肉魔神

野球と本の備忘録

「野球バカ」書評、第3弾

2010年03月04日 15時52分18秒 | 
「野球バカ」ではPL野球部寮のいじめについても、書かれている。

最たるものは、桑田が卒業した翌年の夏。桑田弟の泉と同学年の選手が、PL教団内の池で死亡した。池にスリッパを投げ込んだ3年生が、2年生部員(Mクンと書かれている)に対し「スリッパを拾ってこい」と命じ、池に入ったMクンが心臓麻痺で死亡したというものだ。

「殺人もしくは傷害致死」などの事件としか思えないが、当時、この件は事故死として処理されたそうだ。

PL野球部の寮といえば、大変ないじめがあった(現在もあるかは不明)ことで有名だ。福留にしろ稼頭央にしろ橋本にしろ、誰もが「金をいくら積まれても2度と戻りたくない」と口をそろえる、無法地帯だったようだ。2001年夏には、元部員が上級生部員から暴力を受けていたとして損害賠償を請求し、野球部は出場停止処分を受けたが、これらも氷山の一角のようだ。

そしてドラフトについて。PL教団のI氏という人物が巨人側から金を受け取っており、暗躍したという。当時の報道では契約金6500万円、年俸480万円とされたが、実際は8000万円、800万円だったという。ドラフト後、早稲田サイドからは飯田監督とO氏という人物が桑田父の元に面会に訪れ「2000万円やるから早稲田に来い」と言われたという。O氏は、プリンスホテルから金を受け取っており、これは4年後に西武へ入団させる計画があったことが窺える。これから10数年後、西武が早稲田大学野球部員や東京ガスに進んだ木村(秋田経法大付)に裏金を渡している事件が発覚したが、さもありなん、という感じがする。

桑田のプロ入り3年目、両親は離婚。母の敏江さんは東京で生活を始めたという。

91年、桑田は「投げる不動産屋」と言われたが、これは姉の夫だったM氏(後に離婚し、警察官と再婚)にだまされたのだと、父は書いている。

桑田父の本に書いてあるすべてが真実だとは思わないが、これまでの半生をかなり赤裸々に書いてあることは事実だろう。読んだ面白さは、数ある野球本の中でも超Aクラスなことは間違いない。

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2 コメント

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カドヤスポーツ (中牧昭二こと南海)
2010-03-04 21:47:22
 やはり、スター選手の裏側にはいろんなことがあるんですね。PL教団も、こんなに金が絡んだ動きをしてるってのは宗教法人としてどんなもんなのやら。まあウソかホントかわかんないけどね。桑田関連なら、併せて「さらば桑田真澄、さらばプロ野球」も読んでみては。私も読んだことないけど。

 それはともかくとして、おかわりについては本当に本当に本当に同情します。ウソじゃなくって。自打球顔面って。
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ワッペ (肉魔神)
2010-03-07 13:19:05
PLに限らず、宗教法人が税金を払わなくてもいいという日本の税制はおかしいと思います。でも、公明党が一定の議員数を維持してキャスティングボートを握っている現状では、どの政治家も言い出せないのでしょうが。

中牧本は発売当時に立ち読みしたけど、久々に読み返したいです。

おかわりは、残念。やはり、浮力をつけるためボールを下を叩く打法なので、ある意味避けられない事故かもしれませんが。
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