今回のお話しは、佐賀県から来院されたパピヨンのエルちゃんです。
診察をすると「会陰ヘルニア」によって自力排便がまったく出来ない状態で、溜まった便を摘出する時は大変苦しそうな表情をしていました。
県外の方で且つ初診の子のご依頼でしたが、「出来るだけ早く苦しさを取り除いてあげたい」という飼い主の方の真剣なご要望とエルちゃんの苦しい姿を診て手術をお受けさせて頂きました。
術前の各種検査には大きな異常がなく、膀胱前立腺等のヘルニア内への変位は無かったので、会陰部アプローチによるいつもの手術法を選択しました。
ただし直腸の変位は重度で、肛門を正常な位置に戻すと見た目がかなり痛々しい状態になってしまいました。
↑術後1日目の様子
こんな痛々しい状態でもエルちゃんは大人しく入院をしてくれていました。
↑エルちゃんのオモチャと一緒に
その後、便の状態が落ち着くまでに10日ほど入院管理をさせていただき、無事退院となりました。
↑退院時の様子
↑術後1ヶ月目の様子です
現状、排便の始めに出難さが残っているが毎日便は出ているとのお話しでした。
今後、追加の処置が必要か飼い主の方と相談しながら決めていきたいと思います。
獣医師 佐藤