俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「(500)日のサマー」  (500) DAYS OF SUMMER

2010年05月04日 10時53分37秒 | 時系列でご覧ください

運命の恋なんぞを信じている草食系な男子が、恋も愛も幻想だと思っているちょいと風変わりな女の子と恋に落ち、そんな彼女と過ごす500日間にわたるほろ苦い愛の軌跡をあくまでも男目線からリアルに描き出していったロマンティック・コメディ。

いやはや前評判がかなり良かっただけに逆にいささか不安だったけれど、決して新しさは感じないもののドンピシャなキャスティングだった主演二人の好演に加え、これがデビュー作だというミュージックビデオ出身の監督らしいディティールにもこだわりつくしたセンスある演出によって見事にキュートに仕上がっていて、なんとも照れ臭くも愛らしい作品に仕上がっていたのだ。



冒頭エレベーターでトムのヘッドフォンからスミスの " THERE IS A LIGHT THAT NEVER GOES OUT " 漏れ聴こえてきて、サマーとの会話がはじまるという、ベタと言えば目茶ベタながらモリッシーの歌声を久々に聴いたことも含めて、そんな粋な設定にニヤリ。

そしてトムが着ているTシャツがジョイ・ディヴィジョンのアルバムジャケットだったり、家にはジーザス&メリージェーンの「サイコキャンディ」のレコードがあったり、カラオケの選曲もクラッシュの " TRAIN IN VAIN (Stand By Me) " だったりして、そのブリティッシュロックの傾倒ぶりも微笑ましかったりもしたのだ。



加えてカラオケと言えば、サマーが歌う曲はナンシー・シナトラ(フランク・シナトラの娘です)の往年のヒット曲 " SUGAR TOWN " だったり、唐突にミュージカル風なシーンではホール&オーツの " YOU MAKE MY DREAMS " が流れたりと、その選曲センスも大いに納得。

そして確かに今流行と言えば流行なんだけど、時系列をばらばらにした展開も、記憶を辿るに当たって人間ってそんなに時系列とおりに思い出すことがないということを考えれば、確かにアリだと思うし、IKEA でデートしたり、公園で馬鹿な単語を叫びあったり、「私がシドよ」なんて言ったり、その等身大の恋愛ぶりは本当に微笑ましく、何ともほのぼのさせられたのでありました。



まあ考えてみれば本当に自己チューで嫌な女なはずなのに何故か心惹かれるという現実にもよくいそうなタイプのサマーの存在は多くの男にとってやはり魅力的で、そのあたりの描き方にも共感できたし、悲しいエンディングになると見せかけ、次の展開も用意してくれるあたり何ともやさしかったりもしたのだ。
それにしてもサマーのあとがオータムって…(苦笑)



7月には DVD リリースされるそうなので、劇場で見逃した人はそちらで是非!
結構胸キュン(死語だぁ)になりまっせ。



今日の1曲 “ There Is A Light That Never Goes Out ” :  The Smiths

ということで1986年にリリースされたアルバム 『 The Queen Is Dead 』 に収録されているザ・スミスの代表的チューンであるこの曲を。
それにしても改めて考えてみたら
~ もし二階建てバスが突っ込んできて
君の横で死ぬことになったら それは最高に素敵な死に方 ♪
というサッチャー政権下の時代の閉塞感を感じさせるこの曲を使うのは、やっぱちょっち疑問かもしれないなぁ。ウ~ム



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