日,暮らし

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「ホテル・ルワンダ」

2006-06-21 | 映画もまた楽し
今年の初めころ,いい映画なんだけど商業ベースに乗れないのか,日本で上映予定はなかったけど,多くの人の署名で上映が決まったという「ホテル・ルワンダ」。どんな映画だろう,見てみたいと思いながら,地方都市ですからやっぱりビデオじゃないと無理なのかな・・・と思っていたが,やっと映画館で見ることが出来た。

1994年のルワンダの内戦での物語。内戦は,ツチ族とフツ族の殺し合いとなり,多くの人が虐殺されたということで,恐ろしい映画だとどうしようと思っていたが,しかしそういうシーンは,ないことはないが,それが強調されるということではなく,いかに主人公である外国資本の四つ星ホテル支配人ポールが愛する家族と,そして逃げてきた多くの難民を救うかという物語。本当に,知恵を絞って,袖の下も使って,きれい事ではない,生き抜くということを見せてくれたと思う。

ツチ族とフツ族と言っても,昔植民地の時代に当時の宗主国が自分たちの利便のために区別したというもので,ルワンダの人間として,そこにどれだけの違いがあったのかは,分からない。

主人公のポールは,ツチ族とフツ族の対立が激しくなってきていても,和平条約が結ばれたし,国連軍もきているから大丈夫だとを思っていたのだが,しかし現実はそんなものではなかった。希望を打ち砕くような現実。ツチ族への激しい攻撃。自分はフツ族だが妻はツチ族であるポールの苦悩。家族を殺すわけにはいかないと,なんとか生き延びる方法を探るのだが・・・。

先日も「ナイロビの蜂」を見て,アフリカの現実をまざまざと見せつけられたと思っていたが,この映画もやはりアフリカの歴史。今現在は,また状況が違うのかもしれないが,しかし,まだ10年,残る傷跡は大きいと思う。内戦の取材に来ている記者が虐殺のビデオを撮ってきたが,「この映像を世界に流しても,世界の人々は‘怖いね’と言ってディナーを続ける」とポールに言う。

不勉強で分からないが,ユニセフか難民事務所か,孤児を救出するアーチャーという女性がいた。あわや命が・・・という場面もあったが,最後まで自分の使命を果たして頑張っていた。こういう映画を見ると,こうして映画を見るだけの自分にいったい何ができるんだろうといつも思う。でも,ただ忘れないということだけでも,意味があると考える。そして,いつか,何かできるときに,例え小さな一歩でも踏み出したいと思う。

そうそう,クレジットがなかったけど,一応その四つ星ホテルの社長でジャン・レノが出てまして,前知識がなかったので,ちょっとびっくり。

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