Niyatsukuのあなろぐゲーム探検隊

ドイツ発信、電源不要な傑作ゲームの数々。
遊びやすくて抜群の面白さ、その謎を追え!

キャント・ストップ

2005年09月06日 | ボードゲーム
ダイスゲームの傑作「キャント・ストップ」。
自分の率いる登山家たちを、他のチームより早く登頂させるゲーム。このゲームで問われるのは「決断力」。勇敢と無謀、臆病と慎重さは紙一重。ボードゲーム界屈指の興奮度。

ゲーム紹介は乱暴にも省略して、興奮を巻き起こすゲームシステムにズームイン。

①11の登頂ルート
登頂ルートは「2」から「12」までの11ルート。これは2個のダイス目の合計値に対応したもの。確率上、「7」が最も出やすく「2」「12」は最も出にくい。そして登頂ルートは、登りやすいほど距離が長く、登りにくいほど距離が短くできている。この設定が興奮を巻き起こすためのインフラ。

②3人の登山家駒と4つのダイス
このゲームでは、山を登るのにダイスを使う。どの目が出るかは運次第。
なのだが・・・それだけでは興醒めなのはもちろんのこと。
プレイヤーの意思が反映されへんゲームなんか、ゲームと呼べへんでぇ。

そこでまず、4つのダイス。
1つでも2つでもなくて4つ。4つとも同時に振って2組のペアを作る。その組合せ方法は自由。これでちょっとは運の要素が軽減されて、あたなの意思が反映されるようになったよね。

つぎに、3人の登山家駒。
ダイス2組のペアから、登るルートを決めてそこに登山家駒を配置。登山家駒は1つでも2つでもなくて3つ。登山家駒が登る3ルートのうち、どれか1つ、ダイスのペアを作ることができればいいのだから、これまた、ちょっとは運の要素が軽減されたよね。

③勝利条件
いち早く登山家3人を登頂させたプレイヤーの勝ち。
1人でも2人でもなくて3人。
これも、運の要素で勝負があっけらかんと決まってしまわないようにする工夫。
あっけなくゲームが終わってしまうのは、フレンチのコースを食べていて、スープを飲み干したら「これで締めです」とコーヒーを出された気分と同じ。

④好きなだけ登り続けられること
このゲーム最大の特徴。
山頂目指して登り続けるか、一休みするか選べる。好きなだけ登り続けてもよいが、もし滑落すれば登った分は台無しに。一休みして確実に山頂を目指すのもよいが、他チームに追い抜かれるかもしれない。リスクとリターンが正比例。登り続けるほどにハラハラドキドキ。

そしてこのゲームが素晴らしいのは、いつでも何となく登り続けられそうに感じさせるところ。それは、運の要素の抑え加減が絶妙なため。

⑤隠れたスパイス
登頂されたルートはもはや登れない。つまり、ゲームが進むにつれ、組合せ可能なダイス目が減っていき、バーストしやすくなっていく。この変化こそが面白さの隠し味。


[data:Can't Stop 2~4人用、Sid Sackson作]

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