起きてネットに繋いだら、談志家元逝去の情報。ボーゼンとしてしばらく動けなかった。
でも、嘘で香典集め終えた頃につらっと出てきたりしない? と思ったら、もう秘密で密葬を終えていたと……本当なんだ。家元亡くなったんだ。ショック!
私はナマの落語を見に行くようになったのが遅いから、談志家元の落語って数えるほどしか見ていない。
素晴らしい高座もあったし、グダグダでつらいときもあった。
途中までやりかけて放り投げてしまわれたこともあった。
素晴らしかったのは、家から最寄りのセシオン杉並で聞いた高座の「黄金餅」おかしさ、グルーブ感、背筋がゾワッとする薄気味悪さ、本当に聞いていて恐ろしくて鳥肌が立った。心を落語に持って行かれた感じだった。
閉会後、カイダとふたりで「すごい~」「こわい~」と言い合っていたら、他の客のオバサンが「あんまり笑えなかったわね~」とか、言ってて、なに言ってやがるんだ! こんな凄いもん見せてもらって、何を抜かすか! と憤ったり。
浅草東洋館での高座の「二階ぞめき」もすごかったなあ。
あの、情景が見えるような不思議な感覚。興奮。
途中で放り投げられたのは、日暮里での一門寄席の高座にサプライズで「今日は海ぃ行った帰りなんだ」と半ズボンかなんかの姿で家元が高座に上がったとき。
いつもの調子でたらたら喋っていたのだが、突然「あたし、もう死んじまおうかと」「え、なんでだい。なんで、そんなこというの」「あたしみたいなオンナが死ぬって言ったら決まってるでしょ」と品川心中のおそめと金蔵になって演りはじめて、一緒に心中しようということになる直前で「ま、いいやな、こんなのは」と止めてしまった。
客席から「えぇ~!」という声が上がったら、してやったりみたいな顔でニヤッとした。
意地が悪いというか、なんか無邪気というか、子どもっぽいというか、難しい、困る方だなあと思った。
グダグダだったのは浅草の5656会館での「化け物長屋」
この時はテンション低く、「俺の噺をナマで聞いたとあとで自慢できるぞ」と傲慢そうなことをいったあと、急に気弱なネガティブな話しをしはじめたり、散漫で集中していらっしゃらない感じ。
客席も筋が悪く、何かの見学なのか制服姿の高校生の集団が来ていて、いかにもな感じでふてくされて退屈そうにペチャペチャおしゃべりをしたり、携帯を弄ったり。
私は高校生のおしゃべりがうるさくてイライラしたのだけど、ふと聞こえてきた「長屋ってナニ?」「大家って、ナニ?」という声に、うわあ~と思ったのだった。
そんなになんにもわからないんじゃ、連れてこられた方も災難だよねえ。
これからの噺家さんは、こういう人たちを相手にしなくちゃならないのか。
大変だぁ!
談志家元は落語の演者として歴史に残る方だけど、素敵なお弟子さん達を育ててくださったことが素晴らしい功績だと思う。
談志の弟子筋の噺家さん達が居なかったら、私の人生はかなり味気ないものだったろうな。
談志家元、本当にありがとうございました。
謹んで黙祷いたします。
前田隣先生も白山先生も談志家元もいないなんて、世の中がなんかスカスカした感じ。
でも、やっぱり、嘘だったりしない?
でも、嘘で香典集め終えた頃につらっと出てきたりしない? と思ったら、もう秘密で密葬を終えていたと……本当なんだ。家元亡くなったんだ。ショック!
私はナマの落語を見に行くようになったのが遅いから、談志家元の落語って数えるほどしか見ていない。
素晴らしい高座もあったし、グダグダでつらいときもあった。
途中までやりかけて放り投げてしまわれたこともあった。
素晴らしかったのは、家から最寄りのセシオン杉並で聞いた高座の「黄金餅」おかしさ、グルーブ感、背筋がゾワッとする薄気味悪さ、本当に聞いていて恐ろしくて鳥肌が立った。心を落語に持って行かれた感じだった。
閉会後、カイダとふたりで「すごい~」「こわい~」と言い合っていたら、他の客のオバサンが「あんまり笑えなかったわね~」とか、言ってて、なに言ってやがるんだ! こんな凄いもん見せてもらって、何を抜かすか! と憤ったり。
浅草東洋館での高座の「二階ぞめき」もすごかったなあ。
あの、情景が見えるような不思議な感覚。興奮。
途中で放り投げられたのは、日暮里での一門寄席の高座にサプライズで「今日は海ぃ行った帰りなんだ」と半ズボンかなんかの姿で家元が高座に上がったとき。
いつもの調子でたらたら喋っていたのだが、突然「あたし、もう死んじまおうかと」「え、なんでだい。なんで、そんなこというの」「あたしみたいなオンナが死ぬって言ったら決まってるでしょ」と品川心中のおそめと金蔵になって演りはじめて、一緒に心中しようということになる直前で「ま、いいやな、こんなのは」と止めてしまった。
客席から「えぇ~!」という声が上がったら、してやったりみたいな顔でニヤッとした。
意地が悪いというか、なんか無邪気というか、子どもっぽいというか、難しい、困る方だなあと思った。
グダグダだったのは浅草の5656会館での「化け物長屋」
この時はテンション低く、「俺の噺をナマで聞いたとあとで自慢できるぞ」と傲慢そうなことをいったあと、急に気弱なネガティブな話しをしはじめたり、散漫で集中していらっしゃらない感じ。
客席も筋が悪く、何かの見学なのか制服姿の高校生の集団が来ていて、いかにもな感じでふてくされて退屈そうにペチャペチャおしゃべりをしたり、携帯を弄ったり。
私は高校生のおしゃべりがうるさくてイライラしたのだけど、ふと聞こえてきた「長屋ってナニ?」「大家って、ナニ?」という声に、うわあ~と思ったのだった。
そんなになんにもわからないんじゃ、連れてこられた方も災難だよねえ。
これからの噺家さんは、こういう人たちを相手にしなくちゃならないのか。
大変だぁ!
談志家元は落語の演者として歴史に残る方だけど、素敵なお弟子さん達を育ててくださったことが素晴らしい功績だと思う。
談志の弟子筋の噺家さん達が居なかったら、私の人生はかなり味気ないものだったろうな。
談志家元、本当にありがとうございました。
謹んで黙祷いたします。
前田隣先生も白山先生も談志家元もいないなんて、世の中がなんかスカスカした感じ。
でも、やっぱり、嘘だったりしない?