「デス・プルーフ」に続くグラインドハウス再現ムーヴィー第2弾。
今回もまた本編上映前に流れる擬似予告編の「マチェーテ」の出来上がりが何とも胡散臭く怪しげで、思わずワクワク。
そしてオープニングのいかにもっといったポールダンスにのせてのタイトルクレジットの出し方や、それに続く前作同様のフィルムの傷や“ブチッ、ブチッ”といった光学録音ならではのノイズの入れ方など、かつての雰囲気はそれなりに上手く出していたと思う。
加えて途中で(さすがに実際そういったことに遭遇したことはないけれど)、まだ可燃性フィルム時代ならではのフィルムが燃えるエピソードなども、映写技師の過去を持つものとしては興味深かったりもした。
しかしながら、そうしたフィルムの傷やノイズ、前作のタランティーノは、前半こそ取り合えずとばかりに効果として使っていたものの後半ではすっかり忘れ去られていて(苦笑)、だけどそんないい加減さにもグラインドハウスっぽさを感じたりもしたのに対して、今回演出したロバート・ロドリゲスは最後までそうしたこともやり通す徹底振りで、それはそれで結構なことなんだけど、何だかなぁ、ちょいと真面目すぎるように感じてしまったのだ。
だから、確かに子作りも含めて百発百中(笑)のフレディ・ロドリゲスに対して「お前があの伝説のエル・レイか」( ← 誰やねん、それ)とか、食いちぎられた脚にマシンガン装着し空をも飛んだりとか、女性麻酔技師のガーターベルトからいきなり注射針とか、さらにはBBQソースへのこだわりとか、馬鹿馬鹿しい面白さてんこ盛りではあるのだけど、あまりに計算されすぎていたような気がしたんだな、これが。
つまりB級映画の皮をかぶったA級映画とでも言えばよいのか、映画のそのものの出来としては多分タラくんのものより遥かによく出来ているのだろうけれど、どこか予定調和的な生真面目さを感じてしまい、正直言っていささか物足りなく、(スプラッタものが苦手ということもあって)予告編のほうが良かったなあとつい思ってしまったのでありました。
まあそれはさておき、ここでっちょいと思い出した昔話。
かつて東映プログラムピクチュアで活躍していた野田幸男監督が撮影現場の上空でヘリコプターが旋回しているのに気づいてキャメラマンにひと言。
「おーい、あのヘリ、撮っとけぇ~」
それを聞いた助監督が
「監督。ヘリのシーンなんて、台本にありませんが」
すると、監督
「お前、ヘリを飛ばすのにいくらかかるか知っているんか。そのうち使うことがあるかも知れんじゃろ!」
こんなエピソードまたB級映画=ロウ・バジェット作品の真髄ではなかったかとつい思ってしまうのだ。
今日の1曲 “ your smiling face ” : James Taylor
ジェフ・フェイヒー扮する BBQ ソースにこだわるJTは、実はキューブリック監督『突撃』『現金に体を張れ』の脚本家として、またペキンパー監督の『ゲッタウェイ』の原作者としても知られるジム・トンプスンに対するリスペクトとしてのネーミングらしいけれど、JTと言えば、やっぱジェームス・テイラーでしょう。
ということで映画とは全く関係ないけれど、77年にリリースされたJTのCBS移籍第1弾傑作アルバム、その名もまんま『JT』からこの曲を。
すっかりアタマが淋しくなってしまった動画はコチラ
アルバム試聴はこちら
今回もまた本編上映前に流れる擬似予告編の「マチェーテ」の出来上がりが何とも胡散臭く怪しげで、思わずワクワク。
そしてオープニングのいかにもっといったポールダンスにのせてのタイトルクレジットの出し方や、それに続く前作同様のフィルムの傷や“ブチッ、ブチッ”といった光学録音ならではのノイズの入れ方など、かつての雰囲気はそれなりに上手く出していたと思う。
加えて途中で(さすがに実際そういったことに遭遇したことはないけれど)、まだ可燃性フィルム時代ならではのフィルムが燃えるエピソードなども、映写技師の過去を持つものとしては興味深かったりもした。
しかしながら、そうしたフィルムの傷やノイズ、前作のタランティーノは、前半こそ取り合えずとばかりに効果として使っていたものの後半ではすっかり忘れ去られていて(苦笑)、だけどそんないい加減さにもグラインドハウスっぽさを感じたりもしたのに対して、今回演出したロバート・ロドリゲスは最後までそうしたこともやり通す徹底振りで、それはそれで結構なことなんだけど、何だかなぁ、ちょいと真面目すぎるように感じてしまったのだ。
