身の奥底から、不思議な感覚がふつふつと湧き出てくるのに気がついた。その感覚はやがて炎のように体中を駆け巡る、まるでそれまでの自分を焼き尽くすかのように。
その感覚を言葉で表すのなら「感謝の集積」といったようなもの、「爆発的な喜びであり幸福」のようなもの。涙はいつしか歓喜の涙に変わっていった。
絶望的にも思える自身の置かれた状況で、喜びの涙にあふれている自分がいた。
そんな体験をしてしばらくのこと。大手ホールセールの店で、まだ赤子だった三女をあやしながら本売り場を通り過ぎようとしたとき、一冊の本が目に入った。同じ向きに均等に積まれた何冊もの本の上に、その本だけ斜めにポンと置かれてあった。何気なく手にとってみる。周りを見、その本が積まれた箇所を探してみても同じ本は見当たらない。その店で売られている本にはその店の名前や値段のついたシールが貼ってあるのだけれど、青いカバーのどこにもそのシールが見当たらない。
誰かが置き忘れていったのかもしれない、そう思った。
レジで「この本この店のものではないのかもしれないのだけれど、もし売り物なら買いたい」と差し出すと、店員たちは首を傾げながら値段のついたシールを探している。試しに本自体のバーコードを機械に読ませてみると、ピッという音とともに「7ドル」という数字をはじきだした。
こうして手にしたのが、
“I Heard God Laughing” by Hifiz
Hifiz(1325/26–1389/90)はペルシアの詩人、イスラム神秘主義スーフィーの修行者。
この詩集には喜び溢れる詩が並んでいる。希望や喜びに満ちた詩、なんて能天気な人なのだろうとあきれるほどの。
このブログの『引用』にも一度載せたのだけれど:
I am happy even before I have a reason.
I am full of Light even before the sky can greet the sun or the moon.
(引用終わり)
私は理由ある以前でさえ幸福である
空が太陽や月に挨拶する以前でさえ私は光に満ち溢れている
この詩を読むと、あの歓喜の涙に溢れた夜を思い出す。
幸福であることに理由などいらない。
日々、瞬間瞬間に、あの歓喜の源に戻る。
幸い、あの夜以来、周りの状況は改善していった。
まずは内に。外の状況は、内の状態の表れとして後からついてくるのかもしれない。
「はっ!」っとして、見渡すと自分が手にしている幸福が見えたり、立ち直る力が出て来たり。。。何かが変わった訳じゃないのに。
私はそういうのって「気づき」じゃないかなって思います。
きっかけが、本であったり誰かの言葉であったりして。
それにしてもその本は本当に売り物だったのかな?不思議な縁だね。
パンダも素敵な本に出会いたいです!
言葉との出会いと言うのはありますよね。
「心の外からでないものは何一つない」
これは僕の好きな言葉です。中にあるものは
世界に反映されると思います。
最近本当にそう思います。正直すぎて周りから疎まれることもありますが、要はバランスの学び方ですよね。どれだけ良いことでも秘密にできるか。(悪いことはなおさら)
やっぱり
「良いことは知られぬ様にやりなさい」
という言葉と
同じことでしょうか・・・
こういった瞬間、本当にありがたいです。
それまでの枠組みがパッカ~ンとはずれたような感覚。本や言葉や、周りの状況が関係あることもあれば、全く関係ないこともあり、そしてその瞬間から後は世界も全く違って見えて。Kazumiさんの言う「気づき」、確かにこういったことなのかもしれないね。
ホント不思議な出会いをした本でした。コス○できちんと担当の人と話をすれば売り物だったのかどうかわかったのだろうけれど、謎のままです。体験と、本との出会いと、不思議なことってあるんだなと思ってます。個々人には一つ一つの不思議に意味づけしてストーリーを創り出す自由があるのでしょうね。
シェアしてくれてありがと~。
いい本と出会えたときの喜び、大きいですね。パンダさんにいい出会いがありますように!
>中にあるものは世界に反映される
そういった面があるのだと体験を通して感じてます。まずは内に築いていく、すると外へは自ずと築かれていく、そんな面がありますね。「自ずと築かれる」は何もしないわけでなく、身体もそうなるように動いていく、ということなのだと思ってます。
>正直すぎて周りから疎まれることもありますが、要はバランスの学び方ですよね。
何を言って何を言わないでおくか、私も本当に難しく感じてきました。なんと「失言」の多かったことか! この年になってようやく、少しずつですが、ハーモニーを生み出しつつ自分に正直である言葉を紡げるようになってきました。話し言葉の速さではまだまだです。もうしゃべらないほうがいいかも、と思うことも。(笑)
悪いことは、口にしないほうがいいかもしれないですね、できる限り自分の中で処理するようにして。自分にとっての良いことは自分のこととせず還元するようにするとうまくまわっていくのかな、と感じてます。
>「良いことは知られぬ様にやりなさい」
人にとってよいことを誰にも知られぬようにしている人の笑顔は、本当にうっとりする美しさですね。
よっしーさんが感じたり考えたりしていること、いつも楽しく読ませてもらってます。よっしーさんの感性、応援してます。ありがとう!
いつもこの想いでいます
仕事やお金は食べていく為のツールに過ぎない。
どんなにひとから見て恵まれた人がいたとしても、その人の内までは分からない。
その人の内までひっくるめて引き受ける事が出来るならはじめてそこで、羨ましいと思えと
私には沢山の幸せを持っている。数えきれない
今こうやって、マチカさんと遠い距離を隔て交流が出来ているこの時間にも感謝!!
仕事やお金、必要だけれど、それだけではないね。
>どんなにひとから見て恵まれた人がいたとしても、その人の内までは分からない。
本当だね。私はその人の何を知っているというのだろう、と思うよ。自分のことでさえまだわからないのに。
>ひっくるめて引き受ける
自分に対してそうできたとき、相手に対してもできるのかもしれない。
よっちゃんの幸せを祝福!
日本とアラスカで離れて、小中と一緒だった時からまた再びこうして交流できていることに私も心から感謝してます。
本当にいつもありがと~!