俺の明日はどっちだ

50歳を迎えてなお、クルマ、映画、小説、コンサート、酒、興味は尽きない。そんな日常をほぼ日替わりで描写

「 その女アレックス 」 ピエール・ルメートル

2015年01月19日 22時11分48秒 | 時系列でご覧ください

あなたの予想を全て裏切る究極のサスペンス!
英米ミステリ界を戦慄させた驚愕と慟哭の傑作!

とまあ、たいそうな宣伝惹句が腰帯に踊り、なおかつ史上初の6冠獲得という話も加わり、少なからず期待値が高い中、読んだ話題の1冊。

これから読む人もまだまだいるだろうし、あれこれ書いてネタバレするのも大いに気が引けるけど、テイスト的には以前話題となった 「 ミレニアム 」 や、デイヴィッド・フィンチャー監督の新作 「 ゴーン・ガール 」 と通底するとでも言おうか…

表紙の絵のような誘拐監禁事件から物語は始まるものの、それは序章にしかすぎず ( と言ってもそのへヴィーな極限的描写も凄いけど )、そこから予期せぬ展開が待っていて、そこに事件を担当する刑事が背負い続けてきた過去の出来事に対する思いが絡み合い、二転三転するストーリー。

確かに筆力ある作者の技量には感心させられるし、それぞれの立場からの描き方も説得力があり、かつ全体が映画的で、ついつい読み進んで行けたけど、正直言って誰にも感情移入できず、最後の無理やり感たっぷりな他者に委ねるようなエンディングも、意外ではあるけれど、今ひとつ腑に落ちず、「 真実ではなく、正義 」 という言葉もいささか虚しく感じてしまったというと辛口過ぎるかな?

ともあれ、6冠となったいずれの書評も読んでいないので、そのあたりこのぼんくら頭に喝を与えるべく少し読むべきかもしれないけれど、期待が大きすぎた分、いささか肩すかし的な作品だったのだ。




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