米国で和包丁が人気を集めている。日本食ブームを背景に、プロの料理人から家庭の主婦まで愛用者が広がった。繊細な切れ味に加え、職人の技と心が込められた道具である点も魅力のようだ。(ニューヨークで、谷本陽子)
ニューヨーク市内のチェルシー・マーケットにある台所用品店「バワリー・キッチン」。ショーケースやレジの後ろの壁にずらりと包丁が並ぶ。ドイ ツ、イタリアなど世界各地の商品を取り扱うが、中でも、日本の和包丁の人気が高いという。価格は100ドル~300ドル程度(約1万~3万円)が主流だ。
オーナーのロビン・コバルさんは、「日本の包丁は切れ味が抜群。レストランのシェフだけでなく、最近は、料理好きの主婦が買い求める姿も目立ちます」と話す。
バワリー・キッチンで取り扱っているのは、奈良に本店を置く刃物店「菊一文珠四郎包永」の包丁。10年ほど前に米国に進出した菊一のニューヨーク 店によると、日本食レストランが増えて需要が伸びたほか、4年前から放映されている料理バラエティー番組、米国版「料理の鉄人」で、日本人シェフが和包丁 を愛用し、人気に火がついたという。現在、菊一の商品は全米の台所用品店約100店などで販売されており、売り上げは日本国内分を上回る。健康志向の高ま りから、繊細な料理を作る人が増え、ここ1、2年で家庭にも浸透しているという。
10年ほど前まで主な購入者は日本食レストランだったが、この5年ほどで、フランスやイタリア料理など様々なレストランで和包丁が使われるように なったという。店を訪れていた中国人シェフの男性(36)も「切れ味が気に入っている。10年近く愛用している」と話していた。
良質な鉄と鋼を使い、職人が手作りで仕上げる日本の包丁。「1本の包丁にかける職人の熱い思いを知り、ほれ込むアメリカの料理人も多いんですよ」とコーリン社長の川野作織さん。修理や研ぎを繰り返し、長く愛用する人が増えているという。
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友人の料理人も砥ぎに苦労してたし。