俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

苔の里 @ 小松市日用町

2015年06月17日 15時57分24秒 | 時系列でご覧ください

英語表記のことわざである
" A rolling stone gathers no moss " ( 転がる石に苔むさず )
をイギリスでは、「 職業や住まいを転々とする人は成功できない 」 という保守的な意味で使うことが多く、片やアメリカでは、「 活動的にいつも動き回っている人は能力を錆びつかせない 」 というポジティヴな意味あいで用いられるといった具合に、同じことわざながら、まるで違う解釈をされることを知り、なるほどと納得したことがあった。

なので、苔 ( moss ) そのものもアメリカでは、あまりいいものとは思われていないことが多いのに対し、イギリスや日本では、苔はどちらかと言うと嫌なものではなく、時には鑑賞の対象ともなり得る存在となっていて、時に長く継続する力の象徴ともみなされ、実際、京都の西芳寺は苔寺とも呼ばれているし、日本各地の庭園の見事な苔はそれだけで多くの人の目を楽しまさせてもらっているのはご承知の通り。



とか、何とか、前置きが多くなったけれど、そうした苔が多く生育されていることで知られ、前から行きたかった小松市の日用町(ひようまち)まで、久しぶりに時間が取れた一昨日の午後にピューッとひとっ走り、束の間の哲学時間? を過ごしてきたのでありました。



金沢からだと加賀産業道路経由で1時間弱、もともと林業が盛んで、杉の木立に苔むす庭と古民家、初夏にホタル舞う小川と田園など日本の美しい自然と文化を残し、全国農村景観百選に選ばれているという日用町。

その集落の中に48種類にも及ぶという多様な苔(蘚苔類)が見られる日本有数の苔庭として国内外から高い評価を得ているのが、ここ 「 苔の里 」。



実はガイドの人が常駐していると聞いていたけど、ご近所のおじさんに訊くと、ちょうどタイミング悪いことに、「 どっか行ってしまったなぁ~ 」 とのことだったので、やむなく500円の協力金をカンパし一人見学ということに --- 。



なので、トホホながら全部を見ることはできなかったけれど、これまで何気なく見ていた苔を誰もいない中、改めてゆっくり見直すことにより、苔が持つ独特の表情に、はっとさせられたり、時には、しみじみさせられたりして、なかなか貴重な体験だったのでありました。



それにしてもこの苔庭、もともと町内の一部を「苔の園」という名称で一般公開し、好評を得ていたものの、園内隣接道路の拡幅工事等に伴い、2009年に閉鎖され、現在は、村に住む7世帯の住民によって新たに設立された日用苔の里整備推進協議会が、「苔の里」として苔庭の整備・管理を行っているとのことで、そうした住民の方たちの不断の努力を考えると、頭の下がる思いだったのでありました。



ということで、正直言って規模そのものは、そんなに大きいものではないのですが、機会があれば是非。
貴重な存在としてこのまま是非とも残していってほしいものです。

そしてこの苔の里を含む地域全体を「叡智の杜」として、産官学民の連携で継承・発展させていく叡智の杜プロジェクトなる試みがスタートしているとのことで、
興味のある方は、こちらを是非。

◇叡智の杜ホームページ   http://forestofwisdom.org/

◇叡智の杜フェイスブック http://www.facebook.com/eichinomori



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