うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

おもに運動に関して、気ままに話したいと思います。
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なでしこジャパン メキシコとの壮行試合で連勝

2010年05月11日 | サッカー(女子)
◆女子サッカー国際Aマッチ

・2010年5月8日 (@長野県松本市/松本平広域公園総合球技場アルウィン)
日本 4(2-0)0 メキシコ
得点者:日本)3分 近賀ゆかり(日テレベレーザ)、24分 高瀬愛実(INAC神戸レオネッサ)
         66分&77分 大野忍(日テレベレーザ)

・2010年5月11日 (@新潟県新潟市/東北電力ビッグスワンスタジアム)
日本 3(1-0)0 メキシコ
得点者:日本)31分 大野忍(日テレベレーザ)、63分&76分 南山千明(日テレベレーザ)


日本サッカー協会の今大会の関連ページ
アジア杯の日本代表候補選手26名
JFA TVのダイジェスト


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現在FIFAランキング5位の「なでしこジャパン」こと日本女子代表。今月19日から中国の成都で開幕する女子アジア杯に向けた壮行試合を2試合戦いました。このアジア杯は、来年6月にドイツで開催される女子W杯本大会の3枚の切符が賭けられたアジア予選を兼ねてます。今回強化試合で招いた相手は、現在FIFAランキング22位のメキシコ。日本はメキシコとは2003年と2007年に、それぞれW杯出場権を賭けた大陸間プレーオフで対戦した経験があります。いずれも日本がメキシコを降してW杯出場権を獲得しましたが、合計4試合とも接戦に終わった経緯があります。

今回のメキシコは今秋に予定されているW杯北中米カリブ海予選を見据えて、若手を少し混ぜたメンバーで来日しました。一方、日本は大事なアジア杯を2週間後に控えていたので、控え選手を試したりするなど調整の意味合いがありました(ちなみに、今回は岩渕真奈は招集してません)。今回、日本が初戦を4-0、第2戦を3-0で完勝できたのは、現時点での両国の進捗具合に差が出たのかもしれません。また、メキシコには長時間の移動や時差の影響もあったのでしょう。ただ、これらを差し引いても、日本が内容的にも優勢に進めて完勝を収めました。

初戦の課題を挙げるとすれば、試合序盤に高い位置からプレスを掛けるメキシコに対してGKとDFの連係がチグハグする面を見受けられたり、後半に攻撃が尻すぼみになったり、沢山の決定機を外したことでしょうか。とはいえ、日本は攻守がしっかりと連動しており、敵の浅い守備陣の裏のスペースを有効に衝くなど、自分達のやりたい事が明確に出来ていたと思います。ボールを持つと後ろか横にパスを回すことに腐心する、極東の島国の男子代表チームは是非とも見習ってほしいものですね(笑)。

なお、今回の日本は過去の代表チームと大きく異なる面があります。それは海外組が5人在籍していることです。澤穂希、宮間あや、山口麻美、安藤梢、永里優季のいずれも攻撃を担う代表チームの中心選手です。今までの代表チームは国内クラブに在籍する選手だけで構成されてましたので、これだけ大勢の海外組の選手を揃えた事はおそらく初めてだと思われます。ちなみに、日本サッカー協会は女子の有力選手を海外のクラブに移籍させて強化を図る為に、「海外強化指定制度」を今年から創設しました。この5人は全員この制度を受けております。海外で揉まれた経験を代表チームに還元する環境は徐々に整いつつあります。

ただ、国際化が進むということは、今後は女子も男子代表チームと同様に海外組の招集時期が短くなる事を意味し、連係面や調整面でのリスクが当然発生します。今回の日本も、澤以外の4人は、代表チームへの合流時期がバラバラなので不安はあります(ちなみに、永里はアジア杯開催中の5月22日に合流です)。だからこそ、監督のチームマネージメント能力が今後は問われると思います。場当たり的な強化ではなく、長期的な一貫性のある方針の下での強化が必要ということです。

幸いにも、現在の日本女子は、佐々木則夫監督の下、フル代表から年代別代表まで同じコンセプトの下で指導されてます(ちなみに、佐々木監督はU-20代表も兼務)。今回のアジア杯は、ライバルを打倒するだけでなく、今まで経験した事が無い未知の領域での戦いでもあります。なお、合流が最も遅い永里は、所属チームのポツダム(ドイツ)が5月20日に行われる欧州女子CL決勝戦に進出したのが理由です。欧州CLでの準決勝では、安藤が在籍するデュイスブルク(ドイツ)をPK戦の末に下すなど、海外組は高いレベルで経験を積んでます。だからこそ、海外で揉まれた経験を最大限に活かして、6大会連続のW杯出場権獲得と悲願のアジア初制覇を目指して頑張ってほしいです。

余談ですが、今回のメキシコとの初戦は日本サッカー協会がインターネットで無料で生中継をやってました。カメラアングルも正面スタンドの高い位置から俯瞰しての撮影でしたので、試合全体を観る事が出来たのでとても良かったです。また、中継の最中はtwitterでも参加できました(なお、私はtwitterはやってませんが(苦笑))。それに、喧しい実況や解説も無かったので概ね好評でした。女子の試合はあまり生中継する事が少ないので、今後は女子だけでなく年代別の男女の代表戦もこうした試みを実施してファンの拡大をしてほしいです。


▼女子アジア杯の日程
(大会は2010年5月19~30日に中国の成都で開催。8ヶ国が参加)

・日本の1次リーグの日程
5月20日(木) vsミャンマー
5月22日(土) vsタイ
5月24日(月) vs北朝鮮

準決勝(各組1-2位によるタスキ掛け方式)
5月27日(木)

決勝&3位決定戦
5月30日(日)

※この大会で3位までに入賞したチームが、2011年6月26日~7月17日にドイツで開催される女子W杯の本大会出場権を獲得(なお、過去2大会とは異なり、今大会のアジア代表は大陸間プレーオフでの出場枠はありません)。


・関連記事
来年5月に中国で開催される女子サッカーアジア杯の組み合わせ&日程が決定



☆ちなみに、こちらは第2戦の前半のダイジェストです(2010年5月11日 @新潟・東北電力ビッグスワンスタジアム)



☆同後半のダイジェスト

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