だから、確かに子作りも含めて百発百中(笑)のフレディ・ロドリゲスに対して「お前があの伝説のエル・レイか」( ← 誰やねん、それ)とか、食いちぎられた脚にマシンガン装着し空をも飛んだりとか、女性麻酔技師のガーターベルトからいきなり注射針とか、さらにはBBQソースへのこだわりとか、馬鹿馬鹿しい面白さてんこ盛りではあるのだけど、あまりに計算されすぎていたような気がしたんだな、これが。
つまりB級映画の皮をかぶったA級映画とでも言えばよいのか、映画のそのものの出来としては多分タラくんのものより遥かによく出来ているのだろうけれど、どこか予定調和的な生真面目さを感じてしまい、正直言っていささか物足りなく、(スプラッタものが苦手ということもあって)予告編のほうが良かったなあとつい思ってしまったのでありました。
まあそれはさておき、ここでっちょいと思い出した昔話。
かつて東映プログラムピクチュアで活躍していた野田幸男監督が撮影現場の上空でヘリコプターが旋回しているのに気づいてキャメラマンにひと言。
「おーい、あのヘリ、撮っとけぇ~」
それを聞いた助監督が
「監督。ヘリのシーンなんて、台本にありませんが」
すると、監督
「お前、ヘリを飛ばすのにいくらかかるか知っているんか。そのうち使うことがあるかも知れんじゃろ!」
こんなエピソードまたB級映画=ロウ・バジェット作品の真髄ではなかったかとつい思ってしまうのだ。
今日の1曲 “ your smiling face ” : James Taylor
ジェフ・フェイヒー扮する BBQ ソースにこだわるJTは、実はキューブリック監督『突撃』『現金に体を張れ』の脚本家として、またペキンパー監督の『ゲッタウェイ』の原作者としても知られるジム・トンプスンに対するリスペクトとしてのネーミングらしいけれど、JTと言えば、やっぱジェームス・テイラーでしょう。
ということで映画とは全く関係ないけれど、77年にリリースされたJTのCBS移籍第1弾傑作アルバム、その名もまんま『JT』からこの曲を。
すっかりアタマが淋しくなってしまった動画はコチラ
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そういや駅前シネマのオールナイトを見たとき、
座席の下にはタバコの吸殻が落ちてました~~
傷だらけのフィルムもそうですけど、
タバコの煙というのもグラインドハウスの特徴かな・・・
確かに面白けりゃ、A級だろうがB級だろうが、関係ない、
その通りだと思います。
そして個人的には「シン・シティ」が持っていたテイスト
のほうが、より好きだったりもします。
って、関係ないっすね(苦笑)。
それはさておき、こういった映画が上映されていた映画館は
当時当然のごとく紫煙くゆらせまくりだったでしょうし、
かつての『駅シネオールナイト』もまた、煙草スパスパが
当たり前で、時にはカップ酒なんていうのもアリでした。
そういった意味では、今の映画館ってあまりに健全過ぎ!
と言えるかもしれませんね。
この手の映画でよくある、可愛いけど演技は最低の女の子たちが殺される、といったストーリー上は無駄だけどお色気たっぷりのシーンもほとんどなかったし。
細かい話で恐縮ですが、自分はフィルムが溶けてると思ったんですが、燃えてましたっけ?
たしかに、画面内のチェリーとレイは燃えてましたけど(笑)。
切れた箇所をうまくつないでないフィルムが映写機の中で引っ掛かって、停止した状態でランプが当たり、その熱で難燃性フィルムを溶かしたことがあります。
てなわけで、TBありがとうございました。
確かにフィルムは燃えているのではなく、溶けていましたね。
カーボンアーク時代じゃなく、キセノンランプ時代にフィルムが
燃えることってないですよね。
なぁーんてことを書いていると、フィルムセメントで切れた
フィルムをつないでいたあの頃のことをつい思い出したりして。
ということで、コメントありがとうございました。
詰め込みすぎて、かえって散漫になってしまったような?「デス・プルーフ」は終わりよければ全てよしと言う感じでした♪
世の中的にも評価が高いようですが、タランティーノのほうに
いい加減な分だけ、何だか「愛」を感じてしまうんですよね(笑)。