なんとか朝7時にベッドから抜け出し、シャワーで目を覚ましてから、8時半からCSISで行われたフォーラムに遅れないで行く事ができた。我が家から地下鉄の駅までは徒歩10分。わずか数週間前には心地よかったはずの駅までの徒歩が、先週から辛くなり始めた。冬場の外取材が毎日のようにあったボストン時代を考えると、まだまだ大した事のない気温なんだろうけど、スーツの上からコートを羽織る日がやってくるのも近いかもしれない。今日のフォーラムは「現代の戦争で重要になりつつある特殊部隊の役割」についてのもので、最近イラクから帰ってきたジェームズ・ガブリリス少佐や2001年から2003年まで対テロ戦争の指揮官だったジェフリー・ランバート少将がゲスト・スピーカーとして出席していた。報道関係者の他にも、ヨーロッパ各国の大使館職員や軍事産業のスタッフも参加しており、朝一番のフォーラムにしては出席者が多かった気がする。また別の機会に詳しく書ければいいけど、この国の戦争形態は確実に変化している。さて、今日は英タブロイド紙がスクープで報じたニュースがワシントンとロンドンでちょっとした騒ぎとなっているので、それを紹介することに。
22日付の英大衆紙「デイリー・ミラー」は2004年にワシントンで行われた米英首脳会談の中で、ブッシュ大統領とブレア首相が中東カタールの衛星ニュースネットワーク局「アル・ジャージーラ」を爆撃する計画について話をしていたと報じ、ミラー紙の報道後すぐに米英のメディアが後追い報道を開始している。ミラー紙はイギリス政府内で働く匿名の情報筋からの話として、2004年4月16日にホワイトハウスで行われた会談の中で両国首脳がアル・ジャジーラ本社ビル爆撃の可能性について話し合ったが、最終的にブレア首相がブッシュ大統領に対して「思いとどまるように」説得したのだという。ホワイトハウス高官はBBCの取材に対し、「このような報道内容には、応じる事すらはばかれる」と苛立ちをあらわにしている。しかし、反ブレア派の急先鋒として知られるピーター・キルフォイル元国防担当閣外相は、両首脳が交わした会話のトランスクリプトを公開すべきだと主張している。
1996年に放送を開始したアル・ジャジーラはアルカイダのビデオメッセージを頻繁に放送することでも知られ、2003年のイラク戦争でアメリカの同盟国でもあったカタールのドーハに放送局がある。ミラー紙は複数の人物から情報を入手しているが、情報源となった人物の間でもアル・ジャジーラ爆撃の真意について意見が分かれているとの事だ。情報源の1人は、両首脳が「ふざけあって」アル・ジャジーラ爆撃を語っていただけとミラー紙に語っており、別の人物は「ブッシュもブレアも深刻に話し込んでいた」とコメントしている。ワシントンで会談が行われる直前、イラクのファルージャでは武装勢力との戦闘によって米海兵隊員30人が死亡しており、ブッシュ政権閣僚メンバーも以前からアル・ジャジーラを激しく批判していた。BBCのポール・レイノルズ記者は米軍の中東方面司令部が置かれているカタールを爆撃する可能性はあり得ないとして、仮に発言そのものが実際に行われていたとしても、ブッシュ大統領流の「ジョーク」だったのではと分析している。
しかし、両首脳の発言を記録したメモが外部に持ち出されていたのは事実で、英当局は内閣府に勤務するデービッド・キーオ氏を告訴している。キーオ氏はメモをトニー・クラーク元議員の元で働いていたレオ・オコナー氏に渡した容疑がかけられており、2人は来週ロンドンの下級判事裁判所に出廷する予定だ。ミラー紙の報道によると、メモには「最高機密」のスタンプが押されており、ドーハのビジネス街にあるアル・ジャージーラ本部をどのように攻撃するのか詳細に語ったブッシュ大統領に対し、攻撃に反対するブレア首相が説得する様子が記録されているとの事。キーオとオコナーの両氏がミラー側と接触していたかについては、明らかになっていない。英政府は22日午後にAP通信の取材に答え、機密情報漏洩問題とミラー紙の報道内容について現在は何もコメントできないとしている。「もし今回の報道が事実だとすれば、我々だけではなく世界中の報道機関にとってショッキングな出来事です」、同じ日にアル・ジャジーラも声明を発表している。
