日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 守久 Morihisa Katana

2017-03-09 | 
刀 守久


刀 守久

 石堂派は江戸においても活躍している。その一人が守久。江戸時代前期の明暦頃。刃長二尺三寸、反り四分。この時代の典型的姿格好。二尺三寸を定寸と呼んでいる方は、この時代の刀を指しているだろうと、想像しているのだが、実際には戦国時代のものまで二尺三寸を定寸と勘違いしている方が未だにおられる。二尺三寸が定寸は、戦のない平和な、このような時代の刀のこと。戦がないとはいえ、この刀工も良く斬れたことで評判である。良く詰んだ小板目鍛えの地鉄に、乱れた互の目に小丁子交じりの刃文が複雑ですごい。小丁子の頭が地に突き入って時に飛焼となり、刃中は小足が盛んに入り砂流しが穏やかに掛かり、物打辺りには小互の目状の沸筋が流れて二重刃のような景色となっている。石堂派、即ち備前古作を手本としている作風だが、互の目丁子もこうなると良く判らない。とにかく変化に富んでいるすごい作だ。
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