巷では、虫の燻製が大ブレーク!
「この店の虫は最高にうまいぞ」と今日もお店は大繁盛。
さあ、売り切れる前に買い込め、買い込め。
う~ん、謎な設定。
そういえば、以前、虫入りキャンディーがブレークしたような・・・。
『ヘックメック』は、8個のダイスを遣り繰りして合計値をできるだけ大きくし、虫の燻製を誰よりもいっぱい買い込むダイスゲーム。小さな箱の中には、ルールブックのほかには、16枚の虫タイルと8個のダイスだけというシンプルさ。でも、面白さは満載ですから。
ゲームの構造は次のようなバースト系。
・手番では「続行」か「終了」のいずれか好きに選択。
・「続行」すればするほど、利益の増加が見込める。
・「終了」を選択してはじめて利益は自分のものとなる。
・「続行」するには、一定の条件をクリアする必要がある。
・もしクリアできなければ、利益は何も得られず、手番終了。
バースト系なもんですから、手番を続行すればするほど利益の増加も見込める代わりに、リスクも高まるわけでして。『ヘックメック』では、既に選んだダイス目はもはや選べないというルールと、手番続行のたびに振り直すダイスの数が減っていくこと、これでリスクの高まりを表現しております。
加えて、もうひとひねり。
『ヘックメック』で使うダイスには1~5の目と、6の代わりにムシの描かれた目が。虫タイルを獲得するには、最低1個以上はムシの目が出ていること。これが必須条件でして。そして、ムシの目は5点として換算。これがどういうジレンマを引き起こすか。「ムシの目がたった1個かぁ。でも、これを取り分けても5点にしかなれへんしなぁ。うん、別の目を取り分けることにしよう。振り直して、ムシの目が3個くらい出たらラッキーやし・・・」と手番を続行するが、振れども振れどもその後にムシの目は出てこず、結局バーストする羽目に。という具合。つまり、バースト系システムの中に、もう1つ別のジレンマが内在している、というのがこのゲームのアイデア。クニツィーア、さすが。
工夫はこれだけにとどまらず、虫タイルにも。
虫タイルは16枚あって、21~36までの数字が書かれている。ダイスの合計がその数字に達していたらタイルをもらえる。20代前半くらいの数字は容易に達成できるので、そのあたりのタイルから売れ始め、難易度の高いタイルが売れ残る。つまり、ゲームが進むにつれて、徐々に大きい数字にチャレンジしていくように導かれ、盛り上がり曲線は右肩上がりに。この演出がニクイ。
さらに、盛り上がりを演出する要素として忘れてはならないことが。
それは謎のテーマ『虫の燻製』。
なんで虫の燻製やねん? と思うけど、ゲーム中は「頼む、ムシ出てくれっ!」「っしゃあ、ムシ出たー!」「ウォッホー、ムシ4つゲットォー!!」などと、虫はいつでも大人気。この盛り上がりは、やはり『虫の燻製』だからと言ってよいだろう。(ナンチュウ、エエカゲンナ分析ヤネン!)
簡単かつお手軽に盛り上がれる、全体的によくまとまった優等生的な好ゲームといえるのではないでしょうか。他人のタイルを奪えるルールについて、5人以上くらいで遊ぶとゲームがぐだぐだと終わらない点がよく指摘されてますが、それについてはまた改めて。
[data:Heckmeck 2~7人用、Reiner Knizia作]
「この店の虫は最高にうまいぞ」と今日もお店は大繁盛。
さあ、売り切れる前に買い込め、買い込め。
う~ん、謎な設定。
そういえば、以前、虫入りキャンディーがブレークしたような・・・。
『ヘックメック』は、8個のダイスを遣り繰りして合計値をできるだけ大きくし、虫の燻製を誰よりもいっぱい買い込むダイスゲーム。小さな箱の中には、ルールブックのほかには、16枚の虫タイルと8個のダイスだけというシンプルさ。でも、面白さは満載ですから。
ゲームの構造は次のようなバースト系。
・手番では「続行」か「終了」のいずれか好きに選択。
・「続行」すればするほど、利益の増加が見込める。
・「終了」を選択してはじめて利益は自分のものとなる。
・「続行」するには、一定の条件をクリアする必要がある。
・もしクリアできなければ、利益は何も得られず、手番終了。
バースト系なもんですから、手番を続行すればするほど利益の増加も見込める代わりに、リスクも高まるわけでして。『ヘックメック』では、既に選んだダイス目はもはや選べないというルールと、手番続行のたびに振り直すダイスの数が減っていくこと、これでリスクの高まりを表現しております。
加えて、もうひとひねり。
『ヘックメック』で使うダイスには1~5の目と、6の代わりにムシの描かれた目が。虫タイルを獲得するには、最低1個以上はムシの目が出ていること。これが必須条件でして。そして、ムシの目は5点として換算。これがどういうジレンマを引き起こすか。「ムシの目がたった1個かぁ。でも、これを取り分けても5点にしかなれへんしなぁ。うん、別の目を取り分けることにしよう。振り直して、ムシの目が3個くらい出たらラッキーやし・・・」と手番を続行するが、振れども振れどもその後にムシの目は出てこず、結局バーストする羽目に。という具合。つまり、バースト系システムの中に、もう1つ別のジレンマが内在している、というのがこのゲームのアイデア。クニツィーア、さすが。
工夫はこれだけにとどまらず、虫タイルにも。
虫タイルは16枚あって、21~36までの数字が書かれている。ダイスの合計がその数字に達していたらタイルをもらえる。20代前半くらいの数字は容易に達成できるので、そのあたりのタイルから売れ始め、難易度の高いタイルが売れ残る。つまり、ゲームが進むにつれて、徐々に大きい数字にチャレンジしていくように導かれ、盛り上がり曲線は右肩上がりに。この演出がニクイ。
さらに、盛り上がりを演出する要素として忘れてはならないことが。
それは謎のテーマ『虫の燻製』。
なんで虫の燻製やねん? と思うけど、ゲーム中は「頼む、ムシ出てくれっ!」「っしゃあ、ムシ出たー!」「ウォッホー、ムシ4つゲットォー!!」などと、虫はいつでも大人気。この盛り上がりは、やはり『虫の燻製』だからと言ってよいだろう。(ナンチュウ、エエカゲンナ分析ヤネン!)
簡単かつお手軽に盛り上がれる、全体的によくまとまった優等生的な好ゲームといえるのではないでしょうか。他人のタイルを奪えるルールについて、5人以上くらいで遊ぶとゲームがぐだぐだと終わらない点がよく指摘されてますが、それについてはまた改めて。
[data:Heckmeck 2~7人用、Reiner Knizia作]