2時間前に友人と遅めの夕食を食べたばかりですが、今日は最後に感謝祭ディナーにまつわるトリビアを。この国に来てから、感謝祭では七面鳥を食べるのが当たり前と思い込んでいたんだけど、数日前に日本のある媒体に感謝祭に関するコラムを寄稿した際に色々と知らなかった事に気付いた。原稿執筆前のリサーチで分かった事-それはアメリカ国内で感謝祭で七面鳥以外を食べる家庭が少なくないという事で、例えば西海岸のある地域ではアメリカイチョウガニを食べる習慣があるらしい。また、アイルランド系の家庭ではリブ・ステーキ、イタリア系の家庭ではラザニアを食べる習慣が残っていたりもするらしく、エスニック・グループによってロースト・ターキー以外の料理がテーブルに並ぶ事も珍しくはない。木曜日の晩、僕は知人宅でターキーを頂く予定だけど、それまでに仕事がどれくらい終わってるのか…。
写真:ドーハにあるアル・ジャジーラのニュースルーム。 (AP通信より)
22日付の英大衆紙「デイリー・ミラー」は2004年にワシントンで行われた米英首脳会談の中で、ブッシュ大統領とブレア首相が中東カタールの衛星ニュースネットワーク局「アル・ジャージーラ」を爆撃する計画について話をしていたと報じ、ミラー紙の報道後すぐに米英のメディアが後追い報道を開始している。ミラー紙はイギリス政府内で働く匿名の情報筋からの話として、2004年4月16日にホワイトハウスで行われた会談の中で両国首脳がアル・ジャジーラ本社ビル爆撃の可能性について話し合ったが、最終的にブレア首相がブッシュ大統領に対して「思いとどまるように」説得したのだという。ホワイトハウス高官はBBCの取材に対し、「このような報道内容には、応じる事すらはばかれる」と苛立ちをあらわにしている。しかし、反ブレア派の急先鋒として知られるピーター・キルフォイル元国防担当閣外相は、両首脳が交わした会話のトランスクリプトを公開すべきだと主張している。
1996年に放送を開始したアル・ジャジーラはアルカイダのビデオメッセージを頻繁に放送することでも知られ、2003年のイラク戦争でアメリカの同盟国でもあったカタールのドーハに放送局がある。ミラー紙は複数の人物から情報を入手しているが、情報源となった人物の間でもアル・ジャジーラ爆撃の真意について意見が分かれているとの事だ。情報源の1人は、両首脳が「ふざけあって」アル・ジャジーラ爆撃を語っていただけとミラー紙に語っており、別の人物は「ブッシュもブレアも深刻に話し込んでいた」とコメントしている。ワシントンで会談が行われる直前、イラクのファルージャでは武装勢力との戦闘によって米海兵隊員30人が死亡しており、ブッシュ政権閣僚メンバーも以前からアル・ジャジーラを激しく批判していた。BBCのポール・レイノルズ記者は米軍の中東方面司令部が置かれているカタールを爆撃する可能性はあり得ないとして、仮に発言そのものが実際に行われていたとしても、ブッシュ大統領流の「ジョーク」だったのではと分析している。
しかし、両首脳の発言を記録したメモが外部に持ち出されていたのは事実で、英当局は内閣府に勤務するデービッド・キーオ氏を告訴している。キーオ氏はメモをトニー・クラーク元議員の元で働いていたレオ・オコナー氏に渡した容疑がかけられており、2人は来週ロンドンの下級判事裁判所に出廷する予定だ。ミラー紙の報道によると、メモには「最高機密」のスタンプが押されており、ドーハのビジネス街にあるアル・ジャージーラ本部をどのように攻撃するのか詳細に語ったブッシュ大統領に対し、攻撃に反対するブレア首相が説得する様子が記録されているとの事。キーオとオコナーの両氏がミラー側と接触していたかについては、明らかになっていない。英政府は22日午後にAP通信の取材に答え、機密情報漏洩問題とミラー紙の報道内容について現在は何もコメントできないとしている。「もし今回の報道が事実だとすれば、我々だけではなく世界中の報道機関にとってショッキングな出来事です」、同じ日にアル・ジャジーラも声明を発表している。
2時間前に友人と遅めの夕食を食べたばかりですが、今日は最後に感謝祭ディナーにまつわるトリビアを。この国に来てから、感謝祭では七面鳥を食べるのが当たり前と思い込んでいたんだけど、数日前に日本のある媒体に感謝祭に関するコラムを寄稿した際に色々と知らなかった事に気付いた。原稿執筆前のリサーチで分かった事-それはアメリカ国内で感謝祭で七面鳥以外を食べる家庭が少なくないという事で、例えば西海岸のある地域ではアメリカイチョウガニを食べる習慣があるらしい。また、アイルランド系の家庭ではリブ・ステーキ、イタリア系の家庭ではラザニアを食べる習慣が残っていたりもするらしく、エスニック・グループによってロースト・ターキー以外の料理がテーブルに並ぶ事も珍しくはない。木曜日の晩、僕は知人宅でターキーを頂く予定だけど、それまでに仕事がどれくらい終わってるのか…。
写真:ドーハにあるアル・ジャジーラのニュースルーム。 (AP通信より)