自民党考

2007年07月14日 | Weblog
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私なりの自民党考を。

自民党という政党は良くも悪くもプラグマティズムの集合体だったのだと思う。それを支えたのが、官僚組織とアメリカだった。55年の保守合同以来、中央でお金を集める(税金や保険料や企業献金やアメリカの工作基金)→自分たちの取り分を取る→全国に残りのお金を分配する→お金がある内は(高度成長期、バブル期)分配する原資も潤沢にあった。

以上のような構造の自民党の中で息を潜めていたのが安倍をはじめとする、戦前レジーム派だった。戦前レジーム派(清和会系)の特徴はお金集めをしながらも、お金だけが世の価値観ではないという矛盾した考えを持っていた事だ。教育や憲法など理念型の政策に傾倒するのがその特徴である。宏池会の資金源は、電力、鉄鋼など比較的、筋のいい見返りをあまり求めない、基幹産業だった。基幹産業に関係する国民の層は広く、高度成長期にその恩恵を十分に受けた。田中派は、角栄に代表されるように、分配の仕方が上手く、それ故に選挙において地方で抜群の強さを誇ってきた。

宏池会や田中派が自民党の主流だったときは、親(国)は子どもたち(国民)から薄く広くお金集めをしながら、官僚の力を借りて、その金に付加価値をつけた。それによって国民の支持を得たし、政府がお金を少々中抜きしても許してきた。しかし、国自体が高度成長が終わり、十分にお金を集められないし、分配も出来なくなってきた。

そこで台頭したのが、自己責任論の新自由主義の小泉である。お金集めもしません(実際はしているのだが)、分配もしません、という主張に多くの国民が騙された。自民党の金ズルの財界の主流も修正資本主義から、新自由主義に移り、派遣業やリース業、政治に見返りを求めがちな自動車業界などになった。
お金を分配できなくなった自民党は小泉の後継に新保守主義の安倍を総裁に据えた。なぜなら、分配できない政府が国民の支持を繋ぎ止めるには愛国心に訴えるしかないからである。

上納金は収めなさい。しかし、分配はもうしません。それでも国を愛しなさいという小泉、安倍の流れの欺瞞性にどれだけの人が気づくかが、今回の参議院選の趨勢を決めるだろう。

  「安倍政権は何をしてきたか?

   「選挙に行こうよ

   「安倍の軍国主義的政策の問題点」 ― ネットビラをお読み下さい。


【注意】このエントリーは特定の政党や候補者への投票を求めるものではありません