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ノミについて

2013年12月10日 | 診療科目

残暑厳しい日が続いていますね。今回は暑い時期に増加し、当院でも今だに被害が見られるノミについてお話したいと思います。

ノミの生態

ノミは動物の皮膚上に寄生して、吸血することで栄養を取る昆虫の一種です。昆虫なので卵→幼虫→さなぎ→成虫と発育します。この中でも吸血を行うのは成虫のみで、他の成長段階では環境中で増加します。

 

ノミの卵は、表面がツルツルなので、寄生されたペットが室内を移動するたびに、ペットから生活環境中に落下します。卵はふ化すると幼虫になり、カーペットの中や動物の寝床などに隠れ、成虫の糞などを食べて、さなぎになります。

 

ノミのさなぎは、殺虫剤に抵抗性があり、駆除が難しく、また、ノミの繁殖に適さない環境(低温・低湿)でも生存できるので、寒くなって一度落ち着いても冬を超えて翌年の春からまた被害が出てくることがあります。

しかも、最近は暖房設備の普及によって、冬でもノミの発生がみられるため、季節を問わず注意が必要です。

 

その後、成虫になり、動物が近づくとジャンプして寄生し、吸血を始めます。

 

ノミは繁殖力がとても強く、1日20~50個もの卵を生み、2週間程度で成虫になります。

もし5匹ノミを見つけたら、95匹の卵や幼虫などの予備軍がいるといわれています。

 このように、ノミはそのライフサイクルと繁殖力から、動物に寄生した成虫を、駆虫しただけでは卵や幼虫から再感染するので、完全に駆除するのは大変です。

 

ノミによる病気

ノミによる被害として刺されることで起こる発疹やかゆみはもちろん、大量に寄生された場合には吸血による貧血や、その他にも病気を引き起こすことがあります。

 

・ノミアレルギー性皮膚炎

ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミに対するアレルギーによって、皮膚のかゆみや炎症などの症状が現れる病気で、特に複数回寄生されることで、体が過剰に反応しやすくなり、発症します。

ノミアレルギー性皮膚炎を起こすと、赤い発疹ができ、犬はとてもかゆがるようになります。ひどくなると、一晩中眠れないくらいかゆみが強くなることもあります。

 

・瓜実条虫症

瓜実条虫症は、瓜実条虫という寄生虫が犬や猫の小腸に寄生することで下痢などの症状を起こす病気です。

瓜実条虫はノミを介して動物に寄生します。寄生された猫や犬が便とともに、卵を排泄します。その卵をノミの幼虫が食べ、幼虫の体内で瓜実条虫が発育し、このノミを、猫や犬が毛づくろいのときなどに口に入れてしまうことで、瓜実条虫に感染します。

また、瓜実条虫症は人にも、ノミを介して寄生します。

 

 

 

この様に、ノミは様々な問題を引き起こし、駆除しきることが難しいので、月に一回の予防をしっかりと行うことをお勧めします。少なくとも、もし見つけた場合は早めの駆除を行いましょう。

駆虫薬については前回のブログをご覧ください→駆虫薬について

 

 

 


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