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手術用縫合糸への配慮

2013年11月03日 | 診療科目

動物たちが手術を受ける場合、多くのケースで切開した所を縫ったり、出血を止めるために血管を糸で結んだりしますが、今回は体の中で使用する糸についてのお話です。

通常、体の中で使用する糸は、体の中に一生残る糸(非吸収性縫合糸)や一定期間で体に吸収される糸(吸収性縫合糸)、細い繊維を編み込んだ糸(ブレイド)や1本の繊維で出来た糸(モノフィラメント)などがあります。

状況によって使い分けをするのですが、一般的には吸収性縫合糸は体の中で使用し、非吸収性縫合糸は体の外(皮膚など)で使用されます。

 

ブレイドの特徴は、網糸なのでほどけにくいということと、糸がしなやかなので縫合の操作がしやすいというところでしょうか。

昔から絹糸が医療で使われておりますが、これもブレイドの一種類ですね。

ただし、ブレイドは網糸の性質上しかたないのですが、糸の中に細菌感染を起こすことがあります。

 

モノフィラメントの特徴は、ブレイドよりほどけやすく、糸が固く、コストが倍近くかかります。

これを聞くと、メリットがないように感じますが、これを補って余あるメリットが一つあります。

それは、ブレイドより細菌感染を起こしにくいということです。

簡単に説明すると、使う側には力量が求められるが、動物には優しい糸ということですね。

 

当院では特殊な事例を除いてモノフィラメントの縫合糸を使うようにしております。

実際、当院で使われている糸は以下のものです。

株)ジョンソン&ジョンソン社製 PDS*II(モノフィラメント吸収性縫合糸)

 

 株)ジョンソン&ジョンソン社製 エチロン(モノフィラメント非吸収性縫合糸)

 

この2つの製品は、同系統のものに比較して非常に扱いやすく、手術の傷口が綺麗に治るように感じております。

 一般の方には少しマニアックなお話だったかもしれませんが、獣医師として動物に優しい医療を提供出来るように、使う製品にもこだわりを持ち続けたいと思います。

 

 

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