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虫干し映画MEMO

映画と本の備忘録みたいなものです
映画も本もクラシックが多いです

上司は思いつきでものを言う(橋本治著/集英社新書)

2005年01月04日 | 
 この本も昨年のベストセラーの中に入っているので、きっと感想・書評いっぱいあるんだろうとは思いながら、BK1の書評すら読まなかった。橋本治に関しては、他の方のご意見を参考にしようとしても無駄って感じいたします。これもハニワ製作会社とかとんでもない設定をしているけど一つ一つの例はわかりやすく、でも本全体のイメージがやっぱり茫漠で、自分でまとめないと入ったものがカケラを残して雲散しかねないありゃりゃと言う本でした。いつもですけど。買ってから半年、感想もほって置いたのはもちろん書きにくかったからです。
 わたくしが読んだのは、上司の発言が権威を持つのは、一つには日本社会に根がらみぎっちりと絡み付いてる儒教道徳が能力と地位をリンクさせて認めさせてしまう。そして「昔の現場」を知っていた人間が「今の現場」の現状を知るより、そこに口を出さねばいかんと思っている。ピラミッド上の組織の上からも下からも風通しが良くなければ、現状に対応できるシステムではありえないのに、いつの間にか上部の組織維持が上司たちの現場と化している。

 まあ、組織ってものは自己増殖が目的化するものだしね。組織外のものには冷たいし。現場だって組織論理に安住しちゃうとこあるしね。

 結局、この本は思いつきでとんでもないことを言う上司やトップダウン以外に何もしなくていい官への対策としては「呆れろ」以外に何も提示してはいない。それから先は自分自身で考えなければいけないのだ。ただ、「わけのわかんないことを無理やり理解しようとせず、呆れてもいい」「上下関係を冷静に乗り越えてもいい」という方向を示してくれることは、結構画期的なんでしょうか?

 そして、今までの組織とか仕事の目的の前提を(世界的にも)変えてしまえ、って言っちゃってる。さらっと。

 変わらなきゃいけないんだけどね、でもどう変えるか、やっぱり自分の頭で考えるのはあたしも含めて大多数は苦手だろうね。誰かにプラン出してもらってああだこうだ言ってるのが楽だしね。ほんとにそこから先は容易ではない。だからこそ、指導力のあるリーダーとかに夢を持ってしまうのだろう。